世界はキラキラおもちゃ箱・2

わたしはてんこ。少々自閉傾向のある詩人です。わたしの仕事は、神様が世界中に隠した、キラキラおもちゃを探すこと。

フラッシュバック-天からの通信

2013-07-12 04:30:59 | 天使の小窓

かのじょの天使としての仕事の、最初にして最大のものである。

このたった1冊の日記を書き、それを捨てることによって、かのじょは、ひとりですべての人類を救ったことになった。

天使には、これくらいのことはできる。が、本当にやってしまったら、おしまいである。

かのじょは、自分自身でも、これをやりとげたことに、驚いていた。
自分には十分に力があることは、わかっていたが、まさか、ここまでやらされるとは、思っていなかったのである。

「真我」「混沌」という二語は、霊感によったが、それ以後の表現は、かのじょ自身と、かのじょを助ける霊的存在の力によって書き上げられた。人類を、一人も漏らすことなく、すべて救うと言う日記になったのは、表現者がかのじょだったからである。もし、わたしが、かのじょの役割を負ったなら、もっと違う日記になった。

かのじょは愛の天使であり、人類をこよなく愛していたから、一人も、救いからもらすことができなかったのだ。だから、最後まであきらめずに、がんばったのである。
この日記を書いている最中には、命も危ぶまれるほどの、ひどい霊的攻撃を受けたことがあった。命もかけて書きあげたこの日記を、彼女は一秒も迷うことなく捨てた。それによって、日記は世界中に広がった。

かのじょには後悔はなかった。すぐに日記のことは忘れた。新しい活動を始めねばならなかったからだ。

もはや、かのじょのほかに、天使はいなかった。やらねばならないことが多すぎた。まぎれもなく、かのじょはこれから、天使としての使命に翻弄されてゆく。あまりにも過酷な運命が待っていた。

そしてかのじょは今、自分存在を、わたしに奪われ、ほとんど休眠している。自分存在の美しさすばらしさを、あなたがたに教えたかのじょが、あなたがたのために、自分存在を、わたしにゆずらねばならなくなったのは、あまりにも、皮肉なことだ。



コメント (1)
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