前日にケアマネさんから「お元気で何よりですね」
と、言われた母が翌日転んで大腿骨を骨折して
しまいました。
入院した母は、認知が進み私たちには
見えないものが見えるらしく、天井を見つめて
「子どもが沢山いるね~」と笑うのです。
母はタオルケットを握り、しきりに何かを
縫っている仕草をしているのです。
認知症になっても手仕事をしているのです。
初女さんは、臥せっている時に大根を切る
仕草をなさっていたと聞きました。
女の人って、動けなくなってもやはり生活が
体の芯のところに沁みついているのですね。
一生懸命両手を動かし、何かを縫っている
そんな母を見ていて、ちょっと胸が熱く
なりました。
初女さんは『苦しみから這い出す時は
自分の好きなことに挑戦して気分転換し
少しずつ、忘れていくようにします。
手を動かすことによって、こころが落ち着きます。
疲れも消えていくのです。』と言われています。
母は、色々なことが分からなくなりましたが
手を動かすことは忘れてないようです。
そうやって生きて来た人だから…
母の心が落ち着いて穏やかでいられたら
それでいい!
分からなくなったことを拾うのは
もうやめよう…