若松英輔氏と奥田知志氏の
対談の中で、若松さんが
人生で一番大変だった時
その一年間の記憶がないと
言ってました。
若松さんは早くに奥さんを
亡くされているので、
そのことだと思いました。
私は思わず、若松さんでも
そうなんだ~と呟いて
いました。
私も長男が亡くなった時
下の子は小学校3年でしたが
一年間の記憶が全く
ないのです。
その時の子育ての記憶が
すっぽりと抜け落ちて
いるのです。
隣りで寝ていた次男が
毎晩、布団の中で泣いていた
ことも5年後に知ったのです。
兎に角、一日を生きるのが
精一杯で…
夫は、目を離すと私が死ぬの
ではないかと思い、
3人が一緒に束になって行動
してました
若松さんは、本当に助けて
欲しい時、助けてと言えない
本当に悲しい時、涙がでない
と、言っていました。
私は、そのどちらも経験
しました。
記憶がないということは、
あまりの辛さに自分で記憶を
消してしまったのでしょうか
私はこの時、人の心は
あまりに深くわからない
ということを知りました。
同じ体験をした夫の苦しみも
次男の悲しみも分からな
かったのです。
人は他者を分からないから
思いやるのかもしれません。
人を癒していると思ったことは
ありません。
人の心はたいへん深い
ものだから
人に人は癒せないと思うのです。
癒しとは、自らの気づきに
よって心を解放したとき
はじめて得られるもので
ないでしょうか。
佐藤 初女