リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

リサイタル

2016年05月16日 20時31分11秒 | 音楽系
リサイタル「リュート・オン・バッハ」が終了致しました。会場のHITOMIホールのキャパ8割に届くくらい(主催者発表(笑))のたくさんの方に聴いていただきました。



今回は初めてのオール・バッハでしたが、やはりバッハは偉大な作曲家でした。来場いただいた方がたっぷり楽しんでいただいていたらとても幸せです。終演後お会いした方からは「とてもソフトな音色で星空の中にいるようでした」とお褒めいただきました。

私の生徒さん、音楽仲間、古くからの友人たちを始め様々な方にお越しいただきましたが、終演後ひとりの老婦人から声をかけていただきました。その方は初めてお目にかかった方とお見受けいたしましたが、お名前を伺うと以前からよくコンサートに来ていただいている方でした。お名前は存じ上げていても、実は直接お目にかかったことはなかったのです。今回お目にかかる機会を得てとても嬉しかったです。

今回久しぶりに演奏した、プレリュード、フーガ、アレグロは、実は大変でした。ヘ長調のアレンジで行こうと練習をしていたのですが、7フレット以上の音を多用することになるため、あまりリュートがきれいに鳴ってくれません。なんかヒステリックになるのです。なにしろプレリュードの冒頭の音からして、実質的にバロック・リュートの最高音と言えるファで、フレットは指盤上にはなくボディ上です。

ちょうど4月の初めころ、これ以降は別の調に変更するのは不可能だと思い、ばっさりとヘ長調版を断念しハ長調版にすることにしました。リュートの場合は鍵盤楽器と異なり調を変えるということは、まったく別の曲を弾くといってもいいくらい変わってしまうものですが、思い切って変更しました。そのときニ長調版も検討しましたが、ハ長調の方が総合的に有利な箇所が多いと判断しました。一カ月でモノになるかと若干心配しましたが、まぁなんとかなりました。(笑)

次回のリサイタルはまた来年の秋頃にできたらとは考えていますが、まだ具体的には何も決めていません。まぁリサイタルが終わった直後ですからそれが普通でしょうけど。オールバッハは今回が初めてでしたが、オールヴァイスはまだやっていません。次はこの線で行くか。