かのじょが十年以上続けていたかわいらしい同人誌である。
かのじょは、誠意をもって、同人たちに尽くし、本を出し続けた。
植物系の愛の天使であるかのじょは、金の計算というものができない。それで、この同人誌は、ほとんど彼女の負担によって出されていた。
これらの冊子には、彼女の愛がこもっている。かのじょは、来る人はこばまず、自分の愛を捧げた。その愛によって、心を助けられた人は多いのである。
自分が天使なのだと、自覚をするようになったのは、この活動の中で、かのじょが決定的に自分が人類ではないと言うことがわかったからだ。誰も、自分のように愛しはしない。なぜこんなに自分は愛するのか。人にまことを尽くそうとするのか。それは自分が天使だからと、かのじょはこの活動の中で次第にわかっていった。
これは必要以上に、侮辱され、馬鹿にされつくした、彼女の愛である。人間は、この小さな同人活動に浴びせた嘲笑に、いずれ復讐される。あなたがたが記憶の向こうに忘れ去っても、法則はあなたがたを忘れない。
それはいずれやってくる。その前に、できる努力はしておいた方がよい。