ソフィアからブルガリア第二の都市プロブディフや、修道院やワインで有名なアセノフグラッドを通って、グルグル山道を上り下りしながら着いたところはとてものどかな山里でした。
な~んにもないアフトガーラ(バスセンター)に迎えに来てくれたのはその日泊めてもらうことになっている友人のスラビンではなく、スタンカとマリア母娘でした。(でも、この二人も直接の友人ですが・・・)
さて、荷物を持ってタクシーに乗って上のほうにあるスラビンの家まで行きました。が、なぜか留守。タクシーに乗っていたときには気づかなかったけど、そこから荷物を持って下に行こうとすると・・・ スゴイ絶壁に階段が。ブロックや石をならべただけで、階段というよりはただの急斜面に道がついてるって言う感じ。一段一段がそろってないのです。なんだか尾瀬のトレッキングコースみたい。そこを地元民のスタンカは普通のおしゃれサンダルで難なく下りていきます。ふと彼女が立ち止まって道をあけました。下から何とヤギ4頭とその飼い主が上がってきます。メーっ、メエ~っ。そうかァ・・・スモーリャンの道は「ヤギ道」なのですね。
ヤギたちとすれ違ったあと、やっと彼女たちのアパートに着きました。「何かチェルピム(おごる、ご馳走するの意味)したいんだけど、何食べたい?」と聞かれましたが、思い当たらずまごまごしていると、「こんなのならあるけど・・・?」と「ゼレ・スス・オリス」(キャベツの漬物の入ったご飯)を出してくれました。 とってもフクースノ(おいしい)!! そして食事をしながら少し世間話。スモーリャンには以前に本人の先生が住んでたんだとか。だからみんな日本人のことを知っていて、好意的だそうです。娘のマリアちゃんはソフィア大学の2年生。コンピューター関連を専攻しています。10月1日から彼女はまたこののどかな山里を離れて首都ソフィアに行かなくてはなりません。(彼女はとても学力優秀のようです。) ソフィア大学はソフィアの中心部にあり車もブンブン走っていてうるさいところですが、実家のスモーリャンのアパートでは何の音も聞こえません。実家はこんないいところなんだけど学業のために親元を離れて空気の悪い都市部に行かなくちゃならないのネ・・・。
しばらくしてスラビンが迎えに来てくれて彼のアパートに移動。奥さんのスベタが待っていました。
次の日の朝食はパンとコーヒー、またはお茶。スラビンとスベタはスモーリャンではなく、黒海沿いのバルナの近所の出身で、もともとそこで蜂蜜作りをしていたとか。「ウチの蜂蜜はおいしいよ!」と、ヒマワリの蜂蜜を勧めてくれました。スラビンはコーヒーに蜂蜜を入れるのが大好きとか。
外に出ると快晴!!! 山々が連なり美しいスモーリャンの家並みが輝いて見えます。空気も澄んでヒンヤリ。心の中にあの「ハイジ」のテーマソングが流れてくる感じがしました。海もいいけど、山も、住んだらステキかも!!