お化け屋敷に入ったとき、耐えられなければ叫ぶと怖さが緩和されるらしい。だから今は叫ぶかわりにあちこちへ連絡を取って騒いでいる。健康診断の二次検査にまた引っかかり、昨年はどうも貧血だったものが今回はもっと重篤な場所に以上が見つかり、精密検査の予約手続きを行った。その時はまだ気分も落ち着いていたが、予約手続きのための前準備が必要となりその「待ち」の時間に入った途端不安は押し寄せる。インターネットで情報を見る。治療費を見る。保険会社の電話受付が終了しているので明日電話を入れることを予定表に入れる。「待ち」の不安を埋めるためにさらに不安を増やしている。一人きりでこれを全て抱え込むにはたしかに限界があるのだろうとこれを書きながら思っている。これからしばらくは毎晩眠るのが怖くなるだろう。どちらかといえば眠ったまま死ぬのは今のところどうでもいいが、生きるほうが怖い。病とともに生きると言うことは美談でもなんでもなく、支えなく生きなければならない身には塗炭の苦しみだ。会社は病人を許さない。治療の痛みよりも貧困に追い詰められて死ぬ時に安らぎを覚えるような生のほうが恐ろしい。二十一世紀は貧困の世紀ではないだろうか。こうして不安を綴る間も膨れ上がるばかりで縮むことはなく、体の一部の切除を覚悟を決めて来週になればまた会社だ。そういう生き方を選んだ。
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