リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

量産リュート

2006年08月27日 21時46分12秒 | 音楽系
リュートは今でこそマイナーな楽器ですけど、(特に日本では)昔のヨーロッパでは超メジャーな楽器でした。庶民が扱うような楽器ではなかったようですが、高貴な方や裕福な方のたしなみとして非常にもてはやされた時期がありました。

リュートをたしなむことが最も教養がある(ように見える)→信頼される→モテる、というつながりかな?もっともそういうお方で音楽史に名を残した人はほとんどいなくて、やっぱりみなさん悪戦苦闘してたんでしょう。

歴史に名が残っているリュート奏者で王侯貴族の人はというと、ロバート・ダウランドの曲集に名前が出てくる、ヘッセン領伯モーリッツとロジー伯くらいかな?あと裕福な階層の人ではアントニー・ホルボーンがいますね。でもそのくらいで、ダウランドもゴーティエもヴァイスも社会階層的には一般ピープルでしょう。(もっとも社会のなりたちが今とは相当異なるのでそう単純には言えないでしょうが)

以前人から聞いた話ですけど、16世紀の製作家ラックス・マーラーが亡くなったとき彼の工房には数百台分の作りかけリュートがあったそうです。すごい数です。この数からすると分業システムで大量生産していたことがわかりますし、何より当時それだけの需要があったということでもあります。

70年代の日本にも実はアリア・リュートという量産リュートがありました。当時結構売れていまして、発売元のA社の社長からリュートの教則本を書かんきゃー、なんて頼まれたこともありました。(それは結局は実現しませんでしたが)私はこのアリア・リュートは史上最多(それもダントツ)だと思ってたんですが、ひょっとしてマーラーの工房の方がたくさん作っていたかもしれませんね。当時、特に16世紀のリュートのモテぶりは想像を絶するレベルだったのかも知れません。

いろいろと・・・

2006年08月27日 00時41分21秒 | ローカルネタ
今日は朝のうちレッスンがひとり。滋賀県から来ていただいているYさん。ヴァイスのへ長調組曲に取り組み中です。もともと達者な方なので完成が楽しみです。レッスンが終わったらすぐ名古屋バロック協会主催のティータイムコンサートへ。
今日はIさんとSさんによる、ソプラノとチェンバロのコンサート。
ついでに事務連絡で事務巨曲のK君をに会う予定。

9月10日のコンサートのチラシも配るので早めにいった方がよかろうということで高速道路を使うことに。ところがうかっとしていて、東名版経由で行くべきところを都市高速経由で行ったため途中で渋滞に遭遇。おかげで少し遅刻。チラシの折込は間に合わず、まだ開演まで少し時間があったので、ひとりひとりに手渡しを。けがの巧妙でこっちの方が効果的だったみたい。少し恥ずかしかったけど。

コンサート後ほんとはゆっくりして知り合いといろいろお話がしたかったんですが、リサイタルチラシ用の写真をとってもらうよう、写真家にお願いしてあったので、そそくさと栄へ。栄界隈はえらく混んでました。例の名古屋のどまつりだったですね、それの影響みたいです。それにしても、どまつりって何か汚い感じがする名前ですねぇ。ど・・・というのは、ドアホとかドタマとかあまりいいイメージがないんだけどなぁ。ま、いいか。その名前が通っているところを見るとそんなこと言う人はあまり多くないんですよね。

三越百貨店の五階にあるその写真家のスタジオに行くには車を止めなきゃ行けないんですが、いつも栄に行くときに車を止める東海駐車場に。そこから少し歩いて足早に三越へ。何せ駐車場代高いですから。(笑)

写真家のAさんは、以前はデジタルカメラはどうもって感じでしたが、さすがに時代の潮流には逆らえず、しっかりデジタルしていました。お陰で撮った写真はすぐにモニターで確認することができて、すごく効率よく撮影が進みました。さてどんなチラシになるか・・・
その後はT君が主宰している、バロック音楽お遊び会のファニチャーXへ。これは3ヶ月に1回くらいの頻度で開かれていまして、バロック音楽に興味のある愛好家の方がいらっしゃいます。なぜファニチャーということばがあるのかというと、会場が大須のT家具店だからです。で、なぜT家具店かというと、社長のTさんがチェンバロ、リュートなどの楽器を家具の余り材で製作するという器用な方だからでして、楽器はお店に展示されています。Tさんのご厚意でお店を会場として使わせてもらっているわけです。

まだ楽器を始めて間もない感じのおばさま方のお相手のリュート伴奏をしたり、ついでにコンサートの宣伝も少ししたりして、2時間くらいすごし帰路へ。家に着くと10時をまわっていました。今日はよく動き回りました。(笑)