世界はキラキラおもちゃ箱・2

わたしはてんこ。少々自閉傾向のある詩人です。わたしの仕事は、神様が世界中に隠した、キラキラおもちゃを探すこと。

左手を閉じ目をそらすモナリザ

2013-05-21 05:17:11 | 画集・エデンの小鳥

今日は、またモナリザを描いてみたくなって描いてみました。
なんとなく意味深なタイトルですが、最初からこういう意図があったわけではありません。

スケッチブックに下絵を描いているときに、左手を描きいれるスペースが足らず、左手を拳に握らせただけなのです。
そのあとで、「光の左手」という詩ができて、それで、なんとなく符合しているのが面白くて、
こういうタイトルをつけてみました。

こういうことはよくあります。
そのときは意味がわからなくとも、あとで何かが起こって、ふしぎな符合が起こる。
物語を書いているときなども、よくそういうことがありました。
「月の世の物語」も、初めから構想があったわけではなく、ただ物語を、自分の心の心地よい方向に進めていくと、
たどり着くべきところにたどり着くのです。
不思議にね。

時には、まるで自分では意図しなかった方向に、流れていくことがあります。
そのときには、そういうのはありか?と感じます。物語が、わたしに反乱しているかのような感触。
自分の領域を超えて、ほかの何かに操られているかのような。
どうにもこうにも、自分の力を超えてやらなければ、できないことをやらなくてはならないとき。
何か自分とは別のものに動かされているかのように感じる。

しかし、こういうのも、自分としては、ありなのかもしれない。今のわたしは未知の領域に踏み込んでいる。
別館の詩集は今、物語的に進んでいますが、わたしの意図を超えて発展していきます。
自分が書いているのですが、自分の心の心地よい方向を探りつつ書いているのですが、
結果的に自分なら絶対にそっちにはいかないと言う方向に、導かれていくのです。
面白いと思いつつ書いています。




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花の青年

2013-05-20 05:20:47 | 画集・エデンの小鳥

この人も、よく描きますが、今回描いてみると、何だかとてもつらそうな顔になりました。
何かあったのでしょうね。
何と言いますか、この人は、半分わたしの分身のようなもので、
裏表がないというか、そのまんまというか、正直にもほどがあるというか、
それでよく失敗するので、たぶんその辺で悩んでいるのでしょう。

物語は、上部編が一番の人気ですが、それをのぞくと、
この人がいちばんの人気なんです。
一回でてきただけなのにね。
なんか忘れられない印象があると言います。
とくに、女性に。

この人に関しては、物語以外で、いろいろとエピソードができています。
想像力を刺激すると言うか、
正直ゆえの失敗のエピソードが、たくさんできてたりします。
お話にして書くほどもないことなんですけども。

まあ、彼は、しょっちゅう浄化願いを出すので、役所を困らせていることで有名なのです。




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古道の魔法使い

2013-05-19 06:42:56 | 画集・エデンの小鳥

ひさしぶりに、色鉛筆で描いてみました。
この人は、黒い肌に銀の髪、金の目をしているという設定なので、
モノトーンの切り絵だと表現しにくいのです。

ほかに黒髪の美女ヴァージョンと、ジュディス・ヴァージョンがあるんですが、
その正体というか、本性がこれです。

ずいぶんと古い時代に生まれた種族らしいです。
人間を超えていますが、少々癖が強い。
男の人ばかりいじめるのは、それなりの理由があるらしいですが、
ほんとうのことは、教えてくれません。

鱒がともだち。その鱒も、正体は精霊らしい。
月の世にはいろんなおもしろい種族がいます。
まだ、わかっていないことも多い。

なお、古道という魔法がある限りは、新道というべき魔法もあるわけで。
それは要するに、世界が変わってきて、魔法の力が害とならないように、
ある種の道理の枠をはめ込んだ道と、その前の道があるというわけです。
新しい魔法では、あれほど深く、人を地獄に落とせない。

まあ、そういう感じです。
物語って、おもしろいですね。

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いかにせむ

2013-05-18 04:47:29 | 歌集・アンタレス


日を浴びて 胸の明るき さいはひを たれにかたらむ きみのほかには




あまつ日の ごときまなこの かなしみを しらずとおもふ きみあはれなり




さびしさは 夏の日差しの 照りかへし 澄み渡る空 ひかりみつる野




ともにゐて おなじ日差しを あふぎみて きみおもふとき われは目を閉づ




しずけさを いかにせむとは 思ひつつ 眠るわが身は 赤子のごとし




揺れ動く 人の世の波 とほくみて 岩戸の檻に 沈みゆく君



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ほんとうの愛を

2013-05-17 06:33:45 | 詩集・貝の琴

ほんとうの愛を だましている
ほんとうの幸せを だましている
その悲しみが 君を育てるだろう

どんなに 愛しても
どんなに 愛されても
君が ほんとうの君でなければ
すべてはないに等しい

ほんとうの愛が 消えてゆく
ほんとうの幸せが 消えてゆく
最後まで 世界をだまして生きることが
愛する人たちをだまして生きることが
君にとって幸せなのか
すべてを 真実の光の中に照らされて
みんなを不幸にして
何もかもを失う方が
幸せなのか

君はどちらがいい

ほんとうの愛を ほんとうの幸せを
だましている その悲しみが
君を育てるだろう




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ゼロ ワン

2013-05-16 06:42:32 | 詩集・貝の琴

ある日 数学の先生が言った
「0」 と「1」を 考える
「0」 は 何もない ということだとわかる でも
「1」 は 何なのか わからない

せんせい 「1」は ひとつある
 ということではないのですか?

うむ そのとおり
ではその 「ある」ということは何なのか
わかりますか?

「1」 がなければ なにもない
この「ある」がなければ なにもない
けれどもこの 「ある」ということが
何なのか まだだれにも
わからないのだ

なぜ「1」は あるのだろうね
なぜ わたしたちは あるのだろうね
ここに いるのだろうね

ゼロ と ワン の間に
一体何が 起こったのだろう
ワン はどうして 生まれたのだろう

君も ワン  わたしも ワン
たしかに いるね
はなしができるし
みつめあうこともできる
おもしろいね
なんだか ものすごく
すてきな 幸せだ

君も ワン  わたしも ワン






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だれかがつくってくれた

2013-05-15 05:24:59 | 詩集・貝の琴

朝おきて わたしは
だれかがつくってくれた ねまきを脱ぎ
だれかがつくってくれた 服に着替えます
だれかがつくってくれた パンを食べ
だれかがつくってくれた 靴を履き
だれかがつくってくれた 家を出て
だれかがつくってくれた 町に出ます

だれかがつくってくれた バスに乗り
だれかがつくってくれた 小さな店にゆきます
だれかがつくってくれた エプロンをつけ
だれかがつくってくれた キッチンに立ち
だれかがつくってくれた 白いコーヒーカップに
だれかがつくってくれた コーヒー豆で
いっぱいのコーヒーをつくります

わたしの仕事は お客様のために
いっぱいのおいしいコーヒーをつくること

仕事が終わると お店を出て
バス停までの道を 少し遠回りします
だれかがつくってくれた 川沿いの土手の上で
だれかがつくってくれた 美しい夕日をみます
そして
だれかがつくってくれた わたしの心を
だれかのおかげで 今日を無事に過ごせた
明るい幸せに 浸すのです




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Angel of Truth 2

2013-05-14 02:24:56 | 天使の小窓

友よ わたしたちは 
天使存在
翼の ひとふりだけで
世界に 風を起こします

無理に 国境を越え
わたしのいる岸辺に
来なくてかまいません
あなたがたの 愛は知っています

あなたがたは 
あなたがたのいる 岸辺の利を使い
それぞれに ご自分を表現なさってください
わたしたちは 同じ
天使存在
翼の ひとふりだけで
世界に 風を起こします

ご覧になっているはず
わたしのやったことは
ただ 詩文にて
自分を正直に表現することだけです
だが それゆえに起こったことを
あなたがたは すべて
見ているはず

もうすでに あなたがたの周りで
大気が 上昇し始めている
焦ることはない
すべては もう始まっている

神が 空から
わたしたちを
ご覧になっています
正直に 自分を
表現なさってください

あいしています




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パンケーキ

2013-05-13 06:55:18 | 詩集・試練の天使

卑猥な冗談と 
悪意のたっぷりしみこんだ揶揄を
糞尿に混ぜて 
あなたがたはそれを天使にぬりつけましたね

おお くさいくさいと言って
みんなでからかい 馬鹿な奴だと指を差して
みんなで笑いましたね

たくさんの天使が死んだ
生き残ったものは
自らを貝にして魂を閉じ込め
なんとか命と小さな琴を保った
使える武器は琴ひとつ
何億の軍に対して使える兵は
ただ自分ひとりのみ
それですべて

あなたがたは 軍をなして
ひとりの天使を殺そうとし
そこですべてがひっくり返った
たったひとりの女を殺すために
何万の恐ろしい武器を持った男たちが立ち上がり
怒涛のごとく押し寄せて
そのあまりの重さに
世界がひっくり返った

愚かなことをしましたねえ

天使はもう すべてを奪われたので
ほんとうの愛と 本当の言葉しか
使えるものはなかった
ただ すべては真実だった
それゆえにあなたがたは 
自分が作った大きな罠の中に
津波のごとく落ちてゆく
ふ かみしめよ 運命を

す べ て は
あなたがたがやった
そのとおりの まことの真実が
永遠に伝えられることだろう

真実は すべてをひっくり返す
まぎれもない 真実の真実が
たった一本の 赤子の人差し指で
世界を裏返す
パンケーキのように

かみしめよ 真実を



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光の左手

2013-05-12 06:49:49 | 詩集・試練の天使

(あなたは わたしに言った
 左手を 動かすなと)

(つめたく きびしい目で 
 あなたはわたしを見る
 苦しく 痛く 
 あなたの瞳は割れて
 わたしに静寂のナイフを刺す)

左手を 動かしては
いけません
あなたは じっとしていなさい
すべては われわれがやる

(あなたは言った
 わたしに 左手を動かすなと
 それ以上 愛するなと)

(わたしは昔 白い月の衣を着ていた
 だが今は その衣もくたびれ 破れ果てた
 赤むけたわたしの素肌も
 あらわになるほど)

左手を 握りしめ
そのまま 動かしてはいけません
二度と その左手を
ひらいてはなりません

(耳を噛む 風の歌に合わせ
 わたしの左手がもがく
 だがあなたは わたしの左手をしばり
 決して動かさない)

もう二度と その愛を
甘いことばに溶かして
人間に与えてはならない
いや 人間であったものたちに
あなたは

(わたしは なにもしらない)

そう 何も知らない
もう二度と その愛を
小鳥の声に託して
人の耳にさわってはならない
あなたは

(わたしは だが)

だが

だ が

(だ    が……)


 
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