リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

善行

2013年09月19日 13時41分45秒 | 日々のこと
アメリカで大金の落とし物を警察に届けたホームレスが話題になっています。

http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/world/usa/

彼の善行に全米が感動したとのことですが、アメリカでは金を拾ったらまず届けることはないということですよね。私はそのホームレスの行動よりアメリカ社会の反応に驚きました。日本だと、大体の人は大金を拾った場合、怖くなって警察に届けるんじゃないでしょうか。1年後に持ち主が現れないことを密かに期待したりして。(笑)

スイスにいたとき2回落とし物をしましたが、2回とも帰ってきました。一つはPDA(
Personal Data Assistance スマホが急速に普及した現在ではもはや死語です)を列車の中に忘れてというか座席に落としたまま列車を出てしまいました。

しまったと思ったがもう遅いとあきらめ待ていました。そのことを師匠に話したら、「いやいや、ここはイタリアやアメリカじゃないよ。結構な確率で戻ってくるよ」とおっしゃる。で、その日の夜電話があり「あなたはショウジ・ナカガワか?電車でPDAを拾って所有者を見たらあなたの電話番号が書いてあったので電話をしている・・・」ということで、郵送して頂き無事帰ってきました。その方はチューリヒの近くのヴィンタートゥアというところに住んでいるとのことでした。

もう一つは、日本に一時帰国するときに、航空券、パスポート、パソコンなどが入っているバッグを列車の中に忘れてしまいました。チューリヒ空港駅のホームを上にあがったとき妙に荷物が少ないのでハッと気がついて引き返しましたが、その列車はすでにバーゼルに戻って行ったあとでした。遺失物届け所に行ってすぐその列車に連絡をしてもらいました。この時は前のPDAの件があったので、もはや確実に戻ってくることを確信していましたので少しも焦りませんでした。そして2時間ちょっと経って何事もなかったかのようにそのバッグは私の手元に戻りました。もちろん中身は完全に元のままです。残念ながら飛行機には乗り遅れてしまいましたが。

オリンピックのプレゼンで日本は安全で落とし物は確実に帰ってくるというの誰かさんがアピールしていた記憶があるんですが、まぁ確かによその国よりはマシかも知れませんが、スイス程ではないとは思うんですけどねぇ。横断歩道で車はまず止まらないし、人の自転車は勝手に乗っていくし、車の当て逃げは平気でするし、こういうことをする人が増えると当然確率的に落とし物が戻ってくる率が下がります。