大田区議会議員 奈須りえ  フェアな民主主義を大田区から!

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見込み違いによる国民健康保険料収入がアベノミクス公共工事に使われる可能性について

2014年03月13日 | ├医療

補正予算をみていたら、取りすぎてしまった大田区国民健康保険料が、めぐりめぐって、公共施設整備基金にまわっている可能性がある構図が見えてきた。

今日は、国民健康保険料だと思って支払っていたら、いつの間に、アベノミクス公共工事に使われることになってしまう可能性について。

これが、たまたま、今年の、大田区の国民健康保険に起きたことであり、全国の多くの自治体に起きていないことを祈りつつ。

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大田区は、保険料徴収の(嬉しい)見込み違いにより、増収6億7千万円を計上したが、その分、一般会計から補てんしなくてよくなったので、他と合わせ一般会計に、8億6千万円戻した。
 (P9参照 ファイルダウンロード 新規ウインドウで開きます。第5号議案から第8号議案(PDF:790KB) )
平成24年の数字だが、1世帯当たりで、大田区の国民健康保険加入世帯、119,267(平成24年)で1世帯当たり5,000円以上にもなっていて驚く。

ところが、一般会計では、財政基金という何にでも使える貯金を32億4818万円取り崩して、公共施設整備基金に40億円積み立てている。


残念ながら、大田区議会の第5議案補正予算に、積立基金の状況が掲載されていないので、以下、アップしておく。





この操作は、初めてみた。

①期の途中で、使用目的が無いにも関わらず、財政基金を32億円も取り崩していること。
②財政基金を取り崩す一方、公共施設整備基金を気の途中で、予算が余っているわけでもなく、40億円も積み立てていること。
③これを同時に行い、結果、財政基金から施設整備基金に振り替えが行われたとみられること。

こんな不思議な操作をしているのだが、これに関し、なぜしているのか説明は一切なく、議員からも質問は起きなかった。

言ってみれば、将来の子どもの学費や医療費、老後の年金の足しにと積み立ててきた貯金を取り崩し、住宅資金に振り替えた感じだ。

しかも、差額7億5千万円と、国民健康保険料見込み違い額6億7千万円や繰り戻し8億6千万円は、割と見合う数字で、確かに、+-はあるものの、総額1,821万円減額補正予算において、取り崩し額32億に対し、40億も積み立てられるのは、国民健康保険料の徴収見込み増が有ったからだ。

区民から、国民健康保険料として納付した保険料が、巡り巡って、公共施設整備基金に積み立てられているという構図が見えてくるわけだが、これを読まれたみなさんは、どのように感じられるだろうか。

私は、この、大田区が見誤り、当初予算より徴収額が増えた国民健康保険料は、少なくとも、次年度以降の国民健康保険医療に使われてほしいと思うのだが、どうだろうか。



実は、ファイルダウンロード 新規ウインドウで開きます。第31号議案で、大田区は、次年度平成26年度の国民健康保険を値上げしている。
第30号議案から第32号議案(PDF:333KB)

値上げ後の保険料は、想定以上に徴収された今回の補正予算を反映させた徴収率や徴収額を反映させているのだろうか。
なぜ、このようになってしまうのかといった、このあたりの問題については、また、後日述べたい。


大田区は、もともと国民健康保険会計は税による補てんが大きいのだから、余ったら一般会計に戻して当然と言った説明だったが、保険料算定の責任をどうとらえているのだろうか。徴収目的以外の名目に使っていいのだろうか。
税による補てんは、国民の責任ではなく、国民皆保険制度と言いながら、就いている仕事別、あるいは所得別医療保険になってしまっている医療保険制度にこそ問題があるのではないだろうか。
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ちょっと蛇足

【背景についての補足説明】


◆就いている仕事別になっている医療保険制度


医療保険には大きく分けると5つの種類がある。就いている仕事により分かれる、国民健康保険、協会けんぽ、健康保険組合、共済組合と75歳以上の高齢者全員が加入する後期高齢者医療制度。

加入者数でみるとわかるように、人数、加入世帯数ともに一番多いのが、
自営業者や年金生活者、非正規雇用者などが加入する国民健康保険(市町村国保)で、加入者数3,520万人。
次いで中小企業のサラリーマンが加入する協会けんぽ3,500万人。
大企業のサラリーマンの加入する建国保険組合3,000万人。
公務員の共済組合900万人
後期高齢者医療制度は1,473万人。



(厚生労働省HPより)


◆仕事別医療保険制度は、平均収入にも大きな差

加入者数は、国民健康保険が一番多いが、加入者一人当たり平均所得は、後期高齢者制度に次いで少ない。

◆収入が少ないほど高い保険料負担率

加入者一人当たり、平均保険料は、収入に比例ししているものの、一人あたりの収入に占める保険負担率で比較すると、国民健康保険料が後期高齢者医療をぬいて一番高くなっている。

対して、一人当たり医療費は、データの年度が異なるものの、協会けんぽ、組合健保、共済組合が、14万円~15万円台であるのに対し、国民健康保険は、それらの2倍程度の約30万円にもなっている。





(厚生労働省のHPより)



ファイルダウンロード 新規ウインドウで開きます。第5号議案から第8号議案(PDF:790KB)

http://nasu.seikatsusha.me/files/2014/03/2601kuchogian_05-08.pdf


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