補正予算に計上されている仲六郷保育園改築工事に伴う解体設計・実施設計委託等に含まれるプレハブリースにかかわる費用1億9,645万3千円について奈須りえはこんな問題があると考えていて、反対しました。
西野区長の時には極力既存の施設を使い、安易に使っていなかったプレハブリースですが、松原区長になり、施設改修改築に関わるプレハブリース使用が散見されるようになりました。
建て替えで保育できなくなったり、体育館を使えず教育に支障がでるのは問題ですが、公共施設白書をみれば明らかなように、老朽化した公共施設の更新は大田区政における大きな課題の一つで、できる限りのコスト削減に努めるべきです。
しかも、嶺町小学校の仮設体育館は、校庭の真ん中に建ててしまったために日当たりが悪くなり、教育環境の悪化を招いたと聞いています。
安易なプレハブリース使用にはコストだけでなく様々な問題があるということです。
リース契約は、物件を販売する企業から購入した物件を一定利率・一定期間借りる契約です。
リースの利率は、同じ耐用年数とリース期間でも、調べてみるとたとえば月約0.2%くらい違います。0.2%でも、元の金額が大きいため月額にすると今回の契約で39万円もの差になります。審議には、リースすべきか、という議論に加え、リースするなら、たとえば、どこの会社のプレハブを、一体どれくらいの利率で、どのくらいの期間借りることが適当かを判断しなければなりません。
ところが、今回の補正予算でも、債務負担行為にプレハブリースと書かれているだけで、リース契約の是非を判断するに必要な情報はほとんど提供されていません。
議案質疑や委員会審議を通じ、プレハブリースを使用するようになった明確な理由も、プレハブリースを使うことが本当に区民にとっての最善の方法かを確認するために必要な資料も、示されることはありませんでした。
しかも、リース契約は他の工事契約と異なり、「大田区議会の議決に付すべき契約、財産又は公の施設に関する条例」の議決事項に入っていないため、議会のチェックが十分にはたらきません。
条例が作られた昭和39年には、リースというしくみがなかったかもしれませんが、これだけ使われるようになっているのですからリース契約も議決事項とするよう条例改正すべきです。
プレハブリースを議決事項に加えることや、使用の際の基準を設けることに消極的な答弁は、議会に対する説明責任を果たす姿勢を大きく欠いているといわざるを得ず、反対いたしました。