電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

平岩弓枝『御宿かわせみ(9)一両二分の女』を読む

2005年08月06日 23時08分06秒 | -平岩弓技
暑い土曜日、午後から昼寝をしたため、珍しく夜更しをしている。
今日は、文春文庫で平岩弓枝著『御宿かわせみ(9)一両二分の女』を読んだ。彷徨老人を扱った「むかし昔の」、孫娘のために菊作りの老人が鍬を振り上げた「黄菊白菊」、「猫屋敷の怪」では、大店の娘の失踪と死因を探る。家付娘に婿養子に入った恐妻家の主人が、妻の死去で昔捨てたわが子を探しはじめる「藍染川」では、兄嫁の妹七重が重要なヒントを与える。裏表の甚だしい「美人の女中」がかわせみに波紋をもたらす話も、金貸しをやめようとする健気な「白藤検校の娘」でも、東吾をめぐる色模様と、るいのやきもちの種が続く。「川越から来た女」では、将軍家御典医の天野宗伯の子息・宗太郎に、医者の心について相談に行ったことが役だった。最後の「一両二分の女」は、物語の始まりはずいぶん色っぽいが、安囲いをエサに殺しを続ける母娘の姿は陰惨なものだ。
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絶好調時に危機はひそみ、真夏の中に秋は芽生える

2005年08月06日 14時25分05秒 | Weblog
絶好調の時、実はスランプの芽が芽生えていることが多い。調子がいいために、結果となってあらわれていないだけだ。周囲の賞讃に、当人は危機の存在を忘れる。ラティフンディアがローマを蝕むように、当座の利益が将来も続くと思ってしまう。だが、コスモスは短日植物だ。八月の風に揺れるコスモスの花は、確実に日が短くなっていることを示している。真夏の陽射しの中に、秋はすでに胚胎している。東北の真夏は、せいぜいお盆までだろう。
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