10年くらい前に、大田区の職員だったかたから、中途の民間から来た職員が、区民の相談をなんとかかなえようとして困ると聞きました。
法令に従い、公平に、平等に、という感覚がないということを言っておられたのです。良いように聞こえますが、なんでも聞く行政は、全体の奉仕者、主権者は国民である、という原理原則を失い、不公平を招くことになります。
もし、経験者枠で、公務員として働いている方がいらしたら、一緒に考えていただきたいと思います。
同じことを、すべての区民に、かなえてあげることができるでしょうか。
政治主導で、この国は、グローバル資本の利益のための構造にかわってきています。
しくみができても、社会が変わるのは、その5年10年20年先です。
知らないでいると、これまでの常識が通用しなくなり、思惑通りの未来を生きることができなくなるでしょう。
明日に希望を持ていない人が増えているのは、理屈ではなく、そのあたりを敏感に感じ取っているからかもしれません。政治を鵜呑みにしてはいけないし、おかしいと感じたら、嫌だとか、好きじゃないとか、自分には合わないとか、言うといいと思います。
みんな違って、みんな良い、は政治の場面にこそ、発揮されてほしいです。 . . . 本文を読む
議会が終わったら、日本の農業の現場を見ようと思って、農村部に行きました。2泊3日の短い旅程でしたが、根っこは同じなのが見えてきて、やっぱりと思う反面、東京の方が良くするチャンスは大きいかもしれないと思いました。 . . . 本文を読む
1992年12月から1997年7月まで香港に住んでいました。ちょうど、中国への返還間際のイギリス領だった香港です。仕事をしていたわけではありませんから、生活をしている中での実感ですが、当時の香港と似ていると感じることがあります。 . . . 本文を読む
日本の政治システムは、昭和の頃とはすでに違っているのに、多くの政策や政治への論評が、昭和を前提に語られているのが、不思議です。何か、お約束事でもあるかのように、肝心の部分は素通りされていきます。2000年に地方分権一括法というたった1本の法律で、475の法律を変えました。2001年の省庁再編のために、1999年に省庁改革法で17本、施行関連法で61本の法律が、一括審議で可決されています。
この時に、おおもとの統治システムは変えられてしまったのです。そのシステムを動かすための関係法令が「規制緩和」で改正され、システムを動かす「プレイヤーを入れ替え」てきたのが、「民営化」であり、地方分権だと思います。最後の仕上げは、民主主義のシステムの無力化。議会の形骸化でしょう。だから、私は、主権者や議会を乗り越え、意思決定に深く関与する公民連携や包括連携協定は問題だと思っています。単なる、事業者のノウハウを活用するのではありません。合意形成や意思決定に深く関与していることで、主権者と主権者に付託された議会の力を無力化し、全体の奉仕者を事業者と一体化させることにつながるからです。
良くするには、悪くした仕組みを戻せばいいのです。少しずつ。
かつて、日本の既得権が、小さな既得権の塊だという表現をしていた規制緩和推進派の方がいました。
小さな既得権を壊されたなら、その小さな既得権をまた、積み上げて行こうではありませんか。
少なくとも、私たちは、小さな既得権を壊されつつあり、大きな秩序と安定した暮らしを失ったということに気付くべきだと思います。 . . . 本文を読む
投稿を依頼され、小泉構造改革以降の財政についての問題提起をさせていただきました。民営化、規制緩和については、それなりに評価が出ているものの、地方分権は、その理念が「よさそう」に見えるため、課題分析が不十分なように思います。地方自治体(基礎自治体)特に、東京23区財政からみた地方分権について、簡単にまとめてみました。出来上がりましたら、ご紹介しますので、機会があれば、ご覧ください。今日は概要だけ。 . . . 本文を読む
大田区に税金が余っているというのはこの間かなりお話ししているので、知っている方も多いと思います。実は、大田区だけでなく、日本全国地方自治体(公共団体)の税金は22兆円も基金に貯まっています。小泉構造改革で国と地方の財政のしくみが変わり、地方に税金が集まるようにしたのです。地方分権といいます。覚えていますか?国に使わせるより、住民に身近な自治体が使った方が、住民の声が届くみたいなイメージでしたね。ところが、そうやって地方に税金が増えたころから、基金が地方自治体に積みあがっていきます。 . . . 本文を読む
私の財政への関心は、歳出から歳入へと広がっています。誰のために使っているか(歳出)、から、誰が負担しているか(歳入)、に広がってきているということです。そこで見えてきたのが、地方税の払い過ぎです。大田区には、基金が1200億円も積まれていることからもわかりますが、実際、増税などの負担が非常に重くなっているからです。これは、20年前に比べると、飛躍的に増えています。なぜ、こんなことになったかというと、地方分権で、地方で使える財源を増やすと言って、住民税を増税したり特別区交付金割合を大きくしてきたからです。貯まっているということは、払い過ぎてきたということです。 . . . 本文を読む
初当選した2003年から今日まで、私が議会で取り上げてきたことをふり返りますとその多くが、新自由主義的政策の問題だったことが見えてきます。
2003年ごろと言えば、ちょうど、小泉構造改革による新自由主義的政策が動き始めた時だったのです。
国では、小泉構造改革の新自由的政策が格差と分断を生んだという問題意識から、新しい資本主義実現会議が開催されて、今年6月には「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」が出来上がっています。
ところが、小泉構想改革の新自由主義的政策が格差と分断を生んだという問題意識は私も同じなのですが、「グランドデザイン及び実行計画」からは、格差を是正する方策が見えてきません。何が格差をまねいたか、実際自治体がどう税金を使ったか、その分析ができていないからだと思います。
政策のどこに問題があったのか、解明できず対症療法になれば、問題はさらに悪化します。
小泉構造改革と言えば、
国から地方への地方分権で三位一体の改革
官から民への民営化、
そして規制緩和が大きな3本柱だと思います。
これらで、何が起きたかと言えば、地方分権の三位一体の改革で、地方自治体大田区が使える財源が大幅に増え
官から民への民営化と規制緩和で税金を使うルールが変わりました。
税の大切な機能の一つは、社会保障で格差を是正することですが、増税や増収で地方に厚くなった財源が社会保障に使われなかったことが、格差拡大の要因のひとつになっていると思います。
しかも、いま、税金の使い途の決め方まで変えようとする新たな段階にきています。
そこで、小泉構造改革が大田区に及ぼした影響についてあらためて考えたいと思います . . . 本文を読む
大田区で起きた小泉構造改革とその影響について、議会で取り上げました。
大田区は、区民の生活状況も把握していなければ、自ら、改善しようと言う答弁もありませんでした。地方分権っていったい何だったのでしょう。 . . . 本文を読む
法律や制度が変わった、その日から、
社会が一変するわけではありません。
5年10年かけて、構造がかわり、お金の流れが変わり、暮らしが変わります。
そうした意味で、
今の格差や重い税や社会保険料負担は、
2000年前後から行われている構造改革・小泉構造改革の影響が大きいと思います。
構造改革では、地方分権、民営化、規制緩和が行われました。
その前で言えば、省庁再編、これは、官僚システムの民営化ということもできますね。 . . . 本文を読む
岸田さんは、「小泉構造改革で格差が拡大した」と小泉構造改革を批判して総裁選に勝ち、内閣総理大臣になりました。総裁選と言っても内輪の選挙ではなく、直後の衆議院選を意識してのことだと思います。国民に対して「小泉構造改革を批判し、小泉改革以降の新自由主義的な政策を転換する」と訴えれば、国民からの支持が得られると考えていたからだと思います。精緻な調査のうえ、優秀な広報担当もいるであろう自民党が新自由主義を否定したのですから、新自由主義に疑問を持っているのは私だけではなかったということです。ところが、その後、新自由主義が終焉するかと思ったら、新しい資本主義というわかりにくいことを言い始めました。新しい言葉は定義が無いので気を付けなければいけませんが、まずは、新自由主義で大田区では何が起きたかを中心にお話ししたいと思います。 . . . 本文を読む
企業は、過去最高益なのに、給与があがりません。上位2割の方たちは給与が下がっています。8割の方たちも、あがっているように見えますが、2020年はコロナで収入が減ったから、一部元に戻っで、給与が増えたように見えるのです。
21年の給与総額、3年ぶり増 コロナ前の水準戻らず(共同通信) - Yahoo!ニュース
コロナ前の水準に戻っていないので、物価上昇分を現金給付でカバーすること . . . 本文を読む
構造改革の反省から始まった新しい資本主義ですが、大田区で何が起きたか、検証するため議会質問しました。地方分権で、実質増税になり、区民の中間所得層から上の給与所得者は手取りが減りました。増税で、特に税収が増えた大田区(東京23区)では、社会保障のためのはずでしたが、優先順位の低い箱モノや開発や土地購入で、安心を得られた状況になっていません。それどころか、税金を余らせ、国債を買うようになっています。それだけ、私たちの税負担が大きくなったということです。税収が増えた都市部の自治体では、同様のことが起きているかもしれません。 . . . 本文を読む