リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

最新の脳科学機器

2016年04月01日 00時19分20秒 | ウソ系
先日MHKテレビのサイエンスBEROで興味ある研究が紹介されていました。

それはドイツ・ハンブルクのムラドルフ大学医療センターのテーレマン先生による研究ですが、8~10ボルトの弱い電流を頭蓋骨を経由して脳に通すことにより、脳活動を向上させるというものです。専門的にはtDCS(経頭蓋直流電気刺激)というそうです。これがtDSCのための機器です。意外と簡素なものなんですね。電極を上頭分の任意の2か所に貼り付けます。


(著作権の関係で画像を加工しています)

テレビの放送では様々な理由で脳の活動に障害のあるかたのリハビリだけでなく、健常者の脳活動を向上させた例も紹介されていました。何と楽器の演奏家の技術的向上の例も紹介されていました。

普段から生徒さん達にリュートの上達は要するに脳活動の向上であると主張している私としては、自分の主張を裏付ける有効な機器であると確信致しました。早速ムラドルフ大学のテーレマン先生に連絡を取ってみました。

先生によると最新開発の機器は稼働させるための電流をコードレスで送ることができ、なおかつ超軽量薄型になるそうです。それを帽子とかカツラに埋め込むことも可能のようです。となるとtDCSの機器を使っているということはもやは外からわからず、いままでよりずっと卓抜した動きの右手や左手を得ることになります。この機器を使えば、ややこしい左手の動きや、どの弦を弾いているかよくわからない右手親指の動きも確実にコントロールできそうです。つまり誰でもヴァイスになれるわけです。

テーレマン先生にリュート演奏における活用を提言申し上げましたら、大変喜んで頂きました。彼が住んでいるハンブルクはバロック時代にはあまりリュート奏者はいなかったと現在では考えられているが、実は彼の祖先にあたるゲオルク・フィリップ・テーレマンはカンタータなどにリュート系の楽器を頻繁に使っていたとおっしゃる。なんとテーレマン先生はあのバロック時代のご長寿作曲家テレマン(日本ではテはのばさないで発音します)から数えて12代目にあたるそうなんです。

ハンブルクのリュート奏者はダヴィッド・ケルナーがよく知られていますが、テレマンもリュート二重奏を書いており(編曲かもしれませんが)また彼の書いたおびただしい数のカンタータにはマンドーラと総称されるリュート系の楽器を通奏低音に使っていることが知られています。さすが12代目、よくリュートのことをご存じです。

テーレマン先生はハンブルクとリュートは昔から縁が深い、ぜひ日本でもデータを取ってほしいということで5台程(というか、最新型は超軽量極薄なので、10枚って感じです)送るとおっしゃって頂きました。到着が楽しみです。もし今度のリサイタルに間に合えば私もぜひ使ってみたいと考えています。なんせオールバッハプログラムでてこずっていますので。(笑)こうなったらそのうちオールテレマンプログラムも考えないといけませんですね。

新刊のご案内

2015年04月01日 00時46分31秒 | ウソ系
新刊案内

近々上梓する予定の本です。世界経済が不安定な今、ありそうでなかった資産増大方法をお教えします。特にリュートに関心がある皆様におすすめです。


カネはリュートにぶちこめ!2015年版
円があぶない、資産はリュートに価値移転せよ!

(1)値崩れなし(2)維持費なし(3)とても軽量

リュートマジックが人生に奇跡を起こす
 
○どんなリュートをどこで買えばいいのか
○そしてどこで売ればいいのか
○小学生から参加できる「あっぱれな投資」
○収集家は中国人をはじめ世界に300万人

資本主義は行き着くところまで行き、
世界各国が紙切れ札の増刷暴走競争時代
年金も株も不動産も銀行預金もあてにできない今だからこそ
金持ちだけが知っている確実に稼げる方法を教えます。

本書の序文より
 古楽復興運動黎明期の頃、リュートは17万円から買うことができました。以来40年近く経過し、その間一度も値崩れすることなくいまや100万円を超えるのも珍しくありません。同じ楽器であってもたとえばヴァイオリンなどはその間多少の浮き沈みがありましたし、楽器以外の金融商品は何度も暴騰暴落を繰り返してきたのはご承知の通りです。長期の投資をお考えならば、リュート投資は絶対安定儲け確実の超おすすめです。・・・

四六版本体1127円+税
東京都千代田区南田神田珍保町1687
那珂川商事出版

予約受付中!

「お天気バッハ」プロジェクト

2014年04月01日 00時00分00秒 | ウソ系
お天気バッハというサイトを立ち上げる予定です。つきましては末尾にあげましたスタッフを募集致します。

「お天気バッハ」というのは、午前3時の気象庁発表の天気図に基づき、高気圧や低気圧の値と同じBWV番号の作品を契約者の皆様に配信するというものです。例えば、3月30日午前3時の天気図は次のようになっています。



高気圧が1016,1020
低気圧が988,998,1004
各ヘクトパスカルになっています。

この数字のBWV番号の作品は、

ゴルトベルク変奏曲(BWV988)
プレリュード、フーガ、アレグロ(BWV998)
無伴奏ヴァイオリンパルティータ第2番(BWV1004)
ヴァイオリン・ソナタ第3番(BWV1016)
ヴァイオリン・ソナタ ト短調(BWV1020)

となります。いい曲ばかりですね。リュート曲もありますし、有名なシャコンヌも入ってますね。ただ1020番は偽作とされているようですが。

つまり配信する楽曲はお天気次第ということになります。ただ残念ながら気圧の値に基づいていますので、カンタータや受難曲は多分含まれることはないでしょう。温暖化か何かで将来中心気圧が245ヘクトパスカルの超巨大台風が来たら、ヨハネ受難曲も配信可能になります。ただしそのときは日本中が大受難になるでしょうから、配信どころではないかも知れません。

現在のところ最強の台風は第二室戸台風で、最低気圧が888ヘクトパスカルでした。一方最高高気圧は1968年にシベリアで観測された1084ヘクトバスカルだそうなので、用意する楽曲は、BWV888(平均律第2巻第19番)からBWV1080(フーガの技法)までと致します。

それでこれらの楽曲の音源を用意する必要があります。バッハの作品自体には著作権はありませんが、既存のCDなどの音源を使うと経費が莫大なものになりますので、「打ち込み」で対応することにいたします。

ということで、以上のプロジェクトに関して、次のスタッフを募集いたします。

1.打ち込みスタッフ
 番号だけでも200番近くありますし、ゴルトベルクなんか1曲でものすごく長いですから、人数的には相当必要だと思われます。ただ、ゴルトベルクやフーガの技法がかかる日は滅多にないでしょうから、実際的なところでは950番から1020番あたりで充分でしょう。ということで打ち込み要員は10名募集いたします。

2.Webプログラミングスタッフ
 かっこいいデザインのできる方1名。PCでアクセスするサイトの他、スマホのサイトも作りますので、iOS, androidのコードもかける方。

3.毎朝3時に起きて気圧を確認して、配信の準備・作業をするスタッフ。7名(ひとり1週間に1回)

4.楽曲の管理やWebの管理スタッフ1名

以上19名を募集致します。明日発表致します特別なメイルアドレスにてご応募ください。なおオーディションがございますので、要項は明後日発表致します。

それから本プロジェクトに協賛していただく企業も募集しています。協賛して頂ける企業様は、明明後日に発表致します特別なメイルアドレスにてご応募ください。

              「お天気バッハ」プロジェクト推進委員会代表中川祥治

リュートの日制定へ!

2013年04月01日 12時34分56秒 | ウソ系
「リュートの日」が6月10日に制定される見通しだ。

世界リュートの日制定協議委員会委員長のJohn Download卿は1日、6月10日をリュートの日に制定すると発表した。同委員会の会議は3月の上旬からスイス・レマン湖北部ル・パコパコにあるJohn Download卿の別荘で行われていた。

同卿によると、6は中国語でリゥ、10は日本語でトォと読むことから6月10日に決定されたということだ。委員会のメンバーからは昨今の国際情勢を鑑みると中国語の使用に関して異論が噴出した。しかし委員長の「まぁ、それしかないんじゃないの?」の一言で最終的に決定されたという。

同委員会のメンバーは、イギリスからJohn Download卿(会長)、フランスからはデニス・ガウルティエ氏、ドイツからノイジー・ダラー、ユルゲン・ベランベラン両氏、イタリアからはマルク・オサマーレ氏、そして日本からは日笠宮朴念仁親王殿下の各氏から構成される。殿下は幼少のみぎりよりリュートを嗜まれ、「人生調弦」を座右の銘とされていることでよく知られている。またオブザーバーとして中国から琉特琴(リュート)奏者習字箱氏(習近平氏の実弟)、北朝鮮からはチャン・トヤレ氏も参加した。両氏の参加は今後のアジア情勢にも微妙な影響を与えそうだ。

また同委員会は世界リュートの日制定協議委員会の日本支部の立ち上げも発表、朴念仁親王殿下が総裁に就任される見通しだ。スポークスマンによると、日本では著名オークションサイト「ヤオフク(八百福)」にもリュートが出品されるなどリュートの認知度は上昇しつつある。このリュートの日制定を機にリュートがさらに広く日本に普及していくきっかけにしたいとのこと。日本支部ではゆるキャラ「リュート君」、弟の「テオル坊」、妹の「たぶらちゃん」を設定、着ぐるみのデザインと中に入ってくれる方を募集中。〆切りは4月1日、応募は日本支部のサイトまで。

至急求む!

2012年04月01日 21時04分15秒 | ウソ系
以下の人材を急募しています。高給にて処遇いたします。もちろん健康保険、厚生年金、失業保険、傷害保険完備。

1.リュート弦張師

{仕事の概要}
コンサートの10日前に弦をさっと張り替える。
もし不良弦があれば、さっさと取り替え、弦のメーカーに文句を言う。
本番の時、例えばヴァイスのイ長調のシャコンヌの次にロジー伯のトンボーを弾く場合、私の左後ろに黒い服を着て座っていただき、楽譜のページをめくっている間に15秒以内に調弦を変える。
もし演奏中に弦が狂ってきたら、たとえ演奏中でも、演奏の支障にならないようにペグを回して調整する。
 

2.リュート弦ソムリエ

{仕事の概要}
沢山ある楽器の弦を管理する。
弦の張力などをたちどころに計算し、たとえば、ガット弦でバロックの1コースに0.40mmの弦を張ったときと、ナイルガット弦の0.42mmを張ったときの張力の差はどのくらい?といった質問に即座に答えること。
弦の在庫管理。不足している弦があれば、メーカーに即座に注文、その際値引き交渉ができる程度の語学力があること。
どこどこ社のどういう、どのくらいの太さの弦を組み合わせたらいいか、という豊富な知識をお持ちの方。


3.二重奏の相手

{仕事の概要}
ジョン・ダウランド作曲のチェインバレン閣下のガリヤードをオリジナルに忠実に弾くことができる技量、器量をお持ちの方。
男性不可。
演奏中たとえ手が触れあっても文句を言わない方。


4.フレット巻き職人

{仕事の概要}
豊富なフレットの知識を持ち、私が寝ている間に、チャチャチャと緩んでいるフレットを交換する。
フレットの正しい位置をたちどころに計算する。
ドゥニ・ゴーティエの「神々の修辞」の挿絵に見られるような、二重巻きフレットを巻く。


5.譜めくり師

{仕事の概要}
iPadに楽譜データを入れる。(使用アプリは、iUeo)
ドキュメントスキャナでpdfを作る。
バッハのシャコンヌを弾くとき、舞台袖で待機し、譜めくりポイントになったら、Bluetooth接続のペダルを操作し、iPadの楽譜のページを確実にめくる。
iPadの充電をする。


以上至急求む。応募は本日中。

お知らせ

2010年04月01日 13時46分57秒 | ウソ系
日本リュート検定協会では、下記の要領で「マッテゾン杯争奪リュート調弦競技会」を開催いたしますので、関係各位のご配慮をよろしくお願いいたします。

   記

1.日時:2010年6月31日13時30分
2.会場:名古屋市千種区長元8060 重源寺ホール
3.参加資格:国籍、年齢を問いません。
4.部門:ルネサンス・リュートの部、バロック・リュートの部(ただし、ルネサンス・リュートは7コース、バロック・リュートは13コースのバスライダーがついているもの)競技方法については、「付記」を参照のこと。
5.参加申込:2010年4月30日締め切り。次のURLにアクセスしていただき、必要事項を記入の上申込むこと。http://www.chougen.tuka_reru なお、参加料は無料です。


  付記

競技の方法について

1.楽器は各自持参のこと。競技の前に楽器のレギュレーション審査があります。
2.公式室温は21度、公式湿度は45%。
3.楽器に張ってある弦は合成樹脂弦、ガット弦いずれでも構わない。
4.公式ピッチは、ルネサンスは440ヘルツ、バロックは415ヘルツ、公式テンペラメントは平均律とする。
5.調弦に要した時間(秒)と各弦単位の測定誤差(セント単位)の合計を記録とする。競技者は両手を垂直に垂らし、審判の「はじめ!」の合図で手を楽器に持って行き、調弦を開始する。「はじめ!」の合図までに手を動かすとフライングとみなし、2回連続フライングをすると失格。競技者は終了したらその旨を審判に告げる。調弦終了後は、楽器を速やかに判定員に渡し、粛々と結果を待つこと。

※当協会では、優勝者の記録をキネスブックに申請する予定です。
※当協会では、8060運動推進中です。(8060運動とは、80歳までに60年間調弦しよう、という運動です)

ことしも・・・

2009年04月01日 10時09分50秒 | ウソ系
ことしもエイプリルフールがやってきました。いつも与太話をブログにアップしていますが、もうそろそろネタも尽きましたので、もうこういうのは止めようかと思います。そこで、今回はいままでのネタを振り返ってみたいと思います。

というほど何年もやっていませんが、最初は確か2005年でしたか。これが「大ヒット」しまして、味をしめて何回かやってみました。この時は、バッハの新発見のリュート作品をテーマにでっち上げました。

BWV995の自筆譜表紙に、「リュートのための作品集」とありますが、実際にはト短調の組曲だけが残されている、ということはまだあったはず、とリュート弾きは考えてしまいがちですが、そういう人たちがこのエイプリルフールネタに一杯ひっかかりました。

4月1日以降何人かの方にメールをいただいたので、ちょっと罪悪感を感じてしまいました。中には「ウソやったら、おこるでー」なんてのもありました。(笑)

このネタのひっかかり極めつけは、某リュート奏者でした。一応プライバシー保護のために、男なのか女なのか、はたまたどこの国の人とかどこに住んでいるとはあえて伏せますが、某大物リュート奏者です。(笑)

このときはまだ私はスイスに住んでいましたが、6月頃にそのリュート奏者に会ったときに、バッハの新発見のリュート作品について教えてくれと言われました。どうも私の与太話がめぐりめぐって2ヶ月くらいかけてその方のところに伝わったようです。事情を説明していたら、その方結構落胆していました。なんせ、是非録音したいと意気込んでいましたから。(笑)

一昨年のエイプリルフールにはウソにまみれたコンサートを実際にしました。(リュート音楽のひととき第4回)ヴァイス「不実な女」の真実が今ここに!と題したコンサートでした。一般的にはこの「不実」ということばから、「冷たい女」とか「不貞をはたらく女」という意味にとられがちですが、実はそうではなく、これは宗教的に不実ということで異教徒の女という意味なんだということを、オスマン・トルコの第二次ウィーン包囲(1683)からめて主張しました。(もちろん根拠はありません)

この異教徒の女がウィーン包囲と関係している、というところだけはウソですが、あとは当時のリュート奏者バロンの著作物からの引用やら、曲のリズムの解説などは全て本当でして、1つウソをつくために100のホントを並べ立てる、ってやつです。でも、このコンサートあまりにもマニアックな内容なので、反応は今ひとつでした。(笑)

あと、BS細胞でガット弦を作る話も書いたことがありましたが、この方面の進歩は早いですねぇ。今ならiPS細胞ですね。韓国の研究者がこのBS細胞に関して論文をでっちあげたというニュースがあったので、それにひっかけてストーリーを作ってみました。でも細くて強いガット弦、欲しいですねぇ。

バロック音楽が世界遺産に!

2008年04月01日 00時22分02秒 | ウソ系
ビッグニュースが入ってきました。(^_^)

USO通信発
ユネスコ世界遺産登録センターのE・クースリ・オーター遺産管理委員長は、1日バロック音楽が世界遺産に登録されたと発表した。これは本年度から設けられた無形文化財における世界遺産登録の第一号である。世界遺産は指定地域に偏りがあると言われているが、バロック音楽そのものを指定することで、地域偏在を解消するというのもそのねらいにあるようだ。

今後は、バロック音楽の演奏会や公演などのイベントが行われる際は、チラシなどに「無形世界遺産」と世界遺産のロゴマークを使用することができる。今後バロック音楽のコンサートが急激に増加することが予想される。またバロック音楽の演奏家が不足することも予想され、ギャラの高騰なども懸念されている。日本通奏低音演奏家連盟ではアーチストのスケジュール調整のための人員増を急ぐ必要があるとしている。

今回の決定を受けて、ベートーヴェン協会など指定の対象とはならない音楽団体からの反発が予想され、ベルリンにあるエマニュエル・バッハ協会からは、バロック音楽の線引きが曖昧であるという抗議声明が出された。

日本では、旧中新田町がある宮城県加美郡加美町では地域物産店で販売していたバッハ饅頭の復活を発表した。またバッハ・サブレ、清酒バッハも増産の予定。旧中新田町は70年代に全国にさきがけて建設した音楽専用ホール「バッハホール」で有名。

また戦国時代に当時の西洋音楽が演奏されていたと言われている地域がある京都府、滋賀県、大分県、長崎県などの県職員は、該当地域になるのかどうかオーター遺産管理委員長に問い合わせるなど対応に追われている。

L'infideleの新事実!

2007年04月01日 01時40分30秒 | ウソ系
リュートのメイリングリストの投稿を読んでましたら、新しい文献的な発見についての記事がありました。現在、投稿者と記事に出てくる研究者にメイルを出して詳細について紹介中です。事実だとするとすごい発見ということになりそうです。

以下はその記事の日本語訳です。

18世紀前半の音楽シーンを伝える貴重な文献、E.G.バロン著「リュートの歴史的研究・・・」の記述を裏付ける資料が新たに発見された。「リュートの・・・」は音楽理論、歴史、ジャーナリズムを統合する大変貴重な文献であるが、その第六章後半部にある次のくだりに大変興味深い記述がある。

「・・・この点ではウィーン占領をリュート用に作曲したある人(彼のことはもちろん快く思っているのだが)の方がまだましだと言える。パッセージの上には細かく書き込みがある。「ちょうどここで大砲が轟く。ここで傷付いたトルコ人が吼える。ここで彼らは打たれ、敗走する。等々。」」

この記述の「ある人」が誰であるか、またその曲はどんなものなのかは長く不明のままであった。

オーストリアのウィーンリュート協会に所属する、ボラーゾフ・ソスラン・フェーリクソビッチ研究員が、2007年に発表の最新論文でこのことに言及している。ボラーゾフによれば、この「ある人は」S.L.ヴァイスで、その曲というのは、「ランフィデル」であるという。ボラーゾフはドレスデンにあるMUS2841写本の「ランフィデル」をX線解析し、そこに「大砲が轟く、ここで傷付いたトルコ人が吼える」などの記述があるのを発見した。この発見で、研究員は、「ランフィデル」というのは一般的に言われている「不実な女」という意味ではなく、「不実なる者」と訳すべきで、宗教的に「不実」である異教徒トルコ人のこと指すという。ヴァイスが1721年にロジー伯の葬儀でプラハを訪れたときに、同地にあるフィリップ・ドゥ・サン・ルクの作品を収めた写本を見る機会を得た。そこにサン・ルクが作曲した、オスマン・トルコとのウィーン攻防戦を描いた曲に触発されて、作曲した可能性が高いという。

注)ボラーゾフは旧KGBに所属していた異色の音楽学者。最新テクノロジーを使った資料解析が得意。http://www.kusobicchi.com

新素材

2006年04月01日 11時24分58秒 | ウソ系
私のブラウザのRSSリーダーに興味深いニュースが入っていました。もうご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、ご紹介します。

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APO通信発
論文データねつ造で逮捕された韓国の黄禹錫賽(ファン・ウソクサイ)教授の研究グループがES細胞と遺伝子組み換えを応用して新しいビジネス。同教授は現在獄中であるが、教授なき研究グループが今までの成果を応用して、新しいビジネスを展開することになった。同グループは遺伝子組み換えを行った羊のES細胞から腸を作ることに成功した発表。この腸は「超腸」と呼ばれ、天然の羊の腸にくらべると非常に優れた特質を持っている。この超腸はA、B2つのタイプがあり、超腸Aは厚みがあり非常にしなやか、超腸Bは薄くしなやかな特質を保ちつつ非常にタフである特質を持つ。獄中の教授からのメッセージでは、超腸Aは主に食用、超腸Bはテニスのガット、ソーセージ、家族計画用のゴム製品などに大変安価に供給できるとのこと。同研究グループには、すでにドイツのソーセージ会社バイエルン・ブルスト、日本の焼き肉のタカイ、ミヅノ、オケモトなど数社から問い合わせが来ているとのこと。
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なるほど、超腸Aは新しいタイプのホルモン焼きに使えるわけですね。でも食用だから安全性はどうなんでしょう。このあたりは今後見守っていく必要がありそうです。
リュート弾きとして興味深いのは超腸Bですね。これって、当然ガット弦に応用できますね。ということは、非常に安価でかつタフなガット弦が!先月末からはっているガット弦ですが、もうちょっと待てば超腸Bを使ったガット弦を張れば天然素材なのに費用がかさまず、かつ切れないガット弦を使えたのに。(T_T)この超腸Bの開発は画期的で、クラシックギターやリュートの弦がナイロンなどの合成樹脂弦から超腸B弦に変わるのは時間の問題だと思います。いやー、製品化が今から楽しみですね。