今日は、寮美千子さんの講演会に行って来ました。
作家であり詩人である寮さんが、奈良少年刑務所の
社会性涵養(かんよう)プログラムの講師として
重い罪を犯した少年たちに「物語の教室」を通し
彼らの心を解放し、その教室から素晴らしい詩が
生れていったのです。
受刑者の少年が書いた詩を、そのまま題にした
著書「空が青いから白をえらんだのです」を
読んで、いつか寮さんのお話しを聴きたいと
思っていました。
寮さんが出合った少年たちは、殺人・放火・レイプ
薬物…などで刑務所に入った少年たちで、
その少年刑務所の中でも、どうにもならない
子ども達が寮さんの教室に集められたのです。
戸惑いの中で始まった教室が、最初の回が
終わる時に、早くも少年たちに変化が見えた
そうです。
この教室を始める時に、刑務所の先生から
少年たちが、ここから出た後で2つのことが
言える人になって欲しい「嫌だと言える子」
「助けてと言える子」と、寮さんは言われた
そうです。
人は心を閉ざすと、感情がなくなるそうです。
自分の感情が分からないので、他人の感情も
分からないと、なってしまうようです。
彼らは、虐待・貧困・差別…など大変な中で
育ってきた少年たちです。
まど・みちおさんの”ぞうさん”の歌も知らない子
学校へ行ってなかったので”宿題”と言う言葉も
知らなかった子…
寮さんは、彼らは加害者になる前に被害者だったと
言われていました。
彼らの心が安心出来た時、そこからでてくるのは
優しさだったと…
寮さんの著書「あふれでたのは、やさしさだった」
に、少年たちの作った詩がそのことを伝えてくれて
います。
聴いていて何度も涙を拭いました。
人は豊かな心を持ってこの世に誕生するのだと
思わずにはいられませんでした。
そして、、初女さんが言われていた
「愛とは受け容れること」だと…
受け容れられたと思った時から、人は立ち上がる
力が生まれるんだということを、少年たちの
詩や言葉を通して、あらためて知らされました。
少し長いですが、是非 寮さんの動画を見て下さい。
寮美千子講演 詩が開いた心の扉『空が青いから白をえらんだのです 奈良少年刑務所詩集』 2