「私的な財津和夫論」の第13回、「小田和正」です。
13 小田和正
小田和正さんを見たのは、これまでで二度あります。最初は、03年8月9日の山梨県富士急ハイランド・コニファーフォレスト(conifer forest)野外会場で開催された「サウンドコニファ229 青春の影」に小田和正さんが出演しました。小田和正、チャゲ&飛鳥のコラボレーションです。
当日は朝から台風が日本を縦断していまして、夕方には山梨県を通過してコンサート会場は雨も上がりさわやかな夏の夜空となりコンサートは予定どおり開催されました。
15000人収容のコニファフォレストの端にメインステージ、そこから花道が伸びて会場中央に円形のセンターステージが組まれて、まずそこに小田和正さん、チャゲ&飛鳥の3人がアコギで登場してそれぞれの持ち歌をコラボレーションしてコンサートは開始です。
途中、3人の歌う「夢中さ君に」、「魔法の黄色い靴」に導かれて今日のゲスト財津和夫さんがセンターステージに登場します。小田さんは、「もうひとり呼ぶなら、財津しかいない。いっぱいしゃべることある。」と財津さんを紹介します。コンサートタイトルにも「青春の影」をつけました。
ここで印象的だったのは、4人のコラボレーションもさることながら会場中央の円形のセンターステージからメインステージの真反対の最奥部の観客席に向かって小田さんが「あそこの席も同じ料金では気の毒」という何気ない発言でした。
小田さんのソロコンサートも含めてホール構造がメインステージとそこから花道の伸びたセンターステージ形式が一般化されて、小田さんの観客全方位に向けたサービス力、エンターテイメント力には感心します。小田さんの「あの発言」もその気持ち、延長線上の想いが詰まっていました。
63才8か月になってやることのひとつひとつが最年長記録を更新するミュージシャン小田和正さん。今年、全国5大ドーム公演を含む観客70万人を見込む10月までの破格のソロコンサートツアーが、震災の影響の1か月以上の遅れで長野からスタートしました。3時間以上のコンサートで大ホールの中を自転車、ランニングで駆け回り、観客席にも降りて歌う63才ミュージシャン小田和正さんのサービス力、エンターテイメント力、プロデュース力には絶大な「集客力」も理解できます。
大学での専攻は建築(architecture)で高度な研究課程にも在籍して、コンサートホール内のステージ設計、構造にもその想いが表現されているのではないのか。
その建築専攻から見た震災崩壊、一時仙台市に在学した経緯から東日本大震災への特別の想いもあるのか、コンサート初日の長野ではコンサート途中に泪したニュースも聞かれる。
歌も歌唱もオーソドックスで革新的、本格化のミュージシャン財津和夫さんとサービス力、エンターテイメント力、発信力のミュージシャン小田和正さん、それぞれの特性(property)が長く引き合います。ともに一時代をリードしたバンドサウンドを率いて、その後もひとりで立ち上げたバンド「チューリップ」へのこだわり、影響力の大きい財津さん、バンド「オフコース」とはその後距離を置いてソリストとしての影響力の大きい小田さんです。
小田さんが財津さんを評価しているとすれば、まず①同世代(63才8か月と63才3か月)であること、②福岡からバンドサウンドを立ち上げて自分の音楽と時代をつくりあげた革新性、③リーダーシップ力、④継続性、⑤映像に深い興味関心と、ほとんどが小田さんがイベント開催の中心にと担(かつ)いだ吉田拓郎さんにも通じる共通性がある。
青春の影、サボテンの花、虹とスニーカーの頃、会いたいに代表される、言葉をいかすメロディラインの高い音楽性が財津サウンドで、言葉にできない、さよなら、ラブストーリーは突然にに代表される、歯切れのいいリズムとテンポで押す強いドラマ性の小田サウンドです。
人生設計を建築から音楽にオフ・コースして(建築と音楽は創作プロセスが同じ)、63才8か月年令を重ねるごとに存在感を増していくミュージシャン小田和正さん。
アジアでの活動も含めて歩みを止めない可能性の広さ、高さ、深さの見えるオールラウンドのミュージシャンです。
13 小田和正
小田和正さんを見たのは、これまでで二度あります。最初は、03年8月9日の山梨県富士急ハイランド・コニファーフォレスト(conifer forest)野外会場で開催された「サウンドコニファ229 青春の影」に小田和正さんが出演しました。小田和正、チャゲ&飛鳥のコラボレーションです。
当日は朝から台風が日本を縦断していまして、夕方には山梨県を通過してコンサート会場は雨も上がりさわやかな夏の夜空となりコンサートは予定どおり開催されました。
15000人収容のコニファフォレストの端にメインステージ、そこから花道が伸びて会場中央に円形のセンターステージが組まれて、まずそこに小田和正さん、チャゲ&飛鳥の3人がアコギで登場してそれぞれの持ち歌をコラボレーションしてコンサートは開始です。
途中、3人の歌う「夢中さ君に」、「魔法の黄色い靴」に導かれて今日のゲスト財津和夫さんがセンターステージに登場します。小田さんは、「もうひとり呼ぶなら、財津しかいない。いっぱいしゃべることある。」と財津さんを紹介します。コンサートタイトルにも「青春の影」をつけました。
ここで印象的だったのは、4人のコラボレーションもさることながら会場中央の円形のセンターステージからメインステージの真反対の最奥部の観客席に向かって小田さんが「あそこの席も同じ料金では気の毒」という何気ない発言でした。
小田さんのソロコンサートも含めてホール構造がメインステージとそこから花道の伸びたセンターステージ形式が一般化されて、小田さんの観客全方位に向けたサービス力、エンターテイメント力には感心します。小田さんの「あの発言」もその気持ち、延長線上の想いが詰まっていました。
63才8か月になってやることのひとつひとつが最年長記録を更新するミュージシャン小田和正さん。今年、全国5大ドーム公演を含む観客70万人を見込む10月までの破格のソロコンサートツアーが、震災の影響の1か月以上の遅れで長野からスタートしました。3時間以上のコンサートで大ホールの中を自転車、ランニングで駆け回り、観客席にも降りて歌う63才ミュージシャン小田和正さんのサービス力、エンターテイメント力、プロデュース力には絶大な「集客力」も理解できます。
大学での専攻は建築(architecture)で高度な研究課程にも在籍して、コンサートホール内のステージ設計、構造にもその想いが表現されているのではないのか。
その建築専攻から見た震災崩壊、一時仙台市に在学した経緯から東日本大震災への特別の想いもあるのか、コンサート初日の長野ではコンサート途中に泪したニュースも聞かれる。
歌も歌唱もオーソドックスで革新的、本格化のミュージシャン財津和夫さんとサービス力、エンターテイメント力、発信力のミュージシャン小田和正さん、それぞれの特性(property)が長く引き合います。ともに一時代をリードしたバンドサウンドを率いて、その後もひとりで立ち上げたバンド「チューリップ」へのこだわり、影響力の大きい財津さん、バンド「オフコース」とはその後距離を置いてソリストとしての影響力の大きい小田さんです。
小田さんが財津さんを評価しているとすれば、まず①同世代(63才8か月と63才3か月)であること、②福岡からバンドサウンドを立ち上げて自分の音楽と時代をつくりあげた革新性、③リーダーシップ力、④継続性、⑤映像に深い興味関心と、ほとんどが小田さんがイベント開催の中心にと担(かつ)いだ吉田拓郎さんにも通じる共通性がある。
青春の影、サボテンの花、虹とスニーカーの頃、会いたいに代表される、言葉をいかすメロディラインの高い音楽性が財津サウンドで、言葉にできない、さよなら、ラブストーリーは突然にに代表される、歯切れのいいリズムとテンポで押す強いドラマ性の小田サウンドです。
人生設計を建築から音楽にオフ・コースして(建築と音楽は創作プロセスが同じ)、63才8か月年令を重ねるごとに存在感を増していくミュージシャン小田和正さん。
アジアでの活動も含めて歩みを止めない可能性の広さ、高さ、深さの見えるオールラウンドのミュージシャンです。