リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

バッハよ、何様だ!

2021年05月27日 12時30分38秒 | 日々のこと
「バッハよ、何様だ!」。週刊誌の新聞広告です。何のことでしょう。なんかドキっとしますね。

例えばカンタータ第20番の冒頭コラーレ、それぞれ独立したオケによるフランス序曲と定旋律を含んだコーラスが同時進行する曲、もちろんフランス序曲だから途中でオケがフーガも始める、そのときもやはりフランス序曲の前半と同じようにコーラスがかぶさるという造り、何と言うのでしょう!まるで目が眩むような構築美ではありませんか。でもそれでいてそのようなことがわからなくても直接情感に訴えるサウンドを備えている音楽、そんな奇跡の曲を書いたバッハ様、あなたはいったい何者なのだ!

カンタータ第20番BWV20、ヘレヴェッヘ

おっと週刊誌の広告は呼び捨てでしたね。それに「何様」になっています。バッハには「様」がつかず、何には「様」がついています。「何様」は人を非難するときのみに使う言葉ですので、よくないバッハさんのことを言っているようです。

このバッハは、ヨハン・セバスティアンではなく、あまり人相のよろしくないトーマス・バッハ、IOC会長です。

この人たちはどうしても東京オリンピック2020をやりたいようですが、人の国で、しかもその国民の多くが開催を望んでいないのに、どういう権利があってゴリ押しをしようとしているのかがよくわかりません。もっともこの人たちは手下にすぎず、実際はアメリカの放送局などが「実権」を握っているのかも知れません。その意味では楽天の会長やソフト・バンクの会長がアメリカで開催中止の意見を表明したのは正しかったのかも知れません。

でもそれにしてはバイデン政権のやっていることはちぐはぐで、サキごろ日本を「Do not visit」国に指定したのに、サキ報道官はオリンピック選手は別だと言っていましたが、もう少しあとサキを考えた発言をしてほしいものです。日本もアメリカもなんかグダグダです。何だかよくわかりません。こういうときにドーンとなんとか女史が出てくるのでしょうか。それともすでに出る幕はなくなったのか。まぁ見守るしかありません。