世界はキラキラおもちゃ箱・2

わたしはてんこ。少々自閉傾向のある詩人です。わたしの仕事は、神様が世界中に隠した、キラキラおもちゃを探すこと。

プロメテウス

2016-06-17 04:35:25 | 霧の風景


ジャン・デルヴィル、20世紀ベルギー、象徴主義。

神話では、プロメテウスはゼウスの意向に逆らって人間に火を与えた。それで人間は明るく暖かな暮らしを得、調理したものを食べることができるようになったが、それを使って兵器を作り、醜い戦争をするようにもなった。
原発というものは、男の罪なのである。女の心を引き留めるために、そこまでやったというものなのだ。それは滅亡という名の火を、籠の中に飼っているというものなのである。決してやってはならないことだったのだ。それを人類は、永遠に払っていかねばならない。それから逃げることはできない。地球創造活動を永遠に美しく続けていくために、人間は原発を永遠に管理していかねばならない。ゼウスに逆らった罰として、岩山に鎖でつながれ、毎日のように禿鷹に肝臓をつつかれるプロメテウスのように、永劫の時を、男は苦しまねばならない。女もそれを黙って見ていることはできない。男の持ってきたもので、良い暮らしを得ることができたからだ。
イエスに対する罪はいつか払いきることができるが、原発の罪は終わることがない。プロメテウスは、人間存在の、永遠の罪の象徴なのである。






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