院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

私の音楽遍歴(2)

2011-09-02 06:52:34 | Weblog
 以前に「私の音楽遍歴(1)」を書いてから、だいぶ間が開いてしまった。今日は(2)をお届けする。

 中学校に入ってから、私は無性に楽器を覚えたくなった。小学校のとき何の楽器もできなかったから、その「反動形成」だろう。

 家にはピアノを初め楽器というものがなかったから、学校の音楽室にあるピアノを練習し始めた。ピアノピースという一曲だけ載った楽譜があって、一部50円だった。まず「エリーゼのために」を買って練習した。

 音楽室に鍵がかかっているときには、天窓から忍び込んで練習した。比較的短期間に弾けるようになったので、面白くなってきた。T君も練習していた。彼も初体験でそこそこ弾けるようになった。

 次は「乙女の祈り」。楽譜上は難しいが、やってみるとやさしかった。なぜ、この2曲を選んだかというと、小学校5、6年生のころ、ピアノを習っていた女子たちが弾いてからだ。小学生が弾けるのだから、弾けるだろうと思った。

 さらに私は欲深になり、ベートーベンのソナタ「悲愴」に挑んだ。もうピアノピースではなくて、一冊の楽譜として買った。少ない小遣いではかなり痛かった。「悲愴」のプロ演奏は以下。
http://www.youtube.com/watch?v=Ms4wtCcslO0

 だがベートーベンのソナタは、簡単ではなかった。「悲愴」の初めの方だけ弾けるようになったけれど、そこから先が何ともならない。やはり基礎ができていないからだと、その時は思った。

 「エリーゼのために」と「乙女の祈り」はB難度。ベートーベンの「悲愴」はC難度だった。ベートーベンのソナタ「熱情」はD難度(最高難度)で、ショパンのエチュードもD難度である。
(ちなみにショパンの「子犬のワルツ」はB難度で、これは弾けた。)

 あとで分かったことだが、音大ピアノ科出身者でさえD難度を軽々と弾ける人は少ない(体育大出身者が必ずしもD難度の技ができるとは限らないのと同じである)。基礎も何もない中学生がD難度を弾けるわけがない。C難度をかじっただけでも立派と言わなくてはならない。

 そのころ、小学校6年生の妹が病気で死んだ。まさか死ぬなんて思わなかった。私はひどく落ち込んで、家族みんなで毎日泣いていた。

 父親は私の落ち込みぶりを見て励まそうと思ったのか、私が前からほしがっていたクラリネットを買ってくれた。それ以来、私はクラリネット三昧の日々を送るようになる。

(3)へ続く

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