世界はキラキラおもちゃ箱・2

わたしはてんこ。少々自閉傾向のある詩人です。わたしの仕事は、神様が世界中に隠した、キラキラおもちゃを探すこと。

あほうめ

2013-05-11 03:49:59 | 詩集・試練の天使

夢を 悲しきものの渡る
鳥のごとし

夢を 苦しきものの渡る
蝶のごとし

風にひらめく 紙のごと
夢を 淋しきものの渡る

裏に表に 表に裏に
翻り 嘘とまことの間を
裏と表の間を 裂かむとして
阿呆が 空を乱れ飛ぶ

天使の翼を盗み
阿呆が飛ぶ
阿呆が

あほう め



コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

運命の天使

2013-05-10 06:46:45 | 詩集・試練の天使

彼女に会えば あなたは死なねばならぬ
甘き運命の天使  彼女は
あなたの忘れ去った秘密の引き出しの
約束の鍵だ

彼女に会えば あなたは
命をかけねばならぬ
彼女は めしいた機械人形のように
心壊れたまま あなたに繰り返す

愛している 人よ
正しいことをしなさい
真実以外のものに 心も舌も染めてはならない
まっすぐに 正しき天の下をゆきなさい
たとえ 嘲笑のつぶての嵐が
待っていようとも
氷の微笑みが
あなたの心臓を凍らそうとも
すべてを耐えてゆきなさい

人よ 彼女に会えば
あなたは死なねばならぬ
命を惜しむことなどできぬ
生涯をかけて 愛を誓わねばならぬ
馬鹿な男は 近寄るでない
まことの男も よってくるではない
おんなを 甘く見てはならぬ

ただ 天使のみ 彼女を見ることができる
彼女に会えば 死なねばならぬ
ああ 天使ならば 死ぬことができる
彼女のために

人よ 命を大切にせよ
彼女に近寄ろうとするならば
目を閉じ 決して彼女を見るな
耳を閉じ 決して彼女の声をきくな
彼女を見れば おまえは
すべてをかけて 戦わねばならぬ
命を 吸い取られる

彼女を見て 逃げるものは
暗き奈落の運命が 行く手に開く
彼女に会えば 男は二度と
逃げることはできぬ

真実の女は あなたの運命を
もっとも苦しき道に導く

近寄るでない



コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

刺青の少年・3

2013-05-09 06:29:48 | 画集・エデンの小鳥

タリ セ
メト カリカリ アテ
メト タタニニ アテ
ウ チリ トワ セ
ナ スム

賢き者
遠き道をゆけ
難き道をゆけ
最後には 正しきものが
勝つ

(大陸民族古謡)




  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ミモザ・16歳

2013-05-08 06:28:30 | 画集・エデンの小鳥

赤き珊瑚を 掘り出して
血の色のうるわしき
心臓を作り
胸に飾る
きよきまなざしの乙女
ひとり

心砕く 嘲笑を浴び
象牙のごときその身から
魚のように逃げようとする
自らの魂を
引き止め
生きようとする
生きようとする

涙は
透きとおった真珠となり
永遠にあなたの頬を飾る

少女よ 乙女よ
あなたを愛している




  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

詩人のまなざし

2013-05-07 07:05:54 | 画集・エデンの小鳥


青竹の香りする 清きまなざしの
をのこひとり ゐて
まぶしき 翡翠玉のごとき
新たなる太陽を生む

新しき 地球の世を
確かに照らす
新たなるあまつ日の
みどりごを
生む



    ***



什さんです。
何度も描いていますが、描くたびにきれいになってくるので。
また機会があれば描くかもしれません。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

陽だまり

2013-05-06 06:58:47 | 薔薇のオルゴール

眠っている あいだに
夢の中を そっと出ていって
ぼくは 風になった
ふりそそぐ 日の光
お日さまが わらって
見えないぼくに 光の服を着せてくれる

ぼくは 町はずれの
林の中へ とんでいって
そこで 金の木漏れ日のもようが
魚の群れのように踊る
下草の上に ねころんだ
すると 木の枝を走る りすが
ぼくを陽だまりと勘違いして
ぼくの中に走ってきて
ぼくの胸の中にじっと立って
木漏れ日をあびながら
ふしぎな目で 遠いところを見た

あたたかい しあわせが
満ちてくる
ああ ぼくは
だれかを愛するために
ここにいるのだな

小さなりすのための
小さな陽だまりの心を
ぼくはぼくの中で 光る玉にして
記憶の宝箱に そっと入れるのだ

ぼくの宝箱は 木でできていて
薄紅の オールド・ローズの絵が
蓋に描いてある
時に 蓋を開けもしないのに
オルゴールの音で 不思議な歌を歌う
そうすると ぼくは
遠い ふるさとの
ほんとうの お父さんとお母さんを
思い出すのだ

お父さんとお母さんは
銀河の海の
小さな岬の村の
水色の壁の小さな家に住んでいる
庭には 薄紅の
オールド・ローズの花が咲いている

オルゴールは 玉をぶつけて鳴らすような
かすかな音で
遠い銀河の岬の
静かな波の歌を歌うのだ

目を閉じて 胸の中に
りすを抱いて ぼくは
神さまのかわりに
小さなりすのための 陽だまりになる
思い出の波は今 ひたひたと
ぼくの耳を濡らしている

(オリヴィエ・ダンジェリク、遺稿より)




  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

真鍮の風

2013-05-05 07:06:08 | 詩集・貝の琴


ほしきものの かずかずを
心去りて 気狂ひし オフェリアのごとく
満身に花と飾り 歌歌ひて
絹のスカートを風に揺らし
胸元のレースをもてあそび
蝋燭の火のごとき
赤き珠玉の宿る光を 唇に塗り
笑ひ笑ひて 風にきしる
鳥の声のごとく叫びぬ

重き罪を
石のごとき鉢にかぶり
見えぬ顔で笑ひ
笑ひ 魂の去りゆきし 
蛇の宿る眼に
憎き者探す 邪悪なるもの生きる
そ ら を 夢に染めよ
見はて 見はてぬ夢に 染めよ
虹のごとき色にて大気を汚し
真鍮の空気で さいはひの
高殿を建てよ
砂 砂 砂 ばかりの 荒れ野に
幻の 貧者の金の 塔が
そびえたつ

喜べ よろこべ あまたのものよ
われわれは 阿呆 ではない

馬鹿だ



コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

彩雲

2013-05-04 17:32:48 | 空よ


今日の午前11時ごろ、近くのスーパーにお買い物にいく途中に、きれいな彩雲を見ました。
この現象、彩雲であってるかどうかわからないのですが、虹色に染まった雲が真一文字に伸びています。

太陽はこの不思議な虹の色に染まった雲の、上にありました。

何かのしるしでしょうか。いいことあるといいな。

今日二回目、予定外の更新です。皆様にも幸運のおすそ分けを。




  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

月珠を持つ月の世の少年

2013-05-04 07:18:27 | 画集・エデンの小鳥

今日はこちらで絵を紹介します。
最近は別館の方の記事が混んでいて、絵を紹介することがなかなかできないので。

カテゴリもひとつ増やしました。以前は女性ばかり描いていたので「ウェヌスたちよ」と名付けたのですが、「月の世の物語」を書き始めたころから、男性を描くことが多くなったので。

「エデンの小鳥」には、あまり意味はありません。ただ最近の傾向として、かわいい名前を付けたくなってしまうもので。

絵のサイズが大きいのは、だれかさんの影響です。たぶん。

この少年は、一応物語本章「海」及び「戦」に出てくる少年です。
なんて、ほんとは、青年を描くつもりだったのが、何だか幼い感じになってしまったので、少年に変えて、設定はあとでこしらえたんですけど。

物語に出てくる人物は、これからもまたちょくちょく描いてみるつもりです。

楽しんでいただければ幸いです。

あ、PCの環境によって、大きなサイズの絵が見にくいと言う方には、申し訳ありません。
ゆっくりと待って下さい。我慢できなかったら、光に変えてくださいね。

こういう言い方にも、だれかさんの影響がある。こっちに来るとなんとなくそうなる感じがします。
昨日も途中から無理矢理出て来たし。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

男のひがみ

2013-05-03 07:05:19 | アートの小箱

冒頭の絵は、アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレックの「ムーラン通りの医療検査」です。印象派の画家の中でも個性的な光を放つ画家ですが、この絵を見ると、わたしは少し気分が悪くなります。

これは当時の娼婦たちの義務だった医療検査の風景を描いているそうです。こういう場面を、なんでロートレックは描いたのでしょう。好意的に解釈もできるけれど、わたしはなんとなく、画家の心に人に見せられない影を感じてしまいます。

こういうロートレックの絵を、身体障害者として差別を受けていたロートレックが、踊り子や娼婦などに共感を覚えて愛情をこめて描いたのだなどと解釈する傾向がありますが、わたしは少々懐疑的にそっぽを向きたくなる。ロートレックは、美しい女性でも、まるで老女のように、顔の歪んだピエロのように描く。そこには、なんとなく、女性に対する男のひがみを感じます。

容貌の冴えない男性は、よく女性に対し、特に有能な女性や美しい女性に対し、ひねくれた感情を持ちます。ロートレックは、少年期に両足を骨折したことで足の成長が止まり、大人になっても身長が152センチくらいしかありませんでした。ウィキなどで当時の彼の写真の顔などを見ると、そういう身体的障害からくる、悲しいことを、高い精神性で乗り越えようとするような勉強をしている人とは感じられない。彼のこの障害は、彼の心に、少しひがみ、ゆがみを生んだ。男の人は、どんな人でも、女性に対し、ある種のひがみを持つものですが、彼の障害は内部に強い悲哀を生んだ。

ふ。みなさん、ここで筆者が変わりました。どうです。真実の天使の真実は、痛いでしょう。彼女は、ほんとうに、鋭く真実を言う。まことに、そのとおり。小さくも偉大な芸術家と、友人に言ってもらっていたトゥールーズ=ロートレックの心には、女性に対する、憎しみにも嫉妬にも似た、重いひがみが、ありました。これはまあ、女性に対しコンプレックスを抱く男の宿命のようなものです。

おや、みなさん、どうしました? わたしがでてきたことに驚きましたか。いや残念でした。彼女の方がやっぱりよかったでしょうねえ。とにかく、話を続けましょう。

男なら、同性として、とても、彼の心の影を暴けないでしょう。だが女性である彼女は、敏感に気付き、それを真実の言葉でいう。たまりませんねえ。なぜこんなことを言うかというと、彼女自身が、ひがんだ男によっていろいろと苦しめられてきたからです。

だから、ロートレックの絵を見て、すぐに気付いた。これは男のひがみだと。

男性は、この「男のひがみ」が原因で、いろいろと馬鹿なことをやってきました。女性や、ほかのいろいろなものに対してね。それでたくさんの人々が、たいそう苦しんできた。もうそろそろみなさん、大人になりましょうね。この「男のひがみ」、まるわかりです。顔をみれば、ひがんだやつだということが、すぐわかります。ほんとですよ。女性はそういう男性を見つけると、逃げます。

いっときますが、ヒトラーもスターリンも完璧なひがみ男でした。背が小さくてさえない男。とても女性にもてるとは思えない男ほど、なんとかして強い力をもちたいと思うものだ。それで悲しいことがたくさん起こった。原因は男のひがみ。実に、明瞭な真実です。

冒頭の絵は、わたし試練の天使の感想として言いますが、ばかですかと言います。ふ。女性に対し、これほどの侮辱をやるとは。そしてこの絵を、名作に数えるとは。破いて捨てなさい。焼いてつぶしなさい。これほど、女性を侮辱し、男性をも貶める絵はありません。ふ、きついですねえ、わたしは。彼女もきついが、わたしはもっとひどいです。

ちなみに、19世紀の西欧世界は、こういう男のひがみが、だんだんと強く表に出て来た時代でした。なぜか。西洋史における大航海時代の男性の罪が、この時代に、表に出てきたからです。男性が、だんだんと小さく、醜くなってきたのです。それで、女性の美しさに対する嫉妬の感情が膨らんできた。それが、19世紀という時代でした。

ではここらへんで。彼女はもう、あきれて、出てこないようです。


コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする