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これも、単行本で積んであった本。
入ってはいけない色街を本にしようと、取材になんと12年。
それも女性が、単身乗り込んでゆく、あの沢木耕太郎ではないが、
最初は「さわらんといて」「そっとしておいてほしいんや」「うるさいんじゃ」と、
相手にされなかったのが、根気と熱意で一人一人と会って話を聞く。
その取材の量と質が、おざなりの表面だけではない、飛田で生きている人の
生の声が聞こえる。
生きていくためには、この街“飛田”からは離れられない。
民族学者の神崎宜武さんは、
「民俗学とは、ある地域やある集団が古今共通して共有する「クセ」である」と、
まさに“飛田”は、その「クセ」が、累積し、多重化した地域であると・・・・・。
一度も行ったことがない裏の世界、男の心情からいえば表の世界、
でもここまできたら、行かぬままで人生終わるのも良しかと・・・。
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