(ThePAGE より引用。)
政策にA案、B案、C案があるとします。これを国民投票にかけると、とりあえず結果が確定します。
しかしながら、国民の考えはさまざまで、「A案がもっともよいがB案も捨てがたい」とか「A案はダメだが、C案がB案よりはマシだろう」などと考える人もいるでしょう。このような個人の「好み」が投票結果に反映されることを期待して、次の3案で投票するように工夫したとします。
(1)A>B>C
(2)B>C>A
(3)C>A>B
この(1)から(3)で投票を行うと、じゃんけんのグーチョキパーのように三すくみの状態になって、なにも決まらなくなってしまうことがあります。これが18世紀に発見された「コンドルセのパラドックス」です。
(私の理解が正確ではないかもしれませんが)民主主義を徹底的に推し進めると、どうしても独裁者が必要になるという逆理を数理的に証明したのが、アメリカの経済学者アローです。この結論は当時の学者たちに衝撃を与えたそうです。(アローの不可能性定理。)
アローは1972年にノーベル経済学賞を受賞しました。
以上のことを私は放送大学で知りました。テレビでひな壇芸人が騒いでいる時間に、こんなに面白い番組を放送しているのですよ。私の手はどうしても放送大学にチャンネンルを移してしまいます。
※今日、気にとまった短歌
いかにもの雨の音だが君たちの別れのための演出じゃない (仙台市)工藤吉生