映画「ダークナイト」
クリストファー・ノーラン監督による「バットマン」シリーズ
最新作だそうです。
前作(バットマン・ビギンズ)を見ていない私にとってはこれが
初「バットマン」なのでした。
ですが、そもそもこの映画が「バットマン」のシリーズ物だと
知ったのは、映画を観る二日前くらいでしょうか。雑誌の解説
を読んでそこに「バットマン云々」と書いてあったからやっと、
シリーズ物だと理解した始末でした。
「ダークナイト」のタイトルの隣に、映画の紹介として切り取られた
写真が、顔を白塗りにした蓬髪の男、演技の評価、急逝、
アカデミー賞と騒がれているヒース・レジャーの立ち姿一枚に、
漆黒の衣装でマントをひらめかせるヒーローを連想させるものが
どこにもなかったからです。
彼の最後の役「ジョーカー」は、バットマンのライバルで
狂った犯罪者、という役どころです。
「ジョーカー」はとても「自然なクレイジー」さんです。
たとえば、局所に織り交ぜられる、唇を尖らせて手をふるわせて
『ブルブルブルブル~~』と挑発する道化た仕草と、人質をとられ焦る
バットマンを言葉で手玉に取る論理的な冷静さといった、対極の二面が
きれいに合わさって、どこにも矛盾がない。
この両面性は、極端に演ろうとすればするほど演技としてはきっと
目だって、しかもそれらしく出来るのだろうと思いますが、
ヒース・レジャーの上手いのは、映画の中で一人だけ目立とうとせず、
ストーリーの石組みの一つということをはずさずに、
個性的なキャラクターを演じている点だと思います。
全ての悪行の糸を引くというキャラクター上、最終的には
彼一人が印象に残ってしまうけれども、映画を楽しんでいる時点では、
それを感じさせず、バットマンやその他の脇役達とうまく折り合いをつけて
一つの物語を完成させているので、より「ジョーカー」という狂気を
観客に身近なものとして感じさせることに成功していると思います。
ジョーカーの話ばっかりしてしまいましたが、
ストーリーも、ディティールの細かさをすっ飛ばしてうまく
まとまっているので、話の流れに対しては、
観ていて「納得がいかーん!!」ということはないでしょう。
この残暑にはちょうどいい温度の映画だと思います。暗さが(おい)
クリストファー・ノーラン監督による「バットマン」シリーズ
最新作だそうです。
前作(バットマン・ビギンズ)を見ていない私にとってはこれが
初「バットマン」なのでした。
ですが、そもそもこの映画が「バットマン」のシリーズ物だと
知ったのは、映画を観る二日前くらいでしょうか。雑誌の解説
を読んでそこに「バットマン云々」と書いてあったからやっと、
シリーズ物だと理解した始末でした。
「ダークナイト」のタイトルの隣に、映画の紹介として切り取られた
写真が、顔を白塗りにした蓬髪の男、演技の評価、急逝、
アカデミー賞と騒がれているヒース・レジャーの立ち姿一枚に、
漆黒の衣装でマントをひらめかせるヒーローを連想させるものが
どこにもなかったからです。
彼の最後の役「ジョーカー」は、バットマンのライバルで
狂った犯罪者、という役どころです。
「ジョーカー」はとても「自然なクレイジー」さんです。
たとえば、局所に織り交ぜられる、唇を尖らせて手をふるわせて
『ブルブルブルブル~~』と挑発する道化た仕草と、人質をとられ焦る
バットマンを言葉で手玉に取る論理的な冷静さといった、対極の二面が
きれいに合わさって、どこにも矛盾がない。
この両面性は、極端に演ろうとすればするほど演技としてはきっと
目だって、しかもそれらしく出来るのだろうと思いますが、
ヒース・レジャーの上手いのは、映画の中で一人だけ目立とうとせず、
ストーリーの石組みの一つということをはずさずに、
個性的なキャラクターを演じている点だと思います。
全ての悪行の糸を引くというキャラクター上、最終的には
彼一人が印象に残ってしまうけれども、映画を楽しんでいる時点では、
それを感じさせず、バットマンやその他の脇役達とうまく折り合いをつけて
一つの物語を完成させているので、より「ジョーカー」という狂気を
観客に身近なものとして感じさせることに成功していると思います。
ジョーカーの話ばっかりしてしまいましたが、
ストーリーも、ディティールの細かさをすっ飛ばしてうまく
まとまっているので、話の流れに対しては、
観ていて「納得がいかーん!!」ということはないでしょう。
この残暑にはちょうどいい温度の映画だと思います。暗さが(おい)