暑い土曜日、午後から昼寝をしたため、珍しく夜更しをしている。
今日は、文春文庫で平岩弓枝著『御宿かわせみ(9)一両二分の女』を読んだ。彷徨老人を扱った「むかし昔の」、孫娘のために菊作りの老人が鍬を振り上げた「黄菊白菊」、「猫屋敷の怪」では、大店の娘の失踪と死因を探る。家付娘に婿養子に入った恐妻家の主人が、妻の死去で昔捨てたわが子を探しはじめる「藍染川」では、兄嫁の妹七重が重要なヒントを与える。裏表の甚だしい「美人の女中」がかわせみに波紋をもたらす話も、金貸しをやめようとする健気な「白藤検校の娘」でも、東吾をめぐる色模様と、るいのやきもちの種が続く。「川越から来た女」では、将軍家御典医の天野宗伯の子息・宗太郎に、医者の心について相談に行ったことが役だった。最後の「一両二分の女」は、物語の始まりはずいぶん色っぽいが、安囲いをエサに殺しを続ける母娘の姿は陰惨なものだ。
今日は、文春文庫で平岩弓枝著『御宿かわせみ(9)一両二分の女』を読んだ。彷徨老人を扱った「むかし昔の」、孫娘のために菊作りの老人が鍬を振り上げた「黄菊白菊」、「猫屋敷の怪」では、大店の娘の失踪と死因を探る。家付娘に婿養子に入った恐妻家の主人が、妻の死去で昔捨てたわが子を探しはじめる「藍染川」では、兄嫁の妹七重が重要なヒントを与える。裏表の甚だしい「美人の女中」がかわせみに波紋をもたらす話も、金貸しをやめようとする健気な「白藤検校の娘」でも、東吾をめぐる色模様と、るいのやきもちの種が続く。「川越から来た女」では、将軍家御典医の天野宗伯の子息・宗太郎に、医者の心について相談に行ったことが役だった。最後の「一両二分の女」は、物語の始まりはずいぶん色っぽいが、安囲いをエサに殺しを続ける母娘の姿は陰惨なものだ。