リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

どういう弦を張るか

2025年01月02日 16時35分50秒 | 音楽系

昨年末に私の楽器たちの仲間入りをした Attiorbato ですが、どういう弦を張るか試行錯誤中です。というのも一応このセットでということで組み合わせた弦をラースに送って張ってもらっていたのですが、どうもいいセットだったとはいえません。

セットは1,2コースをGamutのナイロン、3コース以下をカーボン(Savarez KF)で張ったのですが、そもそも弦の精度が揃いも揃ってよくありません。正確なゲージで定評のガムートナイロンまでが運悪く振動がよくありません。

そこでバロック・リュートで定着しているソリューションに基づき、1,2コースをガムートナイロン、3,4コースをKF(カーボン)5コース以下をローデドナイルガット(CD弦)で張ることにしました。張力は全弦3.5kg程度に揃えました。

弦長が64cm/88cmと短いのでいっそ6コース以下を金属巻き線という線も考えられますが、今回はとりあえず手持ちの弦から上記のソリューションで行くことにします。

ただ手持ちの弦で全て用立てることはできず、中古品(なんかのときのために古い弦は保管してあります)を使ったり、少し張力不足の弦も使ってなんとか揃えました。

2月のコンサートでこの楽器を使う予定ですが、果たして通奏低音のバスの音が通るか若干心配ではあります。12月のコンサートでは同じ弦ソリューションのフレンチ・テオルボを使いましたが、弦長が十分に長い(75cm/116cm)ので全く問題はありませんでしたが、この80%以下の弦長の楽器でどうなるかはやってみないとわかりません。中音、高音域はよく音が通るのでいいような気もしますが。

不足している分と予備の分を合わせたCD弦はドイツの販売会社に発注しました。念のため、同社には巻き弦セットも発注しておきました。まぁ保険みたいなものですね。巻き弦だとギンギンに鳴りすぎるかも知れませんが。