リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

名古屋バロック音楽協会主催夏季セミナー

2006年08月17日 11時06分02秒 | 音楽系
今年の高山の古楽セミナー(名古屋バロック音楽協会主催)は、沢山の方が参加されました。最近ちょっと参加人数が細っていただけに喜ばしい限りです。リュートはなんと5名の参加で、愛好者人口からすれば驚異的な人数だといえます。リコーダーの参加は12名でしたが、リュート演奏愛好者はリコーダーの百分の一くらいでしょうから、大健闘ですね。

会場は高山市上宝のペンションオープンハートです。ここはここ10数年来セミナーの会場にしています。なんせ、まわりに人家がなく、(もちろん他のペンションも)しかも「奏楽堂」と呼ばれているログハウスの音楽ホールまであるんですから、うってつけです。
名古屋バロック協会は来年設立30周年を迎えるアマチュアバロック音楽愛好団体ですが、夏のセミナーもそれと同じくらい前から行っています。このオープンハートに来るまでは、信州各地を転々としていました。でも音を出すので近所のペンションから苦情が来たり、反対に音を出してもいいところに行ったらお隣からトランペットの音が高らかに聞こえてきたという具合で苦労しました。

今年は温暖化のせいもあるのか、何か暑かったですね。以前は晴れていても、外を散歩しても暑く感じることはなかったですが、今年はいかにも暑そうな日差しが。もっともレッスンが一杯詰まっていたので、散歩どころではなかったですが。

運動があまりできそうもないので、太らないように食事はできるだけ少なめに(人から見ると普通くらいでしょうけど)取るようにしていました。ここの食事はおいしいのでついつい多くとってしまうんですよ。月初めにバーゼルにいたときも、ハイカロリーものを食べがちなので、それなりに考えて食べてました。そうそう、飛行機の機内食はすべてローカロリー食にしました。(味はイマイチ。お肉なんて湯通ししてあってカスカスです)その甲斐あって、昨日2週間ぶりにフィットネス・クラブに行きましたら、なんと体重はバーゼルに行く前より2キロ減!うれしい誤算ですね。(笑)やはり食べ物のコントロールは重要。

サマーセミナーの話にもどりますが、草の根式に愛好家が主体になって運営する夏季古楽セミナーはたぶん全国唯一でしょう。それも30年近く続いていて、クオリティも高い。あまり主張することなく、でもしっかりしている、これっていかにも名古屋を基盤にしているって感じですね。また来年も開催しますので、興味の有る方は是非一度いらして下さい。

新しいリュート

2006年08月16日 19時52分34秒 | 日々のこと
暑いですねぇ。梅雨の終わりかける頃に、ヨーロッパに出かけ、帰ってきたらすぐ高山の上宝に行っていましたので、本式の夏は今日が初めてです。ま、もともと体が夏適応型にできているので、暑い暑いって言ってる割には、実は暑いのが好きだったりするんですが・・・(笑)

でも楽器を弾くときは暑いと困ります。スイス在住の製作家、モーリス・オッッティガーのルネサンス・リュートは無事日本に持ち帰りました。この暑さと湿度なのでリブ(スイカの皮みたいに張ってある部分)の塗装が心配なのですが、今のところ特に問題にはなっていません。同じモーリス作のバロックリュートは昨年なかなか塗装が乾かなくて苦労しました。スイスにいた頃でも、6月頃の気温でも(多分高くて30度くらい、湿度は低い)表面の塗装が溶けて来ているシャツの柄が着いたり、ケースに入れるときストラップが下になっていると、ストラップの跡がついてしまったりで困りました。最近やっとそういうことはなくなりましたが(といういことは乾燥までに1年以上かかっているということです)それでもまだよく注意しています。

新しく作ってもらったルネサンス・リュートの塗装は、バロックとは違うみたいで、あまり気温の影響を受けない感じもしますが、まだわかりません。本式の暑い日にこの楽器を置くのは今日が第一日目ですから。

興味のある方のためにこの楽器のスペックを簡単に。
モデルはヘス、小振りの胴体の楽器でとてもかわいい感じです。ルネサンスはもう一台ドゥルビー作のものを持っていますが、これがえらく大きく見えます。
弦長は57㎝、リブはローズとメイプルの交互で色違いです。音は低音がしっかり鳴り、高音に艶がある、モーリスの楽器の特徴がしっかりと出ています。70年代のファン・デ・ゲーストの流れをくむ雰囲気です。

9月3日(四日市のレストラン、サンマルコ)と10日(リュート音楽のひとときシリーズ、於ミューズのコンサートではこの楽器を使う予定です。

明日から・・・

2006年08月12日 02時09分24秒 | 音楽系
明日から高山に行きます。名古屋バロック協会の主催するサマーセミナーに参加します。今年はリュートコースがいつになく(笑)人数が多いので楽しみです。でもその分しんどいでしょうけど・・・
というわけで、16日以降は落ち着きますので、またブログの更新を再開します。ではそれまで。

帰国しました

2006年08月10日 23時47分38秒 | 日々のこと
今日帰国しました。日本は相変わらず暑いですねぇ。
今回は結局スイスから一歩も出なかったんですが、半袖のシャツはほとんど着ることはありませんでした。私たちが行く少し前はすごく暑かったらしいです。
前世話になっていた下宿大家さんは、(あ、一家で下宿した部屋の下の下の部屋にころがりこんだんです)(笑)

「もー、暑くて暑くて。40度を超えていてなんでも、250年ぶりの暑さだってよ。」

って言っていたんですが、同じくスイス在住のリュート奏者の今村さんだと、

「暑かったねぇ。ま、35度くらいは行ったかな?」

って比較的軽い調子でした。今村さんちはバーゼルよりは少し田舎で涼しいので温度が低かったということもありますが、やはり日本人は暑さに強い、ということかな。

その猛暑から一転して、20度も温度が下がった次の日に私たちはバーゼルに到着。ああ、なんて心がけがいいことでしょう!(笑)

でも私は雨男ということもあり、2日から9日まで滞在中ほとんど雨ばかり。晴れていたのは最初の日と最終日だけだったです。私は別に驚かないんですが、家族はちょっとがっかりだったかも。でも涼しくてほんとに過ごしやすかったですよ。

この梅雨のような雨が続く日々、なんかちょっとあまりスイス的ではありませんでした。私が留学していたときには、こういうずーっと雨の日が続いたり、その雨量も多めということはなかったですから、やはり異常気象の現れなのかも。いわゆる人間が原因の温暖化現象なのか、大きな自然の流れからきている温暖化なのかは知りませんが、気象のパターンが以前より少し変わりつつあるのは確かみたいです。

朝の連ドラ

2006年08月01日 11時43分12秒 | 音楽系
朝のNHK連ドラは、最近は見ていませんが、一時期見ていて毎朝が楽しみでした。「さくら」とか「まんてん」はなかなかおもしろかったですねぇ。ま、個人の好みもありますけど、「まんてん」の次は(なんだったかな、題名わすれました)シナリオがなんか不自然で全然おもしろくなく、途中で見るのを止めてしまいました。

現在やっている朝の連ドラの歴史考証について、日経のコラムがえらくたたいていました。何でも主人公が戦前の東京音楽学校(今の東京藝術大学です)に入学するらしいんですが、「あんな程度の力量では絶対に入学はあり得ない」とか「(主人公)の部屋に楽譜が少ししか見あたらないのは極めて不自然」となかなか手厳しいです。ま、要するにシナリオライターはあまり音楽のことに詳しくなく、戦前のことだからレベルは大したことはなかろうと適当に書いてしまった感じ。でも最近のいろいろな研究や実践でもわかるように、戦前の日本のクラシック音楽のレベルってすでに相当なものだったんですよね。

NHKですから、しかも看板番組ですからいろんな人が見ているんですよね。コラムの引用では元ソニー会長の大賀さんの批判もありました。そういや思い出したんですが、以前にこのブログでとりあげました、俳優の関口・・・えーっと関口宏さんの息子さんですが、名前を忘れました(笑)、その彼がドイツを鉄道でまわる番組(リュートが出てきた希有な番組)でも、リュートのことがちょっとリサーチ不足って感じでしたけど、NHKはどうも音楽系は苦手?

マンガの「のだめカンタービレ」なんか、ものすごくしっかりしたリサーチだと思うんですけどね。内容的には、学園ラブコメディといったところでしょうけど、それを支えるディーテイルがしっかりしているので、(というかディーテイルにこだわっている感じ)あり得ない話ばっかりだけど、妙にリアリティがある。連ドラでこういうリアリティを出せないのは、NHKさん、ちょっと人材不足気味なのかも。

さて、明日から10日までスイスに行きますので、しばらくブログの更新はお休みです。娘はアメリカに、息子は東京に住んでいますが、一家でバーゼル駅前の喫茶店で落ち合うという予定です。もう一つの目的は(実はこっちがメイン?)新しいルネサンス・リュートが完成したので、それを取りに行きます。ということで、9日後にまた。