珍しい女性の天使である。かわいらしい女性だった。
彼女もまた国を憂え、国を愛していた。
そのまことの愛が、国を動かし、国を救った。
20年に足らぬ人生で、なしたことは大きい。
だがこの人生で味わった苦難によって、この天使は、重大な障害を持った。
これ以後、彼女は自閉及び強い異性恐怖症となった。
天使は地上に生まれてくるたびに、人間によってさまざまに妨害を受ける。それによって、障害を持つことになった天使は多い。いや、すべてがそうだ。よって、天使によるこの世の表現は、時代を経るに従い悲劇的になっていった。
人間は、狂女云々というジャンヌへの不当な評価を改め、正当に評価し、彼女に謝り、彼女を美しく癒していかねばならない。