リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

「避難せよ」

2013年09月16日 18時15分43秒 | ローカルネタ
台風はまたもや大きな爪痕を残して日本列島を縦断していきました。桑名では風雨は少し強かったかなという程度で済みました。一昨年の12号台風では、我が家は雨戸のカバーが風で外れて落下するという被害に遭いました。近所ではどこも被害がなかったのですが、築20年超の我が家だけが運悪く被害に遭ってしまいました。幸い火災保険がおりたので助かりましたが。

私が小学校低学年のとき、桑名市は伊勢湾台風の大被害を受けました。ウチももう少しで畳が浮くところまで浸水しました。停電していてろうそくと懐中電灯しか光がない中、家の中に流れ込んできたドス黒い水が今も目に焼き付いています。

伊勢湾台風以降桑名市は下水設備を充実させ、最近では少々の雨でも浸水しなくなりました。下水路設備が完成するまでは、ちょっと多めの雨が降るとウチのすぐ近くの道まで冠水したものでした。設備が完成したおかげで、10年くらい前の東海豪雨のときでも近所は全く冠水しませんでした。

近所を流れる員弁川(桑名での呼び名は町屋川)の水位が相当上がって危険なところまでいっていたようです。危険水位を超えると避難準備やら勧告やら指示が出されます。避難指示というのは「ただちに逃げなさい」ということで、避難勧告が「ぼちぼち逃げたほうがいいですよ」ということのようですが、言葉の語感が今ひとつ緊迫感がありません。

避難命令ということばがありますので、いくらテレビで避難指示がでていても、まだ「指示」かぁ、なんて思ってしまう人もいるかもしれません。勧告と指示とどちが緊急性が高いかは一瞬にはわかりづらいですが、ちょっと冷静に考えると、指示の方が命令性が高いというのはわかります。

でも災害時にはもともと冷静さを欠いているのが普通ですから、こんな言葉ではいけないのではないでしょうか。たとえば、避難指示→避難せよ、避難勧告→いつでも避難できるように、避難準備→避難準備をせよ(ま、これは同じですが(笑))なんてのはどうでしょう。ちょっと長ったらしいけど、役所が考えた漢字ばかりのことばよりは、瞬間にわかると思いますが。要するに漢語ではなく和語を含めた方が直感的に伝わりやすいということですね。もっと文才がある方ならもっといいことばを考え出せるはずです。