(1)罪もない人々が命を奪われる悲劇は、震災もテロも同じだ。自然が相手か人為が相手かは別にしてもともに予測はむづかしく、根絶することは至難のことだ。
日本での東日本大震災、同福島原発事故の災害に見舞われている時に、米国では9.11米国同時多発テロ攻撃の首謀者とされるテロ組織アルカイダ創設者ウサマ・ビンラディン殺害作戦が進められていた。
ホワイトハウス危機管理室(white house situation room)では作戦実行計画が実況中継されていて、私服姿のオバマ大統領が身を乗り出して(多分)大型ディスプレイを凝視し、同じくクリントン国務長官は右手で口元を押さえ、左手は(多分)聖書の上に置かれていた(w.h.映像提供)。
(2)公表されたものは静止の画像であったが、映画、TVドラマのワンシーンを見るような緊迫と迫真の空気が伝わってくる場面描写であった。
作戦は複数の米軍ヘリコプターで急襲し銃撃戦の末、ビンラディンが射殺されて40分で終了したと言われる。
オバマ大統領は深夜にかかわらず声明を発表し、米国国防総省はDNA鑑定の結果ビンラディン本人であることを確認し、遺体はアラビア海に流した(水葬)との声明を出した。
(3)ビンラディンの潜伏先がパキスタン首都近郊(首都から60キロ地点)で軍管轄地区の中のこれみよがしの社会と隔絶した構造の大邸宅であったこと、作戦が40分で終了するなど周辺警備が思った程厳重でないと見られることなど、米国あげての行方を追跡されていたテロ首謀者ビンラディンの潜伏先状況、環境としては不可思議な全体像の上に、混乱、神格化回避の作戦もあったのか遺体公表もないまま一方的に本人確認プロセス手順だけを述べて海に処分したことは、それまでの米国の最高レベルのテロ抑止対策、ビンラディンに対する最大限の壊滅解体目的の意気込みからは大きくかけ離れた「ドラマ」の終息結果だった。イラクのフセイン大統領拘束時とは随分と違う情報開示だ。
(4)近年はイラク、アフガン侵攻後の長期軍事リスク管理の失態に国内外からの強い批判もあり、今や唯一の覇権国家米国もその影響力は減少化しているとは言え、この期の軍事作戦展開で「混乱、神格化」回避も考えにくい。
そのような用意周到な作戦展開には、長期間にわたる最高レベルの「機密」はつきもので、国際関係の緊張緩和からも永らく全容真実が表立つことはないのが常道だ。
また9.11テロ攻撃後、首謀者のビンラディンの健康状態の危機的悪化情報も流されたこともあり、不安定な山岳拠点地帯の潜伏情報とあわせて今回事態とのあまりの整合性のない情報操作もあり、国際社会では意図的な情報の精度の見極めも必要だ。
(5)オバマ大統領は、今回のビンラディン殺害作戦が正義に基づくものでイスラム(教)社会との対立ではないことを強調した。根底には石油資源を巡ってのアメリカキリスト(教)社会と中東、西アジアイスラム(教)社会の確執、宗教(戦争)対立が永く背景にあることは歴史が証明している。
今年に入って、中東、北アフリカ諸国では経済不況の波及による長期独裁政権に対する市民革命が次から次へとぼっ発している。
時代は、経済協調主義を背景にしてテロから市民革命へとレジスタンス(resistance)の基軸を移行しつつある。
罪もない人々の命を奪われる悲劇は続くが、テロの悲劇の「ドラマ」化終息に世界が「すべき」ことを考えたい「一日」であった。
日本での東日本大震災、同福島原発事故の災害に見舞われている時に、米国では9.11米国同時多発テロ攻撃の首謀者とされるテロ組織アルカイダ創設者ウサマ・ビンラディン殺害作戦が進められていた。
ホワイトハウス危機管理室(white house situation room)では作戦実行計画が実況中継されていて、私服姿のオバマ大統領が身を乗り出して(多分)大型ディスプレイを凝視し、同じくクリントン国務長官は右手で口元を押さえ、左手は(多分)聖書の上に置かれていた(w.h.映像提供)。
(2)公表されたものは静止の画像であったが、映画、TVドラマのワンシーンを見るような緊迫と迫真の空気が伝わってくる場面描写であった。
作戦は複数の米軍ヘリコプターで急襲し銃撃戦の末、ビンラディンが射殺されて40分で終了したと言われる。
オバマ大統領は深夜にかかわらず声明を発表し、米国国防総省はDNA鑑定の結果ビンラディン本人であることを確認し、遺体はアラビア海に流した(水葬)との声明を出した。
(3)ビンラディンの潜伏先がパキスタン首都近郊(首都から60キロ地点)で軍管轄地区の中のこれみよがしの社会と隔絶した構造の大邸宅であったこと、作戦が40分で終了するなど周辺警備が思った程厳重でないと見られることなど、米国あげての行方を追跡されていたテロ首謀者ビンラディンの潜伏先状況、環境としては不可思議な全体像の上に、混乱、神格化回避の作戦もあったのか遺体公表もないまま一方的に本人確認プロセス手順だけを述べて海に処分したことは、それまでの米国の最高レベルのテロ抑止対策、ビンラディンに対する最大限の壊滅解体目的の意気込みからは大きくかけ離れた「ドラマ」の終息結果だった。イラクのフセイン大統領拘束時とは随分と違う情報開示だ。
(4)近年はイラク、アフガン侵攻後の長期軍事リスク管理の失態に国内外からの強い批判もあり、今や唯一の覇権国家米国もその影響力は減少化しているとは言え、この期の軍事作戦展開で「混乱、神格化」回避も考えにくい。
そのような用意周到な作戦展開には、長期間にわたる最高レベルの「機密」はつきもので、国際関係の緊張緩和からも永らく全容真実が表立つことはないのが常道だ。
また9.11テロ攻撃後、首謀者のビンラディンの健康状態の危機的悪化情報も流されたこともあり、不安定な山岳拠点地帯の潜伏情報とあわせて今回事態とのあまりの整合性のない情報操作もあり、国際社会では意図的な情報の精度の見極めも必要だ。
(5)オバマ大統領は、今回のビンラディン殺害作戦が正義に基づくものでイスラム(教)社会との対立ではないことを強調した。根底には石油資源を巡ってのアメリカキリスト(教)社会と中東、西アジアイスラム(教)社会の確執、宗教(戦争)対立が永く背景にあることは歴史が証明している。
今年に入って、中東、北アフリカ諸国では経済不況の波及による長期独裁政権に対する市民革命が次から次へとぼっ発している。
時代は、経済協調主義を背景にしてテロから市民革命へとレジスタンス(resistance)の基軸を移行しつつある。
罪もない人々の命を奪われる悲劇は続くが、テロの悲劇の「ドラマ」化終息に世界が「すべき」ことを考えたい「一日」であった。