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あの新型コロナウィルス感染症の専門家会議のメンバーとして活躍された尾身茂さんの1100日間の記録。
それは、政府と専門家とのお互いの立場での違う考え方で生まれる軋轢と緊張感。もとより政府を批判することではないが、無用に忖度するものでもなく、そのままでは感染が急速に広がる可能性があれば、やはり見解は示さねばならない。
そのメンバーは疫学、ウィルス学、呼吸器内科、感染症、公衆衛生、医療社会、リスクコミュニケーション、法律、経済学と多様にわたっていた。
「専門家は政府から聞かれた個別の課題に答える」という暗黙の了解のもとに推し進めるが、でも本来の敵のウィルスは外に居り、その未知なるモノが次々襲ってくる課題に悩み、大いに葛藤し続けた記録です。
「感染拡大防止に向けた日本の基本戦略」は、「社会・経済機能への影響を最小限としながら、感染拡大防止の効果を最大限にする」でもその施策は時として対応の遅れ、強力なるリーダーシップの無さ、市民まかせの後ろ向きなる施策。政府と地方自治体との共創的連携不足。
でも、一般市民の従順なる自発的協力により最低限に抑えることができた感染。医療崩壊を眼目にして辛うじて日本的と言えるギリギリのところで耐えきった。
まあ、色んな課題が明白になっただけに、今後起きるべきパンデミックに対する対策を今から準備して欲しいですな。日本人の悪いところ、喉元過ぎれば熱さを忘れるにはしたくないですな。
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