おいしい国ブルガリアでのフボボな生活

ブルガリアのこと、まだ忘れ難く・・・
でも、アラフィフからまた新たな挑戦をはじめます!!

水道メーターが!? ない?!①

2008-05-13 14:54:05 | ブログ

ソフィア市リューリン4丁目のウチ。バス、トイレの一緒になったバスルームにすべての配管が集中しています。ストゥデナ・ヴォダ(冷水、つまり普通の水道)とトプラ・ヴォダ(温水)、それにカナリザツィア(下水)。一ヶ所、ガコッと壁の一部をはずすとこれらの管がでてきます。

引越しの準備のレモント(修理)をしていたある日。手伝ってくれていたヒゲおじさん(頻出)バリュが、「アレ! ここヴォドメルがない!!」

ヴォドメルとは水道のメーターのことです。毎月水道局の人が一軒一軒回ってきて、この家の中にあるヴォドメルをチェックし、その月のラズホディ(出費=使用料)を決めます。ところが、これが日本と違っておもしろいのが、この水道メーターは任意なので、付いていない家もあるのです。「じゃあ、メーターがなかったらどうやって料金を決めるの??」と不思議になりますが、そこはアバウトなブルガリアのこと、アパートの大きさ、住んでいる人数によって決められた最大量が加算されるのです。もちろん、水道メーターで計って計算した金額よりも高くなります。が、逆に言うといくらたくさん使っても同じ料金ということでもあります。

このアパート、ただでさえ何年分も水道料金をためていて滞納分の利息も加算されているのに、その上、水道メーターがないんじゃ、もう払いきれないんじゃあないの?

家賃を払いに大家のバーバ・エンカのところに行ったとき、相談してみました。「これじゃ、ずいぶん水道代が高くなっちゃうでしょう?」

「うん。でも事情が事情でしょう? ルーメン(彼女の息子、このアパートの元住人)は半身不随で働けないし、家族の問題(ルーメンの離婚)も解決してないし・・・ だから私が今度水道局にモルバ(嘆願書)を出して考慮してもらうようにするわね。それまでちょっと待ってもらっていいかしら?」というわけでバーバ・エンカの返事待ちということになりました。「でも、ヴォドメル、付けたいんだったら一つあるわよ。トプラヴォダ用だけど」とちょっと古ぼけた箱に入ったピカピカ新品の水道メーターを受け取りました。Oldvodomer

このブルガリアの上水道(温水、冷水)、不思議なものでどんなに滞納しても基本的に止められることはありません。なぜって、すべての家を一本の管がめぐっていくものなので、1件の家だけを止めることができないのです。共産体制化ではこのような公共料金はほとんど無料に等しいほど安かったらしく、資本主義になって、物の値段が上がった今では「昔はあんなに安かったのに、こんなバカ高い金額払えるか!! どうせ止められないんだから・・・」と本当にたくさんの人々が払っていません。反対に、同じ公共料金でもトク(電気)は1ヶ月でも滞納するととたんに止められてしまいます。だから毎月7日には郵便局や銀行があんなことになっちゃうわけです・・・

そんなある日、同じヴホッド(入り口)に住む友人バーバ・ターニャがとても困ったような顔をしていたので、

「カクボ スターナ(どうしたの)?」と聞くと、

「それがね、昨日水道の検針員が来たのね。そしたら『おたく、今月100?使ってます』ですって!! もう~、泣きたくなっちゃったワ~、来月水道料金80レバになるんですって!! ウチのヴォドメル、壊れちゃったみたい・・・」

あらら・・・ ターニャの1ヶ月の年金に匹敵する額。全部払っちゃったら生活できない・・・ だいたいどうやったら100?も一人暮らしのおばあちゃんが使えるって思えるんだろう・・・ それに検針員も、時々来なかったり、払いそうな家には余分に請求額を増やしたりすることがあるとも聞きます。ホントにいい加減だから・・・ (②へつづく)

コメント (4)
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