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いつかはあの頂に

還暦過ぎて少し焦っている老クライマーです。いつかは昔のようにアルパインクライミングへの復帰ができたらいいねえ。

木里ー濾沽湖の旅(1/27)

2012-02-06 | 旅行 四川
1月27日

四川省の濾沽湖鎮から雲南省の洛水までは公共バスは無いようで、小客車か白タクしかないらしい。

ホテルをチェックアウトのとき服務員さんに聞いてみると洛水までは車で350元とか。

ええっ!350元! それって観光込の価格でしょ?

湖の回りの観光地を案内されての価格なんでしょうけど特別寄りたい所もないし、私としては写真ぐらいが撮れればいいのですが。


ホテルの外の街道まで出ると、小客車は見当たらない。(時間帯がわるいんだろうか?)

白タクの運ちゃんが寄って来たので、わざと興味なさそうに値段を聞いてみると南回りで100元、北回りで150元とか。(南回りは湖から離れているので景勝地は通過しません) 

足元見やがって。足が痛くなければ湖の周遊街道の25キロぐらい歩くんだがなあ。


しかたない。北回りで行くことにしました。

格姆女神山(3754m)が正面に見えます。

湖に遊びに来ている観光客の大半は車で来ているようです。小客車はほとんど見かけないし、バスが無いんだから、一人で来ている旅行者には不便なところです。

情人灘(日本語でいうと恋人浜かな)

しかしレンタル自転車もあるようで、時折自転車乗りを見かけます。でもレンタルだと元の場所に返さなければならないので、それも不便ですね。昆山にあるような乗り捨てできるレンタルサイクルがあればいいのに。

地元では神が宿ると言われる格姆女神山。途中までロープウェイで登れます。

濾沽湖が有名になったのはそこに住む原住民・モソ族の独特な婚姻習慣と関係があります。

モソ族はナシ族に属し、濾沽湖周辺に住み、総人口は約1万。モソ族は完全な母系社会を保持しており、一家の主は年長の女性で、財産は全て母から娘へと受け継がれます。結婚は妻問い婚で、男性が女性のもとに通います。男性が結婚しても女性と一緒に住んで生活しません。昼間は実家に住み、夜に妻の家に行き、翌朝はまた実家に戻る結婚生活です。

年に数回帰国して日本の妻のところに帰る私のような中国で単身赴任している人も、ある意味通い婚かもしれません。財産だって妻に押さえられているんですから。


運転手にときどき止まってもらって写真を撮りながら洛水まで移動しました。



洛水の長距離バス亭には10時に到着。

思ったより小さなバスターミナルです。


そこで聞くと、今日、明日ともバスは無いそうです。(車庫にバスが一台も止まってないもの)

まずい!29日には麗江から上海行きの飛行機をどうしても乗らなければなりません。

しかし、2時半に寧狼(草冠に狼)までならあるそうで、それでよければ2時に来いと言われました。

寧狼ってどこだっけ? 地図で調べると麗江の途中の町です。

本当は今日は洛水に泊まってゆっくり観光でもして、28日に麗江に行くつもりでしたが、とりあえず移動を優先しました。

バス亭の叔父さんに2時に戻ってくると伝えて、洛水の街でもぶらつくことにしました。


雲南の洛水は濾沽湖鎮よりはにぎやかで、通常「濾沽湖」というとこちらを指すのでしょう。

といっても1時間で街の端から端まで歩ける大きさですが。

湖畔近くには観光客相手の土産物屋や客桟が並んでいます。

モソ人の女性が観光客を馬に乗せて村を案内しています。


湖畔の土産物屋が並ぶ通り。

湖畔のコーヒーショップで久々のコーヒーを楽しみました。

こうしてボーってしている時間が好きです。

2時にバス亭に戻ると私以外に6名ほどの乗客がいました。彼らも寧狼に行くんだろうか?

しかし、どうやらここからはバスは出ないらしいです。

2時半になると2台の乗用車に分乗して、ここから5分ほどの三家村まで移動しました。


そこの三叉路で街道を通るバスに乗るようです。(空席あるんだろうか?)

3時過ぎに一台のバスがやって来ました。

ラッキーなことに寧狼行きではなく麗江行きのバスです。しかも半分ぐらいしか席は埋まっていませんでした。

さらにさらに麗江までの正規料金より安い77元です。

もし乗客6名に対し、空席5名分だったら、絶対気の弱い私は乗れなかったでしょう。

まあ濾沽湖でゆっくりはできませんでしたが、飛行機の予定を優先して、本日は麗江まで行くことを良しとします。(途中でバスをひらうというのは本当に不確実なので、明日はひろえるかどうかわかりません)


数年前までは濾沽湖と麗江の間はバスで10時間ぐらいかかったそうですが、現在は峠道が整備されて、実際6時間で麗江に到着しました。(途中麗江手前が工事途中のすごいラフロードでしたが)

麗江にはいくつかのバスターミナルがありますが、到着したバスターミナルは知らないターミナルでした。

本当は古城内の客桟(民宿)で泊まっても良かったのですが、すでに9時だし夕食もまだ取っていないので、バスターミナル近くのホテルに決めました。

一番安いシングルの部屋はたいてい最上階にあるのだが、ここもやはり4階の屋上に作り付けてあるペントハウスでした。


夕食は近くの食堂で済ませました。

チャーハンと回鍋肉(ホイコーロー)を頼んだのですが、頼み方が悪かった?のか「一緒に」って言っただけなのに。

出てきたのはチャーハンと回鍋肉が一緒になった「ホイコーロー炒飯」でした。

どうやら創作料理を作らせてしまったようだ。

変なものを頼む奴と思われたかなあ。

しかし、結構いけるのである。 ぜひメニューに加えてくれたまえ。 しかも8元だった。(激安)


















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木里ー濾沽湖の旅(1/26)

2012-02-05 | 旅行 四川
1月26日

西昌発9時の濾沽湖鎮行に乗るも、一本前の8時40分発が出発が遅れていたため、間違えてそれに乗り込んでしまった。

出発間際の車掌の検札で「あんた間違ってるぞ、これは40分発だ」と怒られてあわてて降りる。

どうせ空いてんじゃねえか、と思うもしかたなく正規の9時発に再度乗り込みました。(だいたいアナウンスも改札がないからいかんのだよ。)


バスは塩源を経由して濾沽湖鎮に行くので、塩源の町を通過するのはすでに3回目となってしまう。

これも仕方ないことだが、木里からあのまま歩いていれば、本日はまだ濾沽湖鎮にたぶん到着していないだろう。


昼過ぎに塩源を通過するが、その先の道がひどかった。

しばらくラフロードをバスは走りますが、まったく舌を噛みそうな揺れ方です。

まあ春節が終わればまた道路工事も再開されるのでしょうけど。


濾沽湖は木里と違って観光地ですから、木里行の道とは違い一般の車両も結構走って行きます。

そして狭い山道で無理な追い越しをするから事故るんですよ。

案の定途中でSUVとセダンが派手な衝突をして、1時間半ほど停滞となりました。

停滞風景です。

中国の田舎道は必ずって言っていいほどいつも事故渋滞に見舞われます。もう慣れましたけど。


牧歌的な風景が続きます。

濾沽湖鎮に入る手前にゲートがあります。


濾沽湖鎮には環境保全のための入場料がすべての人に掛かります。

バスの乗客もいったんゲート前で降車してチケットを買います。80RMBです。

これは四川側だけでなく雲南からこの濾沽湖に来ても入場料はかかります。(山越えでもない限り)


濾沽湖鎮に到着したのは5時半でした。

ターミナルもなにもなく広場の横にバスは到着しました。


とりあえずは今日も宿探しですが、広場横にコテージのような雰囲気の良い旅館があったのでそこにします。


おばさんに「一人一晩単間ありますか?」と聞くと3階の狭い通路の一番奥の部屋に案内されました。

部屋にはベッドだけの鍵も掛けれない完全単間でした。(日本のパスポート見せてるのに、やはり金なさそうに見えるんだろうか?)

一晩80元だから文句言いません。


明日は洛水でもう少しいいとこ泊まろう。



濾沽湖そのものは四川と雲南の省境にありますが、濾沽湖鎮は四川省に位置します。

濾沽湖鎮からほぼ対岸にあたる雲南省の洛水のほうが観光化されており、街も湖のすぐそばにあるためボートの発着所もあります。

明日は洛水へ移動です。麗江行きのバスターミナルがあるのも洛水ですから。

今日も荷を軽くするためバックパックに残った最後の食料を夕食にします。外に小さなレストランが数軒ありましたが、おいしそうなお店が一軒もなかったですから。
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木里ー濾沽湖の旅(1/25)

2012-02-04 | 旅行 四川
1月25日

8時10分発の西昌行きのバスなので7時30分にはホテルを出発したい。

昨夜ホテルのフロントにモーニングコールを念のため頼みに行ったら、服務員の小姐が4名他にお客がいないからかロビーでCDを掛けてダンスをしていました。

私がモーニングコールを7時に頼むと4人が声をそろえてOK~!って言ってたのに、案の定コールはありませんでした。

こりゃあ寝てるなあ。

7時半にフロントに行くとだーれもいません。

フロント横の服務員室のノックしながら「起きろ―!」と叫ぶと、中から髪の毛クシャクシャにしながら眠そうに服務員がやっと起きだしてきました。


精算を終えてバスターミナルに向かいます。

ホテルから10分の距離です。


3日間バスが運休だったせいか、ターミナルにはお客さんが結構いました。

満席です。

よかった。下麦地郷でバスを拾うつもりなら乗れないところでした。

本日は西昌までのバスで寝て行くだけです。


来たときに見た深い峡谷を右手に見ながらバスは3200mの峠へ向かって登って行きます。

この峠を過ぎれば穏やかな草原と松林の下りが塩源まで続きます。

塩源の町はずれでバスが途中トイレ休憩した売店で大好物のリンゴチップを発見。

このあたりはリンゴの産地のようです。

山とはな~んも関係ないけど、なんで上海周辺ではリンゴチップ売ってないのか? マジ好きなんですが。


西昌には3時半に到着

明日もバスで濾沾湖鎮まで一日移動するので、朝ゆっくりできるバスターミナル近くの安旅館に入りました。


本当は20日の夜宿泊した市内のホテルが158元の割に3星クラスですごく良かったのですが、電話で予約をしようと尋ねると本日は春節価格とかで450元と言われ泣く泣くあきらめました。(って、ほんとうに貧乏旅行がしみついてきたなあ)

バスターミナル近くに民族公園があります。

虎のモニュメントがすごい迫力です。


21日から夕食はフリーズドライだったので、今日はなにかうまい物でもって思ってましたが、結局はケンタッキーで済ませてしまいましたけど。
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木里ー濾沽湖の旅(1/24)

2012-02-03 | 旅行 四川
1月24日

朝の山並み

本日はまだバスの運行はありません。

明日、木里から西昌行きがあるだけです。

木里を出発してこの下麦地を通過するバスを途中で乗せてもらうか、あるいはいったん木里まで戻ってチケット買うかのどちらかです。

途中乗車はもし座席が無ければ乗れないリスクがあります。

ここは確実に木里まで戻ってチケット買うことにしました。

と言っても歩けないわけではないけど、足が痛くてできればヒッチで行きたいです。


街道手前のトレイル

二時間ぐらい街道を通過する車に木里と書いた紙を見せてましたが、皆無視されました。

実はほんとうのところヒッチハイク成功したのは一回しかありません。(誰だって若い綺麗な娘ならともかく、汚いオッサン乗せるの嫌だよね)


やっと一台の空車らしき小客車が来たので、しっかり止めて木里まで乗せてもらいました。



この運ちゃんもそうですが、このあたりを大きなバックパック担いで歩いていると、地元の人からよく「何してるの?どこいくの?」って聞かれます。

そこで「山歩き」とか説明するとその理由まで言わないと理解されないので、最近は「自然の写真を撮るのが趣味」というのが一番簡単で納得してくれます。

一応写真は取るけどスナップ写真のレベルだし、それが目的でも無いのですが、怪しまれずに済みます。

決してマッタケ泥棒や密猟者じゃないですよ。(ましてや日本政府から雇われたスパイで人民解放軍の情報集めてるわけでは決してありません)


日本の場合はたまに里山勝手に入っているとマッタケ泥棒に間違われてザックの中身調べられたことありましたけど。(俺が泥棒に見えるかよお!)


木里に到着すると町外れで多くの人が集まって山のほうへと移動していきます。

昨年も麗江の束河村古城の横にある山に地元の人達が墓参りに登ってましたが、春節時期に先祖供養するのが風習なんでしょうね。


まずはバス亭で明日の西昌行きの切符を買います。(明日の朝でもいいのですが、売り切れすると困りますから)

ターミナルにいた係のおばさんが今日はまだ休みなんだよって言いながらも私のために開けてくれてチケット売ってくれました。

西昌までの中間地点である塩源行きがあれば、塩源から濾沽湖鎮が近いのですが、あいにく明日はまだ運休です。

遠回りになりますが、いったん西昌までもどり、明後日、西昌から濾沽湖鎮に移動することにします。


そして21日泊まった一興賓館にふたたび泊まりました。

公安の兄ちゃん戻って来てごめん。

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木里ー濾沽湖の旅(1/23)

2012-02-02 | 旅行 四川
1月23日
ビバークサイト(と言っても河原でツエルト張って寝てただけですが)は谷筋なんでなかなか明るくなりません。

8時に目が覚めました。おお寝過ぎです。

ツエルト内の結露が凍って、バラバラ落ちて濡れるしうっとおしい。いっそのこともっと寒いと濡れないんだけど。

冬場はもっと通気性のあるツエルトがほしいですね。

朝食のラーメンを食べながら朝日の当たる山肌をみていると、春節の初日の出を拝むのを忘れていました。(日本での新正の初日の出は天気が悪く見れませんでしたから)もっとも谷筋ですから太陽も高くなっていますけど。


河原を出発して大湾子に向かいます。

理塘河の河原

河原から今は利用者も少ない旧道を上がり、いったん後所郷へ続く新道へ出ます。

の犬がずっと吠えながら私に付いてきます。

犬もBPが珍しいのでしょうか。(食っちまうぞ!)


ところで昨夜はこんな山中でも遅くまで遠くで花火の音が鳴ってました。これに限っては民族は関係ないようですね。中国全土の風習みたいなもんですから。

このあたりの村は大湾子でも数軒の集落です。木里地区の人口密度が10人を割っているをの実感させられます。


大湾子の集落手前でおばさんが「どこ行くの?」と話しかけてきました。

まあこのあたりをでかいバックパック背負って歩いている人はめずらいいのでしょう。

本日の行先を伝えるのですが、どうもわからないらしいです。(笑)

ところで水を買いたいのですが、と伝えるとそこの小屋で売ってると教えてくれました。

売店とも何の看板も書かれていない小さな小屋ですが、おじさんがやって来てペットボトルの水を分けてくれました。


さらに進んで三又河に出ます。

河というより谷でした。

それはショボイ谷でした。想像ではこの三又河沿いに道があり(勝手に思っていただけですが)中野溝へ続くと思っていたのですが。



だいたい地図なしに百度の衛星写真を地図替わりに来てるので、もともと道があるかどうかはわからなかったのですが、想定外です。


おまけに濁り水なので補給もできませんでした。


ということは沢筋ではなく尾根道ということになるわけですが、ここまで来る途中に確か山に登っていく林道がありました。

林道に入るため来た道を戻ります。


林道を上がっていくと畑跡のような場所に出ました。いまでは畑としては使われていないようで放牧地のようでもあります。

このあたりの山には多くのヤギが放し飼いされているため、乾燥して草木が少ないのに加えてさらに草木が食べられてしまうようです。

温暖化も合わせてますます乾燥していくと30年後ぐらいにはほんと禿山になるんじゃないかと心配になります。


この道は結局行き止まりでした。

山をよく見るとトレールらしき道筋があるのですが、高圧電線鉄塔の保全路だったりして、その先が続いていない所もあります。

一端下ってまた林道を探します。

この先の後所郷まで行ってから中野溝に行くこともできますが、そこまでは時間も足りないし今日中には中野溝まで行けそうもありません。

体力的には問題ありませんが、足が痛くて今日は歩行速度が落ちています。


一日20キロは歩かないと計画では26日に濾沽湖鎮には到着しません。(これも予想なんですが)

路の不案内、水場の少なさ、足の痛さで残念ですが今回は無理っぽいです。


トレッキング2日目にして勇気ある敗退です(笑)なさけな。

昨日の木里の町の様子からして途中の盖租郷での食料調達もこの時期は難しそうだし。

なんか敗退の理由はいっぱい出てくるなあ。(会社で製品売れない理由を会議でいくらでも出せるのと同じです!)


となると昨日ビバークした河原まで戻っても良かったのですが、河原は風が強くて砂ほこりがツエルト内に入るので、どこか適当な林の中で本日のビバークサイトを探します。

結局足を引きずるようにして納地の村へ戻りました。


途中また本日の夕食用の水を確保するため閉めていた街道沿いの商店にお願いして水を分けてもらいました。

商店で迎えてくれた子供さん

納地を過ぎて1時間ほど木里よりに戻ったところの松林の中を本日のネグラとしました。

昨日のツエルトは結露が凍って、うっとおしいので、本日はそれほど寒くもないしツエルト無のシュラフだけでのごろ寝とします。

落ち葉の上にマットを敷いて、シュラフだけで寝るほうが濡れなくて快適です。



夜のとばりが下りてくると見える星が少しずつ増えてきます。

さらに真っ暗になると満天の星空が最高のビバークサイトを提供してくれました。

シュラフから出した顔だけが少し寒いですが。



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