フランシスコ・デ・スルバラン、17世紀スペイン、バロック。
女子の誕生を描く絵というのは少ない。人間はたいてい、男子の誕生は喜ぶが、女子の誕生はあまり喜ばないからだ。男は自分の家を継ぐが、女は他家に出てゆく。結局は他人のためのものだと思うと、人間はあまり喜ばないのである。だが女子の誕生こそが、人間の社会を形作っていくのだ。女が他家に嫁ぎ子を産むことによって、愛は広がっていく。この世に生きている人間はすべて、このような女性を通ってきたのである。女子の誕生を喜びなさい。女は人を愛していくものだ。女の子を生むことは、女性を通してあらゆる人に尽くしていくことができるという、愛の喜びなのだ。