2024年・ごまめの落語・BEST10
今年は、ごまめ自身の落語の出番が20日もあって、落語会へは少な目。
それで、どうしても「和泉ワンコイン寄席」や「北野田フェスティバル」に「せんしゅう亭」などの近場が多くなりつつ、都合42公演、200の落語を聴きました。その中で印象に残った落語10を。
今年も収穫は、若手の智丸さん、二葉さん、米輝さん、文五郎さん、九ノ一さん、三実さんなど若手の溌剌とした創意に満ちた落語に感激。また中堅の呂好さん、鉄瓶さん、佐ん吉さんの益々の充実ぶり。そしてベテランさんの松枝さん、竹林さん、文也さん、八十八さん、梅團治さんのいぶし銀的古典落語の更なる極みに感動。 各世代で、落語は常に新しく生まれ変わろうという波を感じますな。
まずは、BEST10の発表です。(例年通り一人の咄家さん、ベスト一演目にしております。)
①、笑福亭鶴二、「らくだ」・(2.12)・大阪大落語祭
良かったですな。鶴二さんの「らくだ」。カンカンノウでは普段入らない歌が英華さんの声で応援。にぎやかな死人のカンカンノウ。大阪の臭いが濃厚でまさに笑福亭、まさに松鶴の「らくだ」。鶴二さん、これ一席で松鶴さんの間違いなく継承者でおますな。
「かんかんのう、きうのれんす、きゅうはきゅうれ、さんちょならへ・・・」
②、桂文三、「ちりとてちん」・(7.25)・繁昌亭昼席
本日の秀逸。落語のおもしろさ爆発。喜ィ公の陽気さ全開。同じ15分ですが、陸上の800mのように最初から最後まで全力疾走。ほんま体力使い切っての一席・・お疲れ様でした。
➂、笑福亭銀瓶、「紙入れ」・(7.6)・ぶんか寄席
本日の秀逸。銀瓶さんが演じる女の色気。春蝶さんといい、この噺やはりシュとした優男がせんとあきませんな。でもつくづく女性の方が一枚も二枚も上手なのがようわかりますな・・・、ああ、こわぁ。
④、桂吉坊、「狐芝居」・(5.9)・繁昌亭昼席
よろしいな、トリにふさわしい高座。噺は得意の芝居噺「狐芝居」。忠臣蔵の四段目、判官切腹の場。「蔵丁稚」で聞きなれた場面が語られる、本格派の端正な吉坊さん、これからも粋さがただよう吉坊さんの落語、これからも追いかけまっせ。
⑤、桂千朝、「佐々木裁き」・(7.6)・ぶんか寄席
私の好きな千朝さん。あの独特の言い回しになぜハマってしまう。いつの間にか落語の世界にどっぷり浸ってしまう。ぼちぼち千朝さんの「地獄八景亡者戯」を聴いてみたいですな。
⑥、立川談春、「宮戸川」・(2.12)・大阪落語祭
宮戸川の前半部分。最近では「お花半七」と言われたりしている。後半になると心待ちの悪い展開となるが、最初のなりそめの部分はお花も半七も可愛い。
でもある人に言わせると、主役はお花半七よりも霊岸島の叔父夫婦だと。そういう意味では、たっぷりと本筋で楽しませてくれた談春さんの「宮戸川」でおました。
⑦、笑福亭たま、「鉄砲勇助」・(2.12)・大阪落語祭
頭脳明晰のたまさんが落語界のパワハラを理不尽でありながらこれが落語の世界、芸能界と分析してのマクラ。落語は途中で、「噺変えましょか」と客に向かって聞くぐらい、まさに鉄砲勇介状態。でも、自由気ままに見えながら、考えつくされたたまさんの落語、奇想天外おもしろくてそれでいてパワフル。
たまさん、まさに上方落語界の「鉄砲勇介」でおますな。
⑧、笑福亭伯枝、「谷川の情け相撲」・(5.18)・和泉ワンコイン寄席
できるだけ新しいものをとおもっていますが、昨年秋にもかけていた「谷風情け相撲」をと。丁度五月場所ですし、今週は相撲ネタは旬ですな。でも、横綱、大関が休場の五月場所、また平幕優勝が出るのか誰にでもチャンスのある五月場所ですな。…結果は小結・大の里さんの優勝でした。
⑨、桂春蝶、「権助提灯」・(9.18)・動楽亭・昼席
艶っぽいですな。「紙入れ」といい、女を演じさせたら上方一の色っぽさ。よろしいな。「江戸落語」を上方へと、「命の落語」のシリーズと、多岐に渡って活躍中。毎年、年末の岸和田での落語会楽しみです。
➉、はるか、かなた、「漫才」・(1.26)・鰻谷寄席
会場の、あの火災報知器の警報が鳴り止まない中で15分も延長しながら30分も漫才をし続けた、はるか・かなたさん。
私たちが舞台を降りると逆にお客さんが混乱すると、舞台を離れず状況と客席と楽屋を見ながらの喋りっぱなしの漫才。すべてが落ち着くまで舞台は下りないという強い意志、芸人魂が燃えてましたな。
凄い舞台に出会えて逆に幸せでおました。
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