リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

Piascoreのレビュー

2024年06月10日 15時03分25秒 | 音楽系

Piacsoreは確か国産で以前も詳細を調べてみたことがありました。それからバージョンアップもしていることだし今回改めて詳しくみてみました。

まずForscoreにあるデュアルページモードがあるかどうか調べてみました。デュアルページモードというのはi Pad を2枚並べて使う時、2ベージ分ベージ送りしてくれるモードです。片ページA4サイズの本のページめくりのイメージです。

Piascoreには残念ながらそのような機能はありませんでした。2台(あるいはそれ以上)を連動させて同時に同じページをめくるという機能はありましたが・・・(それってどういうときに使うものなんでしょう?)

クラウドから楽譜をダウンロードする機能やダウンロードした楽譜をセットにする機能はありました。ペンで注などを書き込む可能(アノーテイション)もついていました。ウィンクするとページを送ってくれる機能もあり、使って見ますとそこそこ実用的な感じです。足のペダルを踏むより確実性は高いかも。ただ私が使っているiPad Proの第2世代では非対応です。(試用はiPhoneで行いました)

ただPiascoreのシステムの文字は小さすぎるし色も薄いです。本体でのカスタマイズは不可で、iOSからも不可でした。(Forscoreは可です)

Piascoreのウィンクページ送りはなかなか魅力的でしたが、私の機種では使えません。デュアルページモードも非対応なので結局このままForscoreを使って行くことに。もうじき新しページターナーが届きます。


現代ギター6月号

2024年06月09日 16時40分55秒 | 音楽系

現代ギター6月号に3月のリサイタルのレビューが掲載されました。

執筆して頂いたのは名古屋在住のトップギタリスト、谷辺昌央さんです。著作権の都合で全画面は掲載できませんが、読んで見たいというお方は是非現代ギター誌を購入のうえお読みください。

現代ギター誌は50年ほど前は、現代リュートといわれるくらいリュート関連の記事が豊富でした。黎明期の古楽情報を、断片的ではありましたが、ほぼリアルタイムで得ることができたのは私としてはとても幸運でした。最近はもちろんギターの専門誌ですからリュート関連の記事はたまに掲載される程度ですが、本号では竹内太郎氏によるマンドーラに関する記事が掲載されています。


新しいページ・ターナー

2024年06月08日 12時38分43秒 | 音楽系

最近は楽譜をiPad で見る人が増えてきました。今度ご一緒させて頂くチェロの(最近はガンバも)高橋君もいつのまにかiPad Proを使うようになっています。

iPad Proで使う楽譜閲覧アプリはForscore とか Piascoreなどがあります。私はForscoreを使っていますが、Piascoreの方も多いようです。Forscoreはデュアルページモードのバグをちっとも取ってくれないので、Piascore を検討しようかなとも思っています。

iPad で楽譜を見るときに欠かせないのが、足踏み式ページ送り装置=ページターナーです。Bluetoothで接続して使います。

私は今この iRigのBlue Turnを使っています。踏んだときの「入り感」の節度があってとてもいいのですが、ちょっとスイッチ部分が小さいのが難点です。素足や靴下をはいて踏むときはいいのですが、本番は靴を履きますのでどこにスイッチがあるのか分かりにくくて踏み損ないをしないように練習をしておかなくてはいけません。曲によっては楽曲自体よりページターナーをタイミングよく間違えずに踏む方が難しいということもあります。

ネットでいろいろ探してみましたら面白いものが見つかりました。それがこちら。

PageFlip社のFireflyという名前のページ・ターナーです。Fireflyはホタルですが、形的にはFly(ハエ)ですね。これの下位機種がButterflyという名前ですが、形はほとんど同じです。違いはFireflyはインジケータやペダルの手前部分のライトが光ることです。それだから「ホタル」なんでしょう。

右左のペダルが離れていて確実に操作できそうですので注文してみました。国内では扱ってないみたいなので本社に直接注文しました。トラッキング情報に The Hague という名前が出ていましたのでオランダの会社なんですね。もうじき到着予定です。


リュート買い取りセンター!?

2024年06月07日 21時16分46秒 | 音楽系

ネットでこういうのを見つけました。

中を覗いてみましたら、ア○アリュートを始め国内外の製作家の楽器が10台ほど出ていました。ア○アリュートが2万円台、ナントカという外国の製作家のものが15万ほどの買い取り価格がついていました。中には8000円台のものまで。

この専門の査定員というのはどういう人なんでしょう。そもそもリュートを買い取るという広告自体意味があるのかどうか。買い取りで商売になるほど流通はしていないとは思いますが。どっかの自動車買い取りの会社が、事故車でもいい、壊れていてもいい、その自信は・・・?というTVCMを出していますが、このCMを見るたびになんかダークな背景を感じてしまします。リュートを買い取ってそのあと売るのでしょうけど、どうせ結構高いプライスを付けるんでしょう。でも商売になるんかな?


なぜ?のその後

2024年06月06日 21時12分08秒 | 音楽系

iPad ProのForscoreでCueを使う時、Cue側のリンクが切れてしまう問題。何のことかわかりにくいですが、5月27日のエントリーの続きです。

その後自宅でCueを使いデュアルページモードで楽譜を見ていましたが、あら不思議、六華苑のコンサート以降片ページ(右ページ=右においたもうひとつのiPad Pro)が落ちることはありませんでした。ということは六華苑のWi-Fi環境が影響している?と思われたので近いうちに六華苑に行ってチェックしようと思っていた矢先、自宅でも落ちました!

でも落ちたのは2回のみでその後は何事もなかったかのようにデュアルページモードで粛々と楽譜をみることができています。

ちょっと意味がわからなくなってきた矢先、今度は先日のリハーサル。六華苑のときと同じように片ページ落ちまくります。紙に出力しておいたものを用意してあったのでリハーサル自体は無事終わることができましたが。

チェロ奏者の高橋さんが私と同じようにiPad Proで楽譜を見ていましたが、それだけ落ちるというのは考えられません。テザリングもしていたようなので、テザリングを止めてもらったのですが、やはり落ちます。

ということで益々分からなくなってきました。今までリサイタルを含めここ数年のコンサートは全てiPad Pro 2枚並べ(Forscore+Cue)で片方が落ちたことはなく信頼性は高いと思っていたのですが、今回このようなことが起こって信頼性が揺らいでいます。なにしろ本番中に片ページが落ちたら一大事です。原因が確定するまではiPad Pro1枚でペダル送りを何回もするか、昔みたいに紙に印刷された楽譜でやるしかありません。


シティホール+パブリックセンター

2024年06月05日 21時51分31秒 | ローカルネタ

ChatGPTと会話をしてみました。

City Hallというのはどういう意味ですか?

 

  • 市役所(Municipal Building)

    • 「city hall」は、市の行政機関が入っている建物を指します。市長や市議会、市の各種部門のオフィスがここにあり、市民に対する行政サービスが提供される場所です。例えば、住民票の発行、婚姻届の受理、各種税金の納付などが行われます。
  • 市政府(Municipal Government)

    • 広義には、市の行政機関そのもの、つまり市政府を指す場合もあります。この場合、「city hall」は市長、市議会、および市の各部門や職員を含む、市の運営に関わる全ての機関を指す言葉となります

 

なるほど。では市民会館をCity Hallと言ってはいけませんかと尋ねると、

 

「市民会館」を「city hall」と呼ぶことは、通常の用法としては適切ではありません。

「city hall」は主に市役所や市政府を指す用語であり、市民会館(community center, civic center, or public hall)は市民が集まり、イベントや会議、文化活動などが行われる施設を指します。

「市民会館」を英語で表現する適切な用語は以下の通りです:

  • Community Center(コミュニティセンター):地域の住民が集まり、様々な活動やイベントを行うための施設。
  • Civic Center(シビックセンター):同様に、公共のイベントや会議、文化活動などが行われる施設。
  • Public Hall(パブリックホール):公的な集会やイベントが行われるホール。

 

なるほど、なるほど。なかなか的確な説明。桑名にはパブリックセンターという、昔公民館だった施設があるのですが、意味不明の名称で、これも「コミュニティセンター」と言った方がよさそうです。また柿安シティホールという、昔桑名市民会館だった施設がありますがこの名称も不適切ということです。

もうひとつ尋ねてみました。ナントカ葬儀会館をナントカ・シティホールという名称にするのはどうでしょう?

 

「葬儀会館」を「city hall」という名称にするのは適切ではありません。「city hall」は市役所や市政府の意味合いが強いため、葬儀会館とは全く異なる概念を持っています。

葬儀会館を表現する適切な英語の用語は以下の通りです:

  • Funeral Home(フューネラルホーム):葬儀が行われる施設。
  • Funeral Parlor(フューネラルパーラー):同様に葬儀が行われる場所。
  • Funeral Hall(フューネラルホール):葬儀や告別式が行われるホール。

これらの用語を使用することで、施設の目的を明確に伝えることができます。もし「city hall」の要素を名称に入れたい場合は、例えば「Memorial City Hall」や「Remembrance City Hall」といった名前を検討することもできますが、依然として「city hall」が市役所の意味と混同される可能性が高いです。そのため、一般的には避けることをお勧めします。

 

四日市には四日市シティホールという名の葬儀会館がありますが、これも不適切な名称のようです。柿安シティホールは葬儀会館ではなく市民会館、四日市シティホールは市民会館ではなく葬儀会館です。またパブリックセンターは意味不明。不用意に英語を使うとロクなことがありません。これらの名称を考えた当事者の方、一度ChatGPTに教えを請うてみたら如何でしょうか。

 

 

 


今村泰典講習会2024

2024年06月04日 21時47分19秒 | 音楽系

来る9月24日(火)に次の様な要領で今村泰典講習会を開催致します。

日時:2024年9月24日(火)13時~21時

会場:スタジオ・フィオリーレ(〒453-0054 名古屋市中村区鳥居西通1-51 アンジュパティオ中村公園801号)

募集:受講生7名、聴講生数名程度

受講料等:受講16000円、聴講3000円

対象:リュート、ギター、ヴァイオリン、チェロ、チェンバロ、声楽など(ただし受講曲は18世紀中頃までの曲に限ります)

今回はリュートやギターだけでなく、広くバロック時代の楽器声楽の受講生を募ります。チェンバロはこちらで用意しますが、通奏低音の奏者は同伴してください。

受講ならびに聴講ご希望の方は私までご一報ください。


リハーサル

2024年06月03日 19時59分53秒 | 音楽系

今日は名古屋市の今池にほど近い某所で、コンサートのリハーサルを行いました。コンサートは6月22日(土)会場はヤマザキマザック美術館5階展示室で、「Photograph 記憶の花 藤原更 Sarah Fujiwara」という展覧会にちなんだコンサートです。同展覧会は現在開催中で6月30日に終了します。

コンサートのプログラムはバッハとヘンデルの作品を予定しています。演奏はソプラノ:森川郁子さん、チェロ/ガンバ:高橋弘治さんと私のテオルボです。テオルボはこの間の六華苑コンサートで使った楽器と同じ、モーリス・オッティジェーのフレンチ・テオルボです。この楽器にニ短調調弦の弦を張って通奏低音をします。ニ短調調弦は各調性に対する対応力がとても柔軟で重宝します。高橋さんと私はそれぞれソロも弾く予定です。

コンサートのお申し込みは2日から開始しています。お申し込みは美術館1F受付もしくはお電話(052-937-3737)で。入場料は友の会会員は2000円/一般4500円です。


ごまかさないクラシック音楽(3)

2024年06月02日 16時34分55秒 | 音楽系

フーガとかカノンだけについて述べているのかもしれませんが、フーガやカノンも含めてバッハの音楽の一番の魅力はフレーズやハーモニーが「エモい」ことです。もちろんバッハが作るフーガやカノンはとても構成的で「完全なるシステム」ですし、書法も完璧です。でも彼の音楽の最大の特質はその様な構成的な音楽に使われているフレーズやハーモニーが「エモい」ことです。

マタイ受難曲のアリアのなんという甘美さ。宗教曲、しかも受難曲でこの甘美さはいったいどういうことなのか!高校生1年の時初めてバッハのマタイを聴いたときの思いでした。バッハが作り出したフレーズやハーモニーは時に甘美に、時に深遠にあるいはあり得ないような斬新さで響きます。これはフーガでもカノンでも同じです。

演奏家はこのことをきちんと受け止めて表現するわけで、けっして「機械論的な音楽の極致だ。人間なんていなくても勝手に作動する音楽」ではありません。勝手に作動してくれれば誰も演奏に苦労しません。岡田氏は根本的な誤解をしていると思います。

とはいうものの古典派、近現代に関して言えば本書はとてもインフォーマティブで興味深い内容でした。ただ本書の帯に「最強の入門書」とうたっていますが本書は入門書ではありません。あまり音楽がよく分かっていない方が本書を読んで耳年増になってしまうことが危惧されます。長い期間クラシック音楽をしっかり聞き込んだ方、演奏家の方には是非お薦めしたい本です。
 
「ごまかさないクラシック音楽」岡田暁生、片山杜秀著、新潮選書2023


ごまかさないクラシック音楽(2)

2024年06月01日 11時58分41秒 | 音楽系

例えば武満の若い頃の作品「2つのレント」を音楽以前だと評論した評論家Y氏。一説にはY氏はピアノもろくすっぽ弾けなかったそうです。私が若い頃、偉そうに古楽を論じていた中京地区のX氏、偉そうに音楽論をぶつX氏に若い演奏家はみんなヘコヘコしていました。文筆対文筆で「勝負」するのならまだしも、音楽を創造している人たちに対しては彼らこそヘコヘコすべきです。

彼らが楽譜から音楽を「聴き取り」それで評論するのならまだしも、評論の元は録音やライブである以上クリエイター側に依存しているわけです。バッハ以前の音楽に対して評論の鋭さが見られないのは録音点数、ライブ件数がぐっと少なく、音楽自体を楽譜などの資料から「聞き取れ」ないからでしょう。

バッハに関しても思い違いをしているような記述がありました。

P.313 岡田氏『バッハの音楽は感情表現ではなく、フーガとかカノンとか、「完全なるシステム」だからなぁ。機械論的な音楽の極致だ。人間なんていなくても勝手に作動する音楽のイメージ』