リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

市長と会談

2017年10月14日 01時56分42秒 | 日々のこと
桑名市役所に行き、市長と会談してきました。時間が限られていましたので、桑名の音楽文化発展のためにいくつか提言をさせて頂きました。


伊藤徳宇桑名市長と

桑名市には近隣の市町村にはない、とても室内楽に適した会場が2つあります。ひとつは、私がプロデュースしています「バロック音楽の旅」シリーズの会場になっています、くわなメディアライヴ「時のホール」、そしてもうひとつは六華苑洋館です。いずれも市民ホール(大ホール、小ホール)などとは「系列」が異なり、一元的に管理されていません。

「時のホール」は多目的ホールではありますが、天井がとても高く、空調の音も専用の音楽ホール並みに静かです。これはメディアライヴという複合施設の中にあるので、空調が建物全体で一括管理されているからです。おそらく、音響の優れたホールとして作ったというより、たまたまそうなってしまったという感じに思われます。実際、有料のコンサート会場として、プロの演奏者によるコンサートが開かれることはほとんどなく、写真展とかそろばん大会とか株主総会などに使われるのがメインです。私がやっているのは、使い方としては例外の部類です。

六華苑の洋館は重要文化財なので慎重に使う必要がありますが、ここは最近ではぽつぽつとコンサートに使うようになってきましたが、改装して桑名市の管理下に置かれるようになってから10年くらいは全くそういった目的に使われることはありませんでした。

以上のようなこと素晴らしい会場があるのに、要するに宝の持ち腐れになっているのでは、もっと活用してはどうでしょうか、それから市の組織として文化活動はすべて「生涯学習」というくくりになっているが、芸術文化発展という視点からは少し無理があり、改編の必要があるのではないか、というようなことを、市長および市の関連担当者に方に参考意見として申し上げました。

もっとも予算をたんまり出して、桑名ナントカ音楽祭式のものとかナンヤラコンクールみたいなのを開催すべきだと主張しているわけではありません。そういったお祭り的なものではなく、もっと地に足がついた地道な取り組みでないといけません。以前近隣の小さなホールでコンサートをさせていただいたときに、また次もお願いしますというのことを申し上げましたら、担当の方は、「うちは基本的にはテレビに出ている(テレビに出ていて有名な)人しか呼ばない」とおっしゃいました。テレビに出ていなくて有名でない私はたまたま呼ばれたわけですが、判断基準がテレビに出ているというのはちょっとお粗末です。裏を返せば、目利きの人がいないということであります。

私は行政にかかわるつもりは毛頭ありませんが、現在の活動を通じて地域の芸術文化の発展に少しでもお役に立てたらと思っています。