(石塚真一の漫画「ブルージャイアント」(小学館)より。)
漫画「ブルージャイアント」ではバークレー音楽院出身の師匠が「俺よりおまえのほうが上だ。おまえの音は人を”圧倒”できんだよ」とつぶやくシーンがあります。上の場面は見開き全体を使って主人公の「音」を表現しています。むろん漫画ですから音は出ません。
映画などの映像媒体では、解説を入れずに映像だけに語らせることがよくあります。ですが、「おまえのほうが上」の「音」を音なしで表現することができるでしょうか?漫画は(小説でもそうですが)音がない分、想像させることができます。
映画好きの人には洋画の吹き替えを嫌う人がいます。吹き替えの声が元の俳優の声と違うので、苦になるのだそうです。音があるとかえって邪魔になることがあるのですね。
そう考えると、「ブルージャイアント」はアニメ化しにくいでしょう。アニメ化されるのが漫画家の栄誉だそうですから、「ブルージャイアント」は損をしているかもしれません。
※今日、気にとまった短歌
ドトールの二階席にて目覚めたるひとは床より帽子を拾う 松村正直『午後3時を過ぎて』
毎朝、先生のエッセイを読むのを楽しみにしております
話題の幅がたいへん広く刺激的です
多才なスーパー・ドクターですね(^-^)
今日のはそうではありませんが、
最近、長文のものが増えましたね
先生の短い文章で綴られた、夏彦風味の意表を突く断言も楽しみにしておりますのでよろしく!
平成乙未二六年正月
ご指摘のように、最近の拙文は長くなってきました。これは望むところではないのですが、たぶんネタが切れてきたのだと思います。なにせ400字詰原稿用紙でとっくに3,000枚を超えましたので・・。
夏彦翁は「かいつまんで言え」、「3行で言え」、「1分で言え」とやかましかった人です。
2・26事件に関する書物を集めると何万ページにも及びますが、なぜクーデターが起こり高橋是清が殺害されたかは、夏彦翁によれば次の一言ですむそうです。
「高橋が陸軍の予算を削ったから」