えぬ日和

日々雑記。第二、第四土曜更新を守っているつもり。コラムを書き散らしています。

観たはいいものの

2008年08月15日 | 映画
映画「スカイ・クロラ

押井守監督最新作で、菊池凛子が声優を務める映画、くらいしか
事前に知らずに見に行きました。
どうも、友人の話を伺っていると、知らなければいけないことが多そうで、
難しそうだなと思いつつスクリーンに向かって二時間。

短くもあり、長くもあり、といったところでしょうか。

「若者に生きる意味を伝えたい」というテーマにそぐったのか、
考えていた以上にたんたんとした映画でした。
「キルドレ」と呼ばれる成長しない子供達が、代理戦争の中で何を
感じどういう選択をするのか?…そういう疑問符は無しで、ただただ
散文のように映像が流れてゆきます。

登場人物はアニメらしい描線の省略がされていて、全体的に線も絵も、
やわらかいタッチに抑えられています。
ただし、眼球は「ぐりっ」とメリハリが利いていて、そこが
ちょっと不気味でした。あんまりにも皆表情が少なくて、目の動きを
追うしか人の感情を読み取れないようにしてあるのかな、と思いました。

だから、メッセージを読み取る、という作業に抵抗がない人は、
眼球運動をはじめ、各所にちりばめられる細かい演出を観ることで
監督の姿勢とか、そういうものを読むのでしょうが、
私は眼が悪いのか、いまいちそういうものがわかりません。
「これは考えなければいけない映画だ」
と頭を準備しておかなければ、一過性のものになりかねない薄さが
とてもこわい。よくわからなくなるから。

ただ、テーマの「生きる意味」に関しては、言われていることは
うっすらつかめたものの、ちょっとぴんとこなかった。
原作を読んでも、たぶんわからないだろうから読みません。

後でその言葉を前にして考えると、
眼を充血させながら「楽譜を書くんだ」と言い世界堂で
シャープペンシルを選んでいた先輩の姿をふっと思い出しました。
コメント
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