リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

シミ?

2025年03月02日 15時18分53秒 | 音楽系

昨日のエントリーでギター万年初心者様からご指摘頂いた楽譜のシミ?について調べてみました。

オリジナルのタブの14小節目のアタマの部分です。

大英博物館で公開されているPDFの矢印が付いているあたりです。点が2つ、ふらふらとしたラインが2つあります。

私が50年ほど前に大英図書館(当時)から購入したマイクロフィルムコピーも見てみましょう。

まぁ同じですね。(笑)

この部分は音楽的に見ても筆の勢いから見てもリズムは四分と八分でしょう。ヴァイス全集ではこの部分の注釈はついていません。ちなみにこの曲は暗譜で弾くことが多く楽譜を見ることはありませんのでこのこの部分に気づいていませんでした。見たときは気づいていたかも知れませんが、何十年も経ってすっかり忘れているのかも知れません。

こういうのをはっきりさせるためには現物を見ると多分インクの状態が異なっているかも知れないので分かる可能性があります。インクの質とか筆圧までは写真ではわかりづらいものです。ちなみに私が購入したマイクロフィルム版の方がより新しいはずですが、Web公開のカラー版の方がきれいです。多分私が購入したときの原本(原フィルム)はモノクロで硬調(コントラストが強い)のフィルムでとったので、汚れが目立つのかも知れませんし、あるいはカラー版の方は汚れを落としきれいにしてから撮影したのでよりきれいになっているのかも知れません。


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2 コメント

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Unknown (ギター万年初心者)
2025-03-02 19:39:58
さっそく詳細なご解説をありがとうございます。記事にしていただけるとは思わなかったので感激しております。
youtubeやspotify で色々な録音を聴いてみると大抵は4分と8分で弾かれていますが、たまに6小節目と同じように演奏しているものもあり、なんとなくモヤモヤしていた箇所でした。古い楽譜は考古学みたいなところもあって面白いですね。
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re (nakagawa)
2025-03-02 20:44:56
6小節目の冒頭もなかなか微妙なところではあります。
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