ヴェルディの歌劇「ドン・カルロ」の最後だ。
王子ドン・カルロが捕らえられた牢獄に、ポーサ侯ロドリーゴがやってくる。エリザベッタを思い失意を嘆くカルロに、ロドリーゴは自分の命が終わり、カルロが釈放されると告げる。ロドリーゴはフランドルの解放を策した手紙類を王に知らせることで自ら銃弾の犠牲となり、王子に希望を託して絶命する。王子を求める民衆の反乱も、王と大審問官の権威の前にしりすぼみとなり、王は腹心だったロドリーゴを悼む。
エボリ公女の機転でカルロは牢獄を出て、修道院の前で愛するエリザベッタと会うが、彼女は民衆のために生きる勇者を心から愛すると励まし、いずれ天上で会いましょうと約す。王と大審問官が現れ、カルロを処刑しようとするが、墓の扉が開き、人々の恐怖の中で、先帝の亡霊がカルロを回廊の影の中に連れ去る。
いや~、何度見ても面白い。ヴェルディの緊迫感あふれる音楽が、この多元的な心理ドラマを彩る。私が好きな場面は、国王と大審問官という二人のバスが火花を散らす王宮の私室のシーン。国王はあと一歩のところまで来ているのに教会の権威を蹴っ飛ばせない。ここは歴史劇であるとともに心理劇でもある。
王子ドン・カルロが捕らえられた牢獄に、ポーサ侯ロドリーゴがやってくる。エリザベッタを思い失意を嘆くカルロに、ロドリーゴは自分の命が終わり、カルロが釈放されると告げる。ロドリーゴはフランドルの解放を策した手紙類を王に知らせることで自ら銃弾の犠牲となり、王子に希望を託して絶命する。王子を求める民衆の反乱も、王と大審問官の権威の前にしりすぼみとなり、王は腹心だったロドリーゴを悼む。
エボリ公女の機転でカルロは牢獄を出て、修道院の前で愛するエリザベッタと会うが、彼女は民衆のために生きる勇者を心から愛すると励まし、いずれ天上で会いましょうと約す。王と大審問官が現れ、カルロを処刑しようとするが、墓の扉が開き、人々の恐怖の中で、先帝の亡霊がカルロを回廊の影の中に連れ去る。
いや~、何度見ても面白い。ヴェルディの緊迫感あふれる音楽が、この多元的な心理ドラマを彩る。私が好きな場面は、国王と大審問官という二人のバスが火花を散らす王宮の私室のシーン。国王はあと一歩のところまで来ているのに教会の権威を蹴っ飛ばせない。ここは歴史劇であるとともに心理劇でもある。