院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

ドラマ「半沢直樹」

2013-09-21 05:41:18 | 芸能

楽天インフォシークより。) 

 ドラマ「半沢直樹」があまりに人気があるので私も一回見た。確かに面白かった。その回には金融庁の銀行監査の係官が来て、銀行側が戦々恐々とする場面があった。

 監査官の親玉は、いかにも憎たらしく描かれていた(上の写真)。銀行側の落ち度を重箱の隅をつつくように執拗に探すのだ。多くの視聴者はこれをドラマだから絵空事だと思ったのではないか?でも私は有りそうなことだと思った。

 大きな病院には厚労省の医療監査というのが入る。この監査官がきわめて意地悪なのだ。わざと経過が複雑なカルテを選んで、ちょっとした計算上のミスを捉えて主治医を犯罪者のように追及する。

 医療監査官には収益を没収する権限がある。没収は病院の死活問題になる。だから、院長以下、医者全員が監査官に平身低頭して、極力失礼がないようにする。それでも私が勤務していた病院は2000万円まきあげられた。

 監査官はじつは医者なのだ。医者になる人はたいてい、患者の役に立とうとして医者をこころざす。ところが監査官になった医者は、なにがしたくて医者になったのか疑問に思うような人だった。患者のために一生懸命な医者を罪人扱いして、ドラマほどではないが声を荒げることもあった。

 医療監査官の態度があまりに医者の人格を無視したようなので、病院の側から「あの傲慢さをなんとかしろ」という声が最近ようやく上がってきた。

(この監査とは別に、保健所による医療監視というのがあるので混同しないでほしい。保健所の監視は和気あいあいとしたものである。)

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