えぬ日和

日々雑記。第二、第四土曜更新を守っているつもり。コラムを書き散らしています。

柴田宵曲とウェイリー

2010年02月07日 | 読書
ちょっと書くことに惑う一週間でした。
でも、このふたりがそれぞれ、書いた人々を読めて幸せでした。

:「正岡子規」 柴田宵曲 岩波文庫
 一見、年賦のようです。できごとは簡潔です。
 ただできごとで繋がっているような、さっぱりした
 読み口です。
 でもちょっと考えてください。できごと同士を
 簡潔に流れるように、大切なことを一つも逃さず
 その人のつくったものを組み込みながら書いてゆく一連。
 うっかりと立体的にしてしまいがちな正岡子規と人々の
 関係は「それがあった」程度に抑えたストイックさは
 おみごと、のひと言なのです。


:「白楽天」 アーサー・ウェイリー みすず書房
 彼の詩の芯がどこにあるのかを教えてくれます。
 ウェイリーの見た白楽天像は冷静で、ともすると心に重点を置き
 すぎる日本の人の解釈だとあやふやになりがちな白楽天の像に、
 しっかりと人からも歴史からも詩からもピントの合う読み方が
 為されています。
 ここから、漢詩がやっと読めるようになったので、
 先延ばしにしてきた武部利男の訳を読みます。


読む書く喋る。ことばは難しいです。
コメント
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