曜日の感覚が久しぶりになくなっていた。目が覚めたら日曜で、自分への言い訳にもならない朝だった。けれども眠ってもいられないので目覚ましに合わせて起きる。年末だからと人の多い日曜だった。クリスマスを前にして贈り物探しに足を速めるデパートの6階では、脈絡もなく登場したサンタクロースがハンドベルを鳴らしながら「メリークリスマス!」と人々に呼びかけ歩いていた。
土曜日に何をしていたかはあまり思い出したくない。せいぜいが数十時間前のことなのだけれども、2時間程度歩いただけで痺れる足と合わない布団にやられた形の寝不足からくるどろりとした疲れ、下腹から突き上げるような鈍い腹痛はお手洗いに行けども止まず、とぼとぼと冬になりかけたぬるま湯の空気の道路を歩いていた。目的はあったものの、その目的地に辿り着くにはまだ時間に余裕がありすぎた。
丘に登って山をくるむ霧を眺めた。横手の道からジャージ姿の中年の夫婦連れが登ってくる。「前を向いて歩きましょう、そうしないと仕方ないもの」とピンク色のジャージの妻が黒と青のジャージの夫に声をかけて足を進めさせていた。おはようございますと挨拶をすると、戸惑った様子でおはようございます、と二人は返事して私の歩いた道を下って行った。視線を感じて振り向くと、夫の方が私をちらりと振り返って見ていた。
携帯電話にはメールが一件届いていた。勤め先の友人からだった。今は子育て中でとても遠出はできない彼女はのんきな独り者からのメールにも、たぶん笑顔が見えそうな文字の並びだった。少しだけその朝の心がほころんだ。
ほころんだ心もすぐに12月の冷たさに落ち込んで、夕方になるころには数年前に椅子から落ちて痛めた左足の膝が老人のように歩くことを嫌がっていた。バスの窓へ顔を持たせかけるのも鬱陶しくなった自分の姿勢は良かったのだと思う。その足で電車に駆けこみ、ようやくまともな睡眠を得たのも束の間、乗り換えに乗り換えて家に辿り着いた頃にはとっくに普段の帰宅時間を過ぎてそろそろ寝ようかともいう時間だった。荷物と共に疲れがほどけるようで、ぼんやりと着替えぼんやりと夜を過ごして眠った。
そしてこれを書いているのは月曜の24日。ただ疲れただけとも言い切れない背骨の疼痛が収まらないまま、座り込みながらNHKの2002年に作られた「ボヘミアン・ラプソディ」の特番を聴いている。
土曜日に何をしていたかはあまり思い出したくない。せいぜいが数十時間前のことなのだけれども、2時間程度歩いただけで痺れる足と合わない布団にやられた形の寝不足からくるどろりとした疲れ、下腹から突き上げるような鈍い腹痛はお手洗いに行けども止まず、とぼとぼと冬になりかけたぬるま湯の空気の道路を歩いていた。目的はあったものの、その目的地に辿り着くにはまだ時間に余裕がありすぎた。
丘に登って山をくるむ霧を眺めた。横手の道からジャージ姿の中年の夫婦連れが登ってくる。「前を向いて歩きましょう、そうしないと仕方ないもの」とピンク色のジャージの妻が黒と青のジャージの夫に声をかけて足を進めさせていた。おはようございますと挨拶をすると、戸惑った様子でおはようございます、と二人は返事して私の歩いた道を下って行った。視線を感じて振り向くと、夫の方が私をちらりと振り返って見ていた。
携帯電話にはメールが一件届いていた。勤め先の友人からだった。今は子育て中でとても遠出はできない彼女はのんきな独り者からのメールにも、たぶん笑顔が見えそうな文字の並びだった。少しだけその朝の心がほころんだ。
ほころんだ心もすぐに12月の冷たさに落ち込んで、夕方になるころには数年前に椅子から落ちて痛めた左足の膝が老人のように歩くことを嫌がっていた。バスの窓へ顔を持たせかけるのも鬱陶しくなった自分の姿勢は良かったのだと思う。その足で電車に駆けこみ、ようやくまともな睡眠を得たのも束の間、乗り換えに乗り換えて家に辿り着いた頃にはとっくに普段の帰宅時間を過ぎてそろそろ寝ようかともいう時間だった。荷物と共に疲れがほどけるようで、ぼんやりと着替えぼんやりと夜を過ごして眠った。
そしてこれを書いているのは月曜の24日。ただ疲れただけとも言い切れない背骨の疼痛が収まらないまま、座り込みながらNHKの2002年に作られた「ボヘミアン・ラプソディ」の特番を聴いている。
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