世界はキラキラおもちゃ箱・2

わたしはてんこ。少々自閉傾向のある詩人です。わたしの仕事は、神様が世界中に隠した、キラキラおもちゃを探すこと。

フラッシュバック-女子と小人は

2013-07-09 04:11:30 | 天使の小窓
女子と小人は

これも彼女の遺言のようなものである。とうとう言ったか、という言葉である。

われわれは、人間として地上に生まれてくると、誰でも異性にはもてるものだが、かのじょのもて方はいつも異常だった。おわかりと思うが。
なぜと思うかね?

それはかのじょが、植物系の天使だったからである。花や木は嘘はつかない。真実のみを言う。かのじょは無邪気に、親切心のみで、真心から真実を言う。
しかしこれが時に困ったことになる。

だいたいが彼女は、「彼はわたしのために、一命を賭して闘ってくれるのです」と、こういうことを、それを聞いたものがどう思うかということを考えもせずに、そのまま言ってしまうのである。この絶妙のぼけ方とずれ方が、人類にはたまらないのだ。

これは植物系の天使によくある性質である。われわれのようなものには考えられない。

あなたがたはいつの世も、この天使にはまりまくったのだ。かわいいなどというものではないからである。しかしかのじょはこれで、いつもえらい目にあっていた。

どうだ。恐ろしいだろう、真実の天使は。
もう二度と会えないのだぞ、この天使には。



コメント (1)
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