いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

クラシックとフィギュアの心。 spiritual classic music & figure skate

2011-05-01 19:26:25 | 日記
 (1)日本のクラシック音楽界のレベルの高さが評価されている。国際コンクールでの優勝が相次いで、今回は若手音楽家対象のイタリア国際音楽コンクールで神戸出身の12才女性バイオリニストが満点で優勝した。
 本場ヨーロッパの伝統的音楽環境と違って、日本のクラシック音楽は、どんどん海外での由緒ある国際コンクールに挑戦して、実績を残して評価を高めることが求めれられる。指揮者の小澤征爾さんを筆頭に、そうして実績を評価されて本場のクラシック音楽界に招かれて世界のステージで日本人のすばらしい感性を表現している。

 本場ヨーロッパの伝統的クラシック音楽環境の中での秀逸な音楽家を志す人は、その師弟経歴、能力だけで高い評価を得ることも可能だが、日本のクラシック音楽家を目指す人は海外での国際コンクールへの挑戦、評価が条件だ。
 そうして、近年の日本クラシック音楽家の国際コンクールでの評価には目を見張るものがあり、この日本ブランド(brand)は国レベルとして一定の高い国際評価が定着しているのではないのか。韓国や中国のクラシック音楽界もそうして挑戦を繰り返している。

 (2)ロシアで開催の世界フィギュアスケート選手権大会は、女子のフリー演技が行われ前日ショートプログラム2位の安藤美姫さん(23)が安定したフリー演技でキムヨナさん(20)を逆転して優勝した。安藤さんは、自由奔放な演技と性格からかっては好不調の波が大きく本番での安定した演技力に欠けて、ここぞというところでの転倒もしばしばで成績も安定しなかった。

 今シーズンは、一転、演技に抜群の安定感が出てきて、今シーズンの5大会ではフリー演技ですべて1位の4勝(報道)の安定した好成績を残しており、今大会で2回目の世界チャンピオンとなった。
 23才となってアスリートとしては「大人」の領域に入って、いつも「順位よりは内容」(報道)がモットー(motto)を追求してきた、その「考え方」の「一貫性」が「大人」になって精神的な安定感、「自覚」をももたらして、実力を自在にコントロールしてきた結果だ。もはや、アスリートとしては何かの悟りの境地ではないのか。

 (3)浅田真央さん(20)。名古屋でジャンプの申し子伊藤みどりさんの後継者として早くから注目を浴びてトリプルアクセル(3回転半)の完成度の高さで世界選手権2回優勝に、年令制限から解除されて初めて挑んだバンクーバーオリンピックで銀メダル獲得とその実力を発揮してきた。

 ここにきて突然の得意のジャンプの不振に見舞われて、成績を残せないでいる。コーチを変えて、練習のホームグラウンドを名古屋に戻しての試行錯誤が続く。
 不振の「原因」はわからない。なぜなら、「原因」がわかれば、チームとしてプロフェッショナルのこと、解決の方法は必ずあり結果として出てくる。スピード、タイミング、高さ、バランスと技術的な問題なら、解決の方法は必ずあるし見つけるはずだ。

 どうしても残るのは、「心」の問題か。それは競技に対する「考え方」も含めた「志向」、「思考」の問題だ。20才とはいえ、早くから注目を集めてすでに長い競技生活の期待の中で結果を残してきた。「普通」の20才とは違う。
 安藤さんは、23才のアスリートとして「大人」になって心技コントロールした結果を残している。浅田さんには、ここは一度「普通」の20才に立ち返って、「心」の「彩(あや)」をクリアーカット(clear cut)してのリスタートもいいのではないのか。
 今までも結果は残してきたが、まだまだスケーターとしては「これから」がある。

 (4)キムヨナさん(20)。バンクーバーオリンピック金メダリストとして1年以上も公式大会出場なしのハンディの中、今シーズン最後の世界選手権にあわせて出場した「意義」は大きいし、立派だ。
 アスリートにとって、直前のオリンピック金メダリストの「いる」大会でのチャンピオンを目指す「意義」は大きいからだ。
 4分間のフリー演技では精度を欠いたが、その「心意気」は称賛されていい。心の中では、いい意味での自分に対しても、他のアスリートに対しても「どうだ、超えてみろ」という心意気があったのではないのか。
 中途半端な気持ちではないのは、表彰台でのキムヨナさんの「涙」が示していた。

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