(1)人生でもいいし、人間としてでもいいが「潔(いさぎよ)さ(bravery)」が大事だ。人生でも人間でも、間違いのない道のりはない。人生も人間も間違いをおかすものだ。
それが取り返しのつかない、回復不可能なものでないことを願うばかりだが、間違いに気がついたら「潔く」認め、反省、自戒のうえに立って出直すことが大切だ。
いまさらNHK新会長の開き直りをどうのこうのと言うつもりはないし、早晩にお辞めになるのではないのか。そうでなければ自らを追い詰めたはずの「公共放送」としてのNHKの方がもたないだろう。
(2)将棋の棋士を見ていると、実に礼儀正しく、端正で自己制御が効いてその所作がすばらしいのに驚く。小さな将棋盤を挟んだ1対1の叡智の限りを尽くした闘いの中で、一旦勝負が決すればお互い同士の感想戦で棋戦をふり返り次の対戦の糧(かて)とする、感情を超えた実に勝者と敗者の枠を超えた「潔い」光景だ。
将棋界の最高峰A級リーグで毎回下位2名がB級1組に陥落する。A級リーグに属さない限りこれまた最高峰権威の名人戦に挑むことも出来ない厳しい順位ランクだ。
(3)その名人位をかって史上最年少で獲得した永世名人資格の谷川浩司九段(51)が、30年以上守り続けたA級リーグから今回初めて同リーグ2勝6敗の成績でB級1組に陥落することになった。
谷川浩司さんは羽生善治王位や森内俊之名人のひとつ前の世代で、将棋界のプリンスと呼ばれて一時代を築いた実力者であり、これまで最高峰のA級リーグに所属しながら現在は将棋連盟会長でもある。A級リーグと会長職の大変な激務を両立させてきたスーパー棋士だ。
(4)その谷川浩司さんが来期からB級1組へ陥落することになって去就が注目されていたが、「来期はB級1組で頑張る」(報道)決意を表明した。
将棋界はA級リーグとB級リーグでは雲泥の差がある厳しい勝負の世界だ。そのB級リーグに身を置くことになるプリンスと呼ばれて永世名人で現会長の谷川さんには大変忸怩(じくじ)たる思いもあるだろうか、そのB級リーグで再起を期すことになった。
(5)将棋最高峰のA級リーグは毎回下位2名の入れ替えがあり、来期の頑張りでは十分A級リーグ復帰も可能なだけに奮起を期待したい。これまた実に「潔い」選択行動だ。
今回のA級リーグ1勝6敗のあとのすでにB級陥落が決まったあとでの最終戦で勝利したのも実に「潔い」ものだった。
(6)今年の話題をさらった万能細胞のSTAP細胞作製はそれを証明する論文2本で次々と疑問、問題が指摘されて、所属する理研ほかで同論文撤回(発見無効)に向けて事実検証が進められている急展開だ。
第3者機関による検証もいいが、同研究リーダーで同論文執筆者でもある小保方晴子さんが一番、事情、経緯を知っている人物なのだから、もうここに来たら堂々と自ら説明する責任がある。
実に「潔さ」のない見事な雲隠れだ。発見の真偽以前の、化学者としての信義ですでに大きな問題、欠かんがある。
それが取り返しのつかない、回復不可能なものでないことを願うばかりだが、間違いに気がついたら「潔く」認め、反省、自戒のうえに立って出直すことが大切だ。
いまさらNHK新会長の開き直りをどうのこうのと言うつもりはないし、早晩にお辞めになるのではないのか。そうでなければ自らを追い詰めたはずの「公共放送」としてのNHKの方がもたないだろう。
(2)将棋の棋士を見ていると、実に礼儀正しく、端正で自己制御が効いてその所作がすばらしいのに驚く。小さな将棋盤を挟んだ1対1の叡智の限りを尽くした闘いの中で、一旦勝負が決すればお互い同士の感想戦で棋戦をふり返り次の対戦の糧(かて)とする、感情を超えた実に勝者と敗者の枠を超えた「潔い」光景だ。
将棋界の最高峰A級リーグで毎回下位2名がB級1組に陥落する。A級リーグに属さない限りこれまた最高峰権威の名人戦に挑むことも出来ない厳しい順位ランクだ。
(3)その名人位をかって史上最年少で獲得した永世名人資格の谷川浩司九段(51)が、30年以上守り続けたA級リーグから今回初めて同リーグ2勝6敗の成績でB級1組に陥落することになった。
谷川浩司さんは羽生善治王位や森内俊之名人のひとつ前の世代で、将棋界のプリンスと呼ばれて一時代を築いた実力者であり、これまで最高峰のA級リーグに所属しながら現在は将棋連盟会長でもある。A級リーグと会長職の大変な激務を両立させてきたスーパー棋士だ。
(4)その谷川浩司さんが来期からB級1組へ陥落することになって去就が注目されていたが、「来期はB級1組で頑張る」(報道)決意を表明した。
将棋界はA級リーグとB級リーグでは雲泥の差がある厳しい勝負の世界だ。そのB級リーグに身を置くことになるプリンスと呼ばれて永世名人で現会長の谷川さんには大変忸怩(じくじ)たる思いもあるだろうか、そのB級リーグで再起を期すことになった。
(5)将棋最高峰のA級リーグは毎回下位2名の入れ替えがあり、来期の頑張りでは十分A級リーグ復帰も可能なだけに奮起を期待したい。これまた実に「潔い」選択行動だ。
今回のA級リーグ1勝6敗のあとのすでにB級陥落が決まったあとでの最終戦で勝利したのも実に「潔い」ものだった。
(6)今年の話題をさらった万能細胞のSTAP細胞作製はそれを証明する論文2本で次々と疑問、問題が指摘されて、所属する理研ほかで同論文撤回(発見無効)に向けて事実検証が進められている急展開だ。
第3者機関による検証もいいが、同研究リーダーで同論文執筆者でもある小保方晴子さんが一番、事情、経緯を知っている人物なのだから、もうここに来たら堂々と自ら説明する責任がある。
実に「潔さ」のない見事な雲隠れだ。発見の真偽以前の、化学者としての信義ですでに大きな問題、欠かんがある。