(大阪都構想が言われるようになったころ)から
都区制度の課題意識が薄れてきています。
都と区の特別な財政のしくみにより、
・都が徴税し、区のために使っているのか、
・区のために使えるのか、
と言う問題です。
都区財政調整制度は、一極集中で得られる経済利益に課税した区の財源を「大都市事務」という理屈で、都が使えるようになっています。
都が区から吸い上げる財源は、下記の令和3年度の算定で総額1兆7335億円(赤🔴部分)。
そのうち、区に交付されるのは、わずか55.1%9787億円(青🔵部分)にすぎません。
赤斜線部分=7948億円は東京都がとってしまうのです。
加えて都市計画税2554億円も東京都が徴税し、23区には200億円しか戻りません。
合わせて1兆円を超える財源が、「区のために使うよ」という名目で都から区に吸い上げられているのです。
過度な資本主義経済の進展は、家庭生活と労働とを両立させることが難しくなるので、それを区市町村が住民福祉=保育・介護・障害・保健医療・教育などで支えていますが、区の財源が都に取られれば、区の住民福祉財源が減ってしまいます。
過去には、東京都が区部の福祉を財政的に支えていた時期があり、東京都の福祉は良いと言われてきましたが、石原都知事の時代に、そうした都の上乗せ制度が次々となくなりました。
東京都が開発に財源が使えるのは、労働分配が低いなかで働く都民に、還元すべき住民福祉財源を、切り詰めているから、です。
そのころから、
これが、臨海部の開発、築地移転、オリンピック、といった土木建設などの大規模都市開発に莫大な財源が投入されるようになっています。
次は、中央防波堤開発?羽田空港富裕層向け第5滑走路?まさかカジノ?