映画:「ザ・マジックアワー」
微妙にネタばれ注意報。
途中で何度席をたとうと思ったことでしょうか。
終始どきどきしっぱなしで次の役者の表情がこわくて、
おとなの笑いを導くためのプロセスが、
どうにも恥ずかしくてたまらなかった。
出来のよいショートショートのページを繰るように、
ユーモア小説のテンポを最大限につかっている映画です。
セリフのはずし方がコメディーのセオリーに則っていて、
掛け合いはほんとうに「掛け合い!!」と呼びたくなるほど
丁寧に計算された上で作られています。
たとえば、序盤のシーンで
佐藤浩市が、ホンモノのマフィアを映画の撮影と間違え、
部屋に入るたびに机に座って「オレはデラ・富樫だ…」といい
ペーパーナイフをれろっと舐めてそのたびに西田敏幸が
「……おいしいの?」
「そんなに気に入ったのなら、持って行きなさい」
と、三回とも同じ表情で、声色だけ変えて返す。
繰り返しを演じる時、佐藤浩市だけはしっかりと同じ演技を繰り返し、
他の役者も一見同様なのですが、二回目三回目ともなると声が
わずかに動揺していると、変化は微妙ですがセリフと合っている
ので差異は際立ちます。
無理に笑わせようと怒鳴ったり、わざと変なことをしでかすなど、
映画の中でのみ成立するファンタジーで現実と差異をつけることが
全くないので、人間関係の中で緊張はしますがその笑いは
品が良くて、軽快です。
ただ笑う頻度は結構多かったりします。周囲にご注意あれ。
微妙にネタばれ注意報。
途中で何度席をたとうと思ったことでしょうか。
終始どきどきしっぱなしで次の役者の表情がこわくて、
おとなの笑いを導くためのプロセスが、
どうにも恥ずかしくてたまらなかった。
出来のよいショートショートのページを繰るように、
ユーモア小説のテンポを最大限につかっている映画です。
セリフのはずし方がコメディーのセオリーに則っていて、
掛け合いはほんとうに「掛け合い!!」と呼びたくなるほど
丁寧に計算された上で作られています。
たとえば、序盤のシーンで
佐藤浩市が、ホンモノのマフィアを映画の撮影と間違え、
部屋に入るたびに机に座って「オレはデラ・富樫だ…」といい
ペーパーナイフをれろっと舐めてそのたびに西田敏幸が
「……おいしいの?」
「そんなに気に入ったのなら、持って行きなさい」
と、三回とも同じ表情で、声色だけ変えて返す。
繰り返しを演じる時、佐藤浩市だけはしっかりと同じ演技を繰り返し、
他の役者も一見同様なのですが、二回目三回目ともなると声が
わずかに動揺していると、変化は微妙ですがセリフと合っている
ので差異は際立ちます。
無理に笑わせようと怒鳴ったり、わざと変なことをしでかすなど、
映画の中でのみ成立するファンタジーで現実と差異をつけることが
全くないので、人間関係の中で緊張はしますがその笑いは
品が良くて、軽快です。
ただ笑う頻度は結構多かったりします。周囲にご注意あれ。