「大人のための社会科教室」第39回
犬たちは、どうして殺されなければならなかったのか
〜戦時下の日本犬~
太平洋戦争末期、軍用犬以外の犬は全て供出され、撲殺の運命をたどりました。理由の一つは「役に立たない」こと。
人間も犬も、役に立つか立たないかで選別された過去から、我々が学ぶことは多い。
講師
川西玲子さん
戦時下の日本犬 著者
11月20日(水)10時〜12時
蓮沼の「きまぐれ八百屋 だんだん」
大田区東矢口1-17-9 池上線蓮沼駅から徒歩1分
連絡先 03-3736ー4006
参加費:500円(お茶・場所代など)
戦時下の日本犬
https://www.sotensha.co/blank-2
川西玲子 著者紹介
著述家。1980年、中央大学大学院法学研究科修士課程修了。元東京学芸大学非常勤講師。執筆テーマは「生活目線の近現代史」。主要著書『歴史を知ればもっと面白い韓国映画』(ランダムハウス講談社、2006年)、『映画が語る昭和史』(ランダムハウス講談社、2008年)、『戦前外地の高校野球 台湾・朝鮮・満洲に花開いた球児たちの夢』(彩流社、2014年)
内容
明治維新後の洋犬流入によって、日本列島で暮らしてきた犬は絶滅の危機に瀕した。それを救うために保存活動が広がり、洋犬に対する日本犬という名称が誕生したのである。しかし、その困難な活動は戦争に向かう時代と重なる運命にあり、国家総動員体制下で、飼い犬まで集めて撲殺するという供出運動に発展していった。そこに追い打ちをかけて「シェパードに負けない軍用犬にしよう」という軍用日本犬論も台頭してきたのである。
本書は、犬に降りかかった過酷な運命と、日本犬を守り抜こうとした人々の苦悩を関係者の証言をもとに書き下ろしたものである。
目次
序 章 犬を供出せよ
第一章 時代と併走して日本犬保存活動始まる
第二章 日本犬、第一回軍用犬耐久試験で大奮闘
第三章 日中全面戦争開始 軍用日本犬論の台
第四章 帝国議会に登場した犬猫不要論
第五章 犬と飼い主に対して強まる圧力
第六章 日本犬保存会、無念の活動停止
第七章 犬を守ろうとした人々の苦闘
終 章 日本犬、焼け跡から復活