えぬ日和

日々雑記。第二、第四土曜更新を守っているつもり。コラムを書き散らしています。

貧乏ったらしい王様

2008年10月05日 | 雑記
キャンセル待ちに外れたチケットには「0席」、と手書き、
すわ「ゼロ席」かと思いきや、
「N席」の後ろに並べられたパイプ椅子の「おー」席でした。
劇場でパイプ椅子。
背伸びしながら二時間不審者していました。

なにをしていたのかといいますと、
「瀕死の王様」(ウジェーヌ=イヨネスコ作 佐藤信演出・美術)
を観にいっていました。
池袋あうるすぽっとにて、最終日の今日千秋楽。
柄本明主演で送る、とある王国の王様の死に際を見届ける二時間です。

天井からぶら下がった時計の真下に玉座。
時間を刻む時計が王様の命のタイムリミット、という演出も、
途中セピアになるライトの感じもとても好きだったのですが、
マイク無しのセリフがどうしても聞き取りづらくてちょっと閉口。
口の中で音をコロコロ転がしているような台詞回しで、こもってしまって
後ろまで届かない。
すべてのセリフをはっきりでかい声で言うわけにはいかないのですが、
もーちょっと滑舌はなんとかしていただきたかった。
早口でもちゃんとセリフが聞こえたのは王妃マルグリット役の佐藤オリエ
くらいで、柄本明は役柄上(ボケ老人=国王)くぐもってしまうのもしかたない
かもしれませんが他はほんとに聞き取りづらかったです。

イヨネスコという人のシナリオははじめてなのですが、とても含蓄たっぷりで、
ちょっとしたセリフも頭を使って吸収しないとその意図が読みきれない部分が
あるのかなぁ、と思ったのでさらにセリフの聞こえなさがちょっと残念でした。
コメント
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